後期高齢者医療広域連合議会 8月定例会 決算質疑(岡田ゆき子・2018年8月23日)

マイナンバー導入は情報漏えいの不安が大きい。短期保険証の交付や生活実態を無視した差し押さえはやめよ

保険料軽減特例の見直しによる被保険者への負担増の件数や金額は

【岡田議員】2017年度から3年かけて、保険料の特例軽減の見直しがおこなわれ、低所得者に対する所得割軽減が年金収入211万円以下の方について、これまでの5割軽減から2割軽減に、今年度は軽減なしとなりました。

 均等割部分の見直しでは、被扶養者であった被保険者は、9割軽減から7割軽減に、さらに今年度は5割軽減となっています。2017年度の決算で、所得割、均等割の見直しで、それぞれ負担増となった件数、影響額、一人当たりの保険料はいくら増額となったかお聞きします。

所得割での増額10万1千人、8億円、元被扶養者での増は5万9千人、4億円(課長)

【管理課長】所得割の軽減割合の変更に伴う影響は、保険料が増となった方が約10万1千人、その影響額は約8億円で、対象者1人あたりの保険料は7,855円増となります。
 元被扶養者に対する均等割の軽減割合の変更に伴う影響は、保険料が増となった方が約5万9千人、その影響額は約4億2千万円で、対象者1人当たりの保険料額は7,150円の増となります。

負担増となった人からの苦情等の実態は

【岡田議員】負担増となった被保険者本人または家族から保険料に関する相談や苦情がどうであったか、実情をお聞きします。

丁寧に説明している(課長)

【管理課長】保険料に関する相談や苦情は、当広域連合にも寄せられていますが、丁寧に説明する中で、理解を得られるよう努めています。引き続き、被保険者の立場にたったきめ細かく丁寧な説明に心がけます。

後期高齢者の実態把握は急務(意見)

【岡田議員】保険料軽減特例の見直しについて、決算からも改めて軽減特例の見直しによる高齢者の負担増の実態が明らかとなりました。軽減特例の見直しによって、負担増が高齢者の生活をさらに追い込み、必要な医療受診の抑制につながっていないか、後期高齢者の実態把握は急務であり、市町村と連携し広域連合として把握することを求めます。

短期保険証・未渡し・差し押さえの件数と金額は

【岡田議員】2017年度の短期保険証発行件数、未渡し件数、差し押さえ件数とその金額について、それぞれ過去3年の推移をお聞きします。

2017年度末現在、短期保険証は806件の交付、未渡しは174件

【管理課長】短期保険証の交付件数は、2016年3月末現在34市町813件、2017年3月末現在が6市町811件、2018年3月末現在37市町 806件と、2016年3月末から2018年3月末で交付市町は3市町の増、交付件数は7件の減です。
 短期保険証の未交付件数は、2016年3月末現在19市町43件、2017年3月末現在19市町157件、2018年3月末現在27市町174件と、2016年3月末から2018年3月末で、市町数は 8市町の増、未渡し件数は31件の増です。

短期保険証の未渡しが増えているが、実情を把握しているか(再質問)

【岡田議員】短期保険証の発行件数はこの3年間大きな増減はないということですが、保険証の未渡しは市町村数も件数も増えています。
 差し押さえに関しては、2015年度末の90件から2017年度末には2.3倍の211件と大きく増えました。
 未渡しの方について、その対象者の健康状態、受診状況など把握がされていたのでしょうか。保険料未納だけでなく、他に滞納が重複していなかったかどうかについて、再度お聞きします。

電話や訪問などで丁寧に対応(課長)

【管理課長】短期保険証の交付にあたっては、原則的に来庁することを前提にしており、来庁しないと未渡し状態となります。
 未渡し状態の方には、各市町村において、文書による来庁案内、電話、臨戸訪問などにより接触を図る中で、受診希望があれば、健康状態等を把握し、医療が必要な状況であるかを確認のうえ、必要な期間の短期保険証を交付するなど、丁寧な対応に努めています。
 他の滞納との重複の状況は、市町村が他税等の滞納も含め、個々の生活状況に即したきめ細かな収納対策が適切に行われていると認識しています。

売掛金まで差し押さえるような異常な事態だ(再質問)

【岡田議員】国民健康保険の被保険者の事例ではありますが、名古屋市内に在住の小規模業所の経営者から相談をうけました。保険料の滞納があった方ですが、その方の通帳に売掛金が入金された。入金された途端、差し押さえとなったため、従業員の給与に充てる予定が、給与が支払えなくなり、商売が継続できなくなったとして現在、不服審査請求されています。後期高齢者医療の場合、何を差し押さえしているか、事前にお聞きしましたが、預貯金の差し押さえが最も多く、ついで年金だということでした。75歳以上の方でも、お元気で商売されている方も少なくないと思われます。地域の経済を支えている中小業者の差し押さえは、市民の暮らしにもかかわる問題です。後期高齢として差し押さえが行われていることに関して、深刻な事態は起こしていなかったと言えるか、市町村にどう確認してきたか、お聞きします。

適切に行われている(課長)

【管理課長】徴収事務は法に基づき、市町村事務なので、当広域連合としては、年1回、市町村からの報告で、差し押さえの件数、種別及び金額について確認をしている。
 差し押さえを含む滞納処分については、市町村が納付相談等のきめ細やかな収納対策を適切に行い、滞納者の生活状況等を十分に把握したうえで、十分な収入、資産等があるにもかかわらず、なお保険料を納めない被保険者に対して、負担の公平性の観点から、適切に行われていると認識しています。

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