天守閣木造復元予算は認めれない(2017年3月23日)

解体・木造化の見切り発車は許さない
天守閣木造復元に向けた基本設計などを自・民・公・減が可決

 江上ひろゆき議員が3月23日の本会議で、2016年6月議会から継続審査になっていた名古屋城天守閣の木造復元関連議案に反対する立場で討論。江上議員は、現天守閣は平和と戦後復興の象徴、解体・木造化を急ぐ市民の合意は無い等、見切り発車が許されない理由を説きました。
 議案は、共産12名と自民2名以外の賛成により可決しました。

平和と戦後復興の象徴 再建天守閣
 江上議員は、「現天守閣は72年前の戦争で焼失し、平和と戦後復興の象徴として再建。総事業費6億円のうち、寄付1億円の目標が2億円も集まる市民の思いがこもった施設です。その天守閣を解体し木造化を急ぐことは許されません」「基本設計等の可決によって、基本協定書に明記される505億円の事業費や2022年12月の完成期限などを認めることになる」と、木造化に向けた設計予算などの議案に反対しました。

解体・木造化を急ぐ市民の合意はない
 江上議員は、市民合意について「市が昨年5月に実施した2万人アンケートでは2020年7月までの復元案は21%で、市民から否決された。共産党市議団の実施した市政アンケートでも、まずは耐震補強が52%あった」ことを明らかにし、「市民の機運醸成に努めなければならないことを当局も認めるほど市民合意はありません」と批判しました。

収支計画が破たん、税金投入容認へ
 江上議員は、「税金投入はしないという収支計画が破たんしている」ことをきびしく批判しました。「事業費は入場料で賄うと言いながら、入場者数の積算では、10年以上の将来にわたる予測はほぼ不可能、次第に減っていく」という市の委託した調査結果を示しました。
 市長は、「仮に収支がよくなくとも、必ず推進すべきもの」と赤字もあり得ることを示唆し、当局も「税金は投入しない」から「税金投入しないように努力する」に答弁を変えました。江上議員は「市民負担につながる収支計画は認められない」と反対しました

 課題先送りで自公民が賛成に
 6月以来市長のやり方がおかしいと繰り返し追及してきた自公民は、収支計画や財源問題などの課題を明らかにできず「附帯決議」をつけ、賛成に転じました。 竹中工務店との設計契約・基本協定締結は市長選挙の後になります。天守閣の解体・木造化が推進するかどうかの民意を示す機会になります。

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