西山あさみ議員の個人質問②性暴力防止（2018年3月5日）

投稿日：2018年3月5日

性暴力防止に向けた理解促進策に本腰をいれよ

西山あさみ議員

性暴力防止に向けた理解促進のためのグッズなどを作成し、学校等で活用すべき
【西山議員】ハリウッドの女優たちが性暴力被害を告

発した＃Me　tooムーブメントなど性暴力被害が大きな社会問題となっています。日本でも約110年ぶりに性犯罪に関する刑法の大幅改正がおこなわれ、さらに、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターを、2020年までに各都道府県に最低一カ所設置することを掲げています。
　いよいよ被害実態にふさわしい地方公共団体での取り組み強化が本格的に求められるときになりました。
　2017年6月、性暴力を扱ったＮＨＫのある番組で行われたネットアンケートでは、“性行為の同意があったと思われても仕方がないと思うもの”として、2人きりで飲酒27％、2人きりで車に乗る25％、露出の多い服装23％、泥酔している35％となっています。実に4人に1人が「2人で車に乗る」だけで性行為の同意があると考えているという結果です。
　「被害に会った時に激しく抵抗し、大声を出せば避けられるんではないかと思う」「死ぬ気で抵抗すれば防げる。性交が成し遂げられたのは、女が途中で諦め、許すからである」と視聴者からのFAXも紹介されました。こうした「抵抗しない被害者が悪い」という性暴力に対する社会的偏見の解消と被害者も加害者も生み出さない努力が必要です。
　被害者の側も、「恥ずかしくて誰にも言えなかった」「自分さえ我慢すればなんとかこのままやっていけると思った」と苦しみを一人で抱え込んだり、人に相談しても「あなたにも責任があるのではないか」「必死で抵抗しなかったあなたが悪い」「そんなことは早く忘れなさい」と言われ、さらに声をあげられなくなることで支援への結びつきが絶たれてしまうことになります。
　福岡県では性暴力やリベンジポルノ、ストーカーやＪＫビジネスとはなにかを解説したデートＤＶのパンフレットを作成し高校1年の全生徒に配布しています。
　仙台市では、被害にあった子への声かけの仕方、悪いのはイヤなことをおこなった人であなたは何も悪くないというメッセージなども含めて性暴力に限った大人用、子ども用と2種類のリーフレットを作成し、子ども用は市内の小・中学校生徒に配布されています。
　これは北海道が作成しているパンフレットです。プライベートゾーンはどこかなど、わかりやすいイラストで描かれています。
　2016年3月名古屋市男女平等参画推進会議による男女平等参画に関する大学生の意識調査結果報告書の中には、「性暴力やセクシャルマイノリティに対する知識・理解の促進」が今後取り組むべき具体策として提言されています。
　性暴力の防止や偏見を解消するためにどんなことをおこなってきましたか。本市でも仙台市のリーフレットのような性暴力防止に向けた理解促進のためのグッズなどを作成し、学校等で活用すべきだと考えますが、見解をお聞きします。市がすでに作成しているハンドブックやポスターを引き続き活用（局長）
【総務局長】従来より「性別にかかわる人権侵害の解消」の一環として、配偶者や交際相手等からの暴力の予防啓発の中で、性暴力防止に向けた意識啓発にも取り組んでいる。
　具体的には、11月には男女平等参画推進センターで性暴力被害者支援について考える講座を実施、年間を通じて、高校や大学等で生徒や教職員向けに、相談室の専門相談員が講師を務める「デートＤＶ防止出張講座」を実施している。
　若年層向けデートＤＶ防止の啓発ハンドブックを作成し、教育委員会と連携して市立高校生とその保護者へ配布しているとともに、デートＤＶ防止啓発ポスターを作成し、私立高校等へ配布しているほか、性教育に取り組む団体等と連携するなど、様々な機会を通じて啓発に取り組んでいる。
　これまでに作成しているハンドブックやポスターを引き続き活用して、性暴力防止に向けた理解の促進に取り組んでいきたい。

性暴力とは何か、正しい理解を広げ性暴力を防止すべき（意見）
【西山議員】私は実際に被害に遭った方がたから話を聞きましたが、ＰＴＳＤや自傷行為、解離などの症状で、その日から普通の生活すら送れなくなってしまった人たちがいます。
　同じ性暴力を受けたとしても対応してくれる環境に出会えていたらもう少し普通の日常生活を送れていたかもしれない、という声もお聞きました。
　私は18歳のときに友人の父親から強姦の被害にあいました。助けを求めることもそして相談をすることもできませんでした。そのとき以降、幼い頃に受けてきた性的虐待の記憶がよみがえるようになりました。当時の私にはその行為がなんなのか、そういうことも分かりませんでした。そして今この瞬間まで、この事実を誰かに話すことはできませんでした。幸い私は現在までPTSDや乖離などの症状がでることはありませんでしたが、多くの皆さんがそういった症状に今も苦しんでおられます。そして私自身もこの記憶が濃くなることはあってもその記憶がなくなることは現在もありません。一人の被害者を見逃してしまうことが、新たな被害者を生み出す悪循環に繋がっていきます。ジェンダー意識の一環という位置づけだけでなく、性暴力とは何か、正しい理解を広げ、性暴力の防止に取り組んでいただきますよう要望しこの質問を終わります。
　一人の被害者を見逃してしまうことが、新たな被害者を生み出す悪循環に繋がっていきます。
　ジェンダー意識の一環という位置づけでなく、性暴力とは何か。正しい理解を広げて性暴力の防止に取り組んでいただきますように要望し、この質問は終わります。

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