名港議会 山口清明議員の一般質問③名古屋港船舶通航情報センター(2017年11月10日)
港湾情報提供施設としての名古屋港船舶通航情報センターの活用について
山口清明議員
クルーズ船への対応強化にともなう港湾情報提供施設とはどんな施設か
【山口議員】今議会に提案された第15号議案、すなわち「名古屋港臨港地区内における構築物の規制に関する条例及び名古屋港の港湾区域内又は港湾隣接地域内における行為の許可に関する条例の一部改正」については港湾法の一部改正に伴うものと説明されています。
そもそも、この港湾法の改正は、クルーズ船への対応を民間活力の活用で充実強化するためのものです。臨港地区などの規制を緩和して、臨港地区内のどこへでも、かつ誰でも、新たに港湾施設として追加された港湾情報提供施設の建設を可能とするものです。
そこで、港湾情報提供施設とはまずどんなものなのか。まずうかがいます。
インフオメーションセンター、パネル、模型等を有する案内施設、港湾内の主要施設の配置や稼働状況等を一望できる見学施設
【港営部長】近年の外航クルーズ船の増加やそれに伴う乗船員・来港関係者への港湾に関する情報の適確な提供が必要となり、国際定期航路の就航ルートの集約化によって、船社が港湾を利用するうえで必要となる情報を効率的に入手したり、港湾を利用する物流事業者や荷主が船舶の就航状況や港湾施設の稼働状況、臨港道路の混雑状況などを適時に把握できることが重要になっている。
これらの事情に対応するため、港湾施設の利用効果を高め、利用者の利便性を向上させることになる港湾の利用に関する情報を提供するための港湾施設として、港湾情報提供施設が「港湾法」に新たに規定された。
具体的な施設として、港湾施設等に関する情報を提供するためのインフオメーションセンター、パネル、模型等を有する案内施設、港湾内の主要施設の配置や稼働状況等を一望できる見学施設とされている。
名古屋港での施設整備計画は何もない中で、なぜ今例の改正か、他港の動向はどうか
【山口議員】議案について調べてみましたが、当局の誰に聞いても、この港湾法の改正及び条例の改正を踏まえた名古屋港での施設整備計画は何もない、という答えしか返ってきません。クルーズ船への新たな対応策、港への新たな誘客施設の計画が何もないというのもちょっぴり寂しい気もします。
それでは、なぜいまこの時期にこの条例を改正するのか。他港の動向はどうか。名古屋港での今後の見通しはどうか。あわせておたずねします。
県が条例改正したので改正、施設ニーズの把握に努める。他港はわからない(部長)
【港営部長】平成28年5月の港湾法の一部改正を受け、改正内容に係る情報収集や他港の取組み状況を注視し、検討していたが、愛知県が本年9月の同県議会で「愛知県臨港地区分区内構築物規制条例」の一部改正を行ったことを踏まえ、今定例会で、「名古屋港臨港地区内の分区における構築物の規制に関する条例の一部改正」を上程することとした。
現在のところ、名古屋港において、港湾情報提供施設へ新たに位置付ける予定のある施設はないが、同施設のニーズの把握に努める。
他港で港湾情報提供施設として管理している事例は、国土交通省港湾局においても把握していない。
名古屋港船舶通航情報センターの展望室フロアを開放し、金城ふ頭の新たな観光資源、シンボルタワーにできないか
【山口議員】名古屋港には何もない、と言いましたがガーデンふ頭には少なくともポートビルがあります。クルーズ船のもう一つの受け入れ拠点である金城ふ頭には本当に何もありません。
そこで一つ提案です。金城ふ頭の突端にある名古屋港船舶通航情報センターは活用できないでしょうか。名前からするとまさしく港湾情報提供施設のように聞こえますよね。同センターの10階には展望監理室があり、名古屋港のほぼ全景が見渡せる絶好のロケーションを誇っています。しかし同センターには基本的に一般の方は保安上の理由で立ち入り禁止です。わかりますが、もったいない。
名古屋港船舶通航情報センターの展望監理室フロアだけでも一般に開放し、金城ふ頭の新たな観光資源、シンボルタワーにはできないでしょうか。
法律で立ち入りの制限を行っている区域であり、一般開放は困難(部長)
【港営部長】名古屋港船舶通航情報セン夕一は平成6年に、増加・大型化する船舶の対応として、入出港情報の集中管理、海上交通情報の提供及び航行管制などを一元的に実施するために建設された施設であり、船舶の安全航行に係る重要な役割を果たしていることから、一般の方の入場を制限している。同セン夕一の10階には展望監理室を備えているが、埠頭管理や船舶動静把握のための監視を主な目的としている。
金城ふ頭は、交流機能と物流機能を両立するかたちで土地利用を図っているが、同セン夕一は、将来的にも物流機能を担う場所に立地しており、「国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律」に定める国際埠頭施設として立ち入りの制限を行っている区域であることからも、一般開放は困難と考える。
名古屋港船舶情報センターなど既存施設の有効活用を柔軟に対応せよ(要望)
【山口議員】港湾情報提供施設としての名古屋港船舶通航情報センターの活用については、今後の課題としておきます。金城ふ頭の在り方が大きく変わる時です。新たな施設づくりだけでなく既存施設の有効活用についても柔軟に対応していただくことを要望しておきます。
キーワード:環境と防災、まちづくり、山口清明