さいとう愛子議員の議案外質問②(2018年9月20日)
市立高校のエアコンに係る費用負担のあり方について
さいとう愛子議員
市立高校のエアコンの保護者負担をやめ、市の責任で設置、運用を
【さいとう議員】今年は“災害”といわれるほどの猛暑が襲い、熱中症による死者が100人をこえる異常気象となりました。市立小中学校のエアコン設置は、市の責任において2013年度から順次進められてきたので、普通教室は100%、特別教室は41.9%の設置率です。
また、市立高校ですが、学校によって違いはあるものの、夏期講習や補習、文化祭準備などで夏休み6週間のうち4週間程度は学校の教室を使用し、学習や交流活動をおこなっています。小中学生よりも暑い夏の時期に学校にきており、今年は36日も猛暑日となったので、エアコンは必需品だったのではないでしょうか。現在、市立高校のエアコンの設置は、普通教室には100%、特別教室などでは56.0%となっています。
ところで、設置されている市立高校のエアコンにかかる費用の負担はどのようになっているでしょうか。小中学校と違い、親が負担しPTA会費といっしょに集められています。10数年前、PTAからの提案でエアコン設置がはじまり、去年までに全市立高校14校の普通教室にエアコンが設置されました。
ほとんどの学校で、エアコンはリース契約を行い、リース料、光熱費の合計をPTAが頭割りで負担しています。ある学校では、ひと月に、概ねリース料600円、光熱費100円で、計700円、年間で8,400円の負担となっています。
夏のエアコンはこのようにPTA負担ですが、冬の暖房費はどうでしょうか。暖房費については、ストーブの設置、ガス代などを本市が負担し、小中学校同様、PTA負担とはなっていません。
今年の異常な猛暑を経験し、学校設置者の責務として、「学校保健安全法」に基づいて、「その設置する学校の児童生徒及び職員の心身の保持増進を図るために」、暖房費と同じく、本市が負担すべき費用ではないでしょうか。
そこで教育長にお尋ねします。市立高校のエアコンにかかる設置・維持費などの費用を、小中学校と同じように、設置者として責任を持つべきと考えますがいかがですか。
エアコンはPTAの要望で設置。県立高校も同様。国の補助が無いため(教育長)
【教育長】高等学校の普通教室等の空調設備は、夏休みの補習授業を実施していた学校のPTAからの要望に沿って、2007年度から学校施設の使用許可という形で導入された。
そうした経緯から空調にかかる機器のリース代や光熱費はPTA会費で負担することになった。同様の経緯で愛知県立高等学校でも、公害対策校を除く空調設備校133校全てがPTA会費による費用負担となっており、近年開設した高等学校もこれまで同様、PTA負担となっている。
一方、高等学校の施設整備全般に小・中学校のような国の補助制度がないため全て市費で賄う必要があり、非常に厳しい状況です。高等学校では、校舎の老朽化や生徒の要望の強い古いトイレの課題などがありますが、その対策が遅れている現状もあるので、老朽化対策という喫緊の課題に対応したい。
快適な学習環境を整えるのは設置者の責任ではないか(再質問)
【さいとう議員】今年2018年4月2日文科省から、学校環境衛生基準の一部改正の通知がだされ、望ましい温度の基準については、「10℃以上、30℃以下」から、「17℃以上、28℃以下」となりました。「温度の基準については、健康を保護し、かつ快適に学習する上で概ねその基準を遵守することが望ましいものであることに留意すること」とも明記されています。
学校における、児童生徒等及び職員の健康の保持増進を図ることを目的とした「学校保健安全法」の第4条の規定に基づき、学校設置者に、「当該学校の施設及び設備並びに管理運営体制の整備充実その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする」とあり、この法律は、財政上の措置についても国及び地方公共団体に求めています。法にてらしても、やはり生徒を保護し、心身の健康と快適な学習環境を整備するのは、学校設置者の責務ではありませんか。PTA負担から本市への負担に転換すべきと思いますが、教育長の見解を伺います。
指定都市で国に要望、トイレなどの老朽化対策が喫緊の課題(教育長)
【教育長】施設整備に係る国の補助制度を指定都市間で連携して国に要望している。
法律の趣旨は十分認識しており、教室等の望ましい温度の基準は、PTAの協力で満たしている。
今後、児童生徒の急増期に建てられた校舎の計画改修の時期を迎える中で、新たな費用負担は大変厳しく、喫緊の課題である老朽化対策に焦点をしぼり対応していく。
「PTAの協力があるから良し」ではダメ。設置者としての責務を果たせ(意見)
【さいとう議員】老朽化が喫緊の課題で、エアコン予算がでない、とのことですが、国への要望も行いながら、本市の負担のあり方について、PTAのご協力がえられているもの、としないで学校設置者の責務を果たしていただきたくことを求めて、質問を終わります。