2017年度予算案に反対(2017年3月23日 本会議)

市長の「金持ち減税」「世界からの集客」へのこだわりが市民の暮らしをないがしろに

予算案に対する反対討論 山口清明議員

 3月23日に2017年度予算案の採決が行われ、山口清明議員が反対討論を行いました。
 山口議員は、「減税」より市民の暮らし優先を、「客引き」より地域経済の活性化を、と日本共産党市議団の「予算組み替え案」の立場で市政の転換を求め、討論を行いました。概要を紹介します。

「減税」より「医療・介護保険料」「給食費」の軽減の方が暮らし応援に
 山口議員は、市民税減税について追及。「年収200万円とか100万円台とかの人がちょこっとでも減税されるのは低所得者にやさしい考え方ですよ、これが税の根本ですよ」という市長発言に、事実は「わずかな減税と引き換えに国保や介護の保険料は大幅増額」となることを明らかにし、「市長の減税へのこだわりが、心底、庶民の負担軽減を願ってのものなら、市民税が単一税率になった時点で、減税以外の施策による負担軽減へとカジを切り替えるべきだった」と指摘しました。

 
・年収200万円の夫婦と子ども二人の四人世帯にかかる市民税はゼロ、国民健康保険料は12万1690円(2017年度)。年収300万円では市民税が4万6400円で減税も年間2700円。一方で国保料は市民税額の約6倍、26万8630円になります。
・年金世帯収入200万円(非課税)の国保料は6万7230円、介護護保険料は二人で7万4260円です。年金収入が220万円になると市民税は3300円、200円減税。ところが介護保険料は13万7920円となり、8万7390円の国保料とあわせて年間22万5310円に上がります。
 

一人平均7329円(介護分含む)の国保料値上げ中止は25億円でできる
 2017年度の国民健康保険料は医療分で一人平均4039円、介護分を合わせると一人平均7329円も引きあがる予算です。約25億9千万円で値上げをやめることができます。117億円の減税額の四分の一で実現可能です。小学校給食の無料化や18歳までの医療費無料化など、市民が求める負担軽減にも取り組むべきです。

天守閣に続き、大規模展示場
 市長はいま、東京に対抗し世界からお客さんに来てもらうためにと名古屋城天守閣の木造化とともに、大規模展示場の整備に熱中しています。山口議員は「市長の熱中するハコモノづくりがさらに市民のくらしと本市の財政を圧迫する恐れが強い」ことを指摘し、大規模展示場の整備をやめるよう求めました。

いずれも過大な採算計画
 国際展示場はすすめられている金城ふ頭のポートメッセの拡張移転、愛知県の空港島への大規模展示場に加え、県との調整もつかないまま新たに空見ふ頭での展示場調査費を計上しました。稲永ふ頭での整備費をもとに試算すると500億円を超え、三つで東京ビッグサイトを超える15万㎡の規模となり、整備費も1200億円以上が想定されます。東京大都市圏の人口は3510万人、名古屋大都市圏は554万人。経済規模の違いも考慮しない過大な需要を当て込んだ過大投資になりかねません。

市長と大村知事の間に調整がついていない
 事業の進め方も問題です。県との調整がついていないままでの調査費計上は独断的ではないかとの追及に市長は「大村知事とは事あるごとに空見のことで話をしてきまして、この話も調査をやってちょうよ、ということだった」といったが、大村知事は「そんなことは言っていない。事業可能性がない事業の調査は無意味」と反論しました。山口議員は「こんないい加減な調査費の提案を認めるわけにはいかない。潔く撤回すべき」と批判しました。

市民生活応援予算に
 市民の負担軽減や健全な市政運営より、市長のこだわりや思いつき、パフォーマンスを優先させる姿勢は問題です。山口議員は「先ほど提案した予算組み替え動議であきらかなように、二つの転換だけで、小学校給食の無料化をはじめ市民生活を応援する多くの施策が実現できる」と指摘し、予算案に反対しました。