山口清明議員の議案外質問①(2018年9月20日)

地震・豪雨・台風など、この夏の災害を踏まえ、防災において強化すべき課題を提案

①複合災害への対応について
         山口清明議員

今夏の災害を振り返る
【山口議員】この夏、多くの災害が日本列島を襲いました。大阪府北部地震、平成30年7月豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震。名古屋では記録的猛暑もありました。被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。併せて被災地の救援・復旧に駆けつけた職員並びにボランティアのみなさんにも感謝と敬意を表します。
 さて、伊勢湾台風を踏まえて災害対策基本法がつくられたように、災害の法律は災害に応じて充実させるものです。名古屋市の防災施策も同様です。この夏の災害を踏まえて、防災施策の強化点をご一緒に考えたいと思います。
 はじめに、この夏の災害を簡単に振り返ってみましょう。
 6月18日、最大震度6弱の大阪北部地震が発生。ブロック塀の倒壊で幼い命が奪われました。被災した住宅の9割以上が「一部損壊」というのもこの災害の特徴でした。
 7月6日から7日、西日本中心に広範囲で豪雨災害が発生。土砂災害は1500か所を超えました。倉敷市真備では地域の約3割1200haが浸水し51人が犠牲になりました。ここでは「想定と一致した浸水域 ハザードマップ生かせず」と報じられました。正確なハザードマップだけでは被害が防げない。重い教訓です。
 9月4日、非常に強い台風21号が大阪湾を直撃しました。大阪港では過去最高の潮位を記録。関西国際空港では、最大瞬間風速が観測史上最大の58.1mを記録、高潮が高さ5mの防潮壁を越えて浸水しました。暴風と高潮の威力を見せつけられました。
 そして9月6日早朝、北海道で最大震度7の地震が発生し41人が犠牲となりました。北海道では台風翌日の地震です。異なる災害の連続発生です。北海道全体295万世帯が停電するブラックアウトも発生し、エネルギーの安定供給も新たな課題として浮上しました。
 すべての課題に触れることはできませんので以下三点に絞って質問します。

2018年夏の大きな災害と被害状況
6月18日 大阪北部地震(7/29消防庁集計)
 ・死者5名
 ・負傷者435名(うち重傷者17名)
 ・住家の全壊12棟、半壊273棟、一部破損41,459棟
 ・火災7件
6月28日~7月8日 平成30年7月豪雨
(9/6朝日新聞集計)
 •死者 227 人
 •行方不明者 10 人
 •負傷者 421人(重傷 71 人、軽傷 347 人、程度不明 3 人)
 •住家の全壊 6,296 棟、半壊 1万508 棟、一部破損 4,379 棟、床上浸水 8,937 棟、床下浸水 2万545 棟
 •公共建物の被害 11 棟、その他の非住家被害 193 棟
 (西日本を中心に北海道まで含む台風7号と梅雨前線等による豪雨)
9月4日 台風21号(9/14消防庁集計)
 •死者13人
 •行方不明者0人
 •負傷者912人(重傷38人、軽傷857人、程度不明17人)
 •住家の全壊9棟、半壊46棟、一部破損2万1920棟、床上浸水28棟、床下浸水191棟
 •公共建物被害5棟、その他非住家被害66棟
9月6日 北海道胆振東部地震(9/25消防庁集計)
 •死者41人
 •負傷者681人(重傷15人、軽傷674人)
 •住家の全壊156棟、半壊434棟、一部破損4068棟

複合災害への認識と対処方針は
【山口議員】第一に、複合災害への備えについてです。本市の地域防災計画は、災害の想定として大きくは、風水害と地震の二本立てですが、この夏は、異なる災害が同時に又は連続して発生する複合災害の危険性が明らかになりました。
 北海道の厚真町では、台風や大雨で緩んだ地盤が地震で揺すぶられ、多くの土砂崩れが発生しました。大阪北部地震で屋根が壊れ、ブルーシートをかぶせた状態の住宅を台風21号の暴風雨が襲いました。
 日本では、震度5弱以上の地震と警戒水位を超える洪水が一カ月の間に起きた事例がこの110年に20回発生した記録があると言われています。
 そこで防災危機管理局長にうかがいます。この夏の災害も踏まえて、台風や地震などが連続する複合災害への認識と対処方針をお聞かせください。

期実施計画に位置付ける(局長)
【防災危機管理局長】防災対策にあたっては、地震と台風などが連続して発生する可能性も視野に入れて進める必要があり、地域防災計画や震災対策実施計画、風水害対策実施計画などの各種計画に基づき、想定される一つ一つの災害への対策を行っていくことが、複合災害時の安全確保につながると考えます。
 現行の実施計画を着実にすすめ、次期実施計画に位置付けることで、想定されるそれぞれの災害に対応したハード整備や、市民が状況に応じた適切な避難行動がとれるよう、地域ごとの災害リスクの周知や各種訓練の実施などのソフト対策をすすめます。

しっかり推進を(意見)
【山口議員】複合災害については、視野に入れて防災施策を進めていく、次期実施計画で位置付ける、こういう答弁をいただきましたのでしっかりやっていただきたい。

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