名古屋市議選 追加政策を発表
日本共産党愛知県委員会は2月19日、4月7日投票の名古屋市議選にむけて追加政策(第2次案)を発表し、市役所で記者会見しました。
党市議団から江上博之幹事長、山口清明政審委員長が同席しました。
日本共産党2019年名古屋市議選政策(二次案)
日本共産党をのばして、福祉・暮らし優先の名古屋市政をすすめる議会を
2019年2月19日 日本共産党愛知県委員会
いよいよ4月に名古屋市議選が行なわれます。こんどの名古屋市議選は、「地方創生」どころか〝地方壊し〟というべき安倍自公政治に名古屋市政がどう立ち向かうか――政府の出先機関のような役割を果たすか、それとも「住民の福祉を守る」という自治体の本来の役割を果たすのかが問われています。いまの河村市政は、自民党・公明党の後押しをうけて、リニア開業を起爆剤に名古屋駅を中心とした開発を促進し、巨大地下通路や国際展示場の新設など大型事業をすすめ、カジノを誘致するとまで言い出しています。一方で、介護保険料値上げなどの市民負担増、公立保育園や小学校給食調理などの民営化・民間委託をすすめています。減税日本は市長のイエスマンにすぎません。
市議選の対決構図は、「自民・公明対日本共産党」です。河村市政を厳しくチェックし、暮らしの願いを実現するために市民と力を合わせる日本共産党を伸ばしていただいてこそ、福祉・暮らし優先の市政をすすめる市議会が実現できます。みなさんのご支援をお願いします。
1、安倍自公政権に直結する河村市政と対決し、福祉、暮らし第一の市政転換めざす日本共産党名古屋市議団の値打ち―名古屋市議選の争点と対決構図
(1)安倍自公政権に直結する河村市政の実像
①大型開発、大型事業に熱中する河村市政―けしかける自民・公明
河村市政は、2018年8月の「次期総合計画中間案」で、あらためて「国際的な都市間競争を勝ち抜く世界に冠たる交流拠点都市の形成をめざ(す)」と打ち出し、安倍自公政権に追随して、2027年とされるリニア開通を起爆剤に、大型事業、大型開発を推進する姿勢をあらわにしています。
昨年7月、「中部国際空港第二滑走路建設期成同盟」の副会長をつとめる河村市長は、会長の大村愛知県知事とともに「27年度のリニア開業に伴う大交流圏の誕生」に間に合わせたいとする建設促進要望書を石井国土交通大臣とともに、自民・二階幹事長、公明・斉藤幹事長に手渡しました。さらに、河村市政は昨年9月、中部国際空港の第二滑走路建設を見込み、あおなみ線を金城埠頭から中部国際空港まで延伸する構想を打ち出しています。
河村市長は、リニア開通にあわせ「東京ビッグサイトと勝負できる大規模展示場の建設」をうち出し、空見ふ頭で新たな国際展示場の建設をめざしていましたが、大村知事の同意を得られず断念。当面は、現在金城ふ頭にある3万4千平方メートルの国際展示場を8万平方メートルに拡充する方向で対応する方針です。さらに全国で誘致反対の運動がおこっているにもかかわらず突如、名古屋駅周辺にカジノを誘致するとまで打ち出しています。
リニア関連の名古屋駅周辺開発では、ふさわしい利用者数が見込めないにもかかわらず、笹島交差点から南に向けて、事業費百数十億円といわれる巨大地下通路の建設を計画し、名古屋駅前のさらなる超高層ビル建設の促進をはかるために、環境アセスメント要件の「緩和」を強行し、市民が意見をいう機会を封じています。
これらの施策をいずれもけしかけ、後押ししてきたのが、自民党、公明党です。自民党は、議会で大型開発推進を後押しする質問を繰り返してきました。カジノについても4年前に自民党議員が、誘致の検討をうながしています。さらに自民党、公明党は、議会改革と称して議員報酬引き上げ(800万円を1450万円に)と市民の多様な意見を議会から締め出す定数削減(75から68へ)も強引に成立させています。
②名古屋城天守閣をめぐる河村市長の暴走、憲法9条も敵視
河村市長が2022年完成をめざす名古屋城天守閣の木造復元計画は、505億円の建設費、維持費を含めて50年間で1000億円を超える財政支出が予想され、税金投入となればさらなる市民サービスの削減が予想されます。日本共産党市議団のアンケートでは、「再検討」「木造化せず耐震補強」を求める人は2022年完成目標の市長案27・4%の2倍、58・2%と過半数を超えています。しかし、河村市長は民意を無視して、あくまでも2022年完成へ強引にすすめようとしました。木造化にむけては、石垣の保全修復問題の解決が求められていましたが、2022年完成の一点張りでまともな対応をしなかったため、いまや文化庁への「現状変更許可」申請すらできないという事態に陥っています。障がい者のみなさんが、エレベーターを設置することを求め繰り返し市長に要望していますが、「完全な」木造化でなければ意味がないと、背をむけ、人権を無視する発言を繰り返しています。
議会で河村市長は、「憲法9条2項を堂々と変えないかん」と発言するなど安倍首相同様に改憲を求めていることも含め、民意を無視し、暴走する姿は、安倍首相そのままです。
③富裕層を優遇し、貧困と格差を広げる市民税減税
安倍自公政権のもとで、消費税が5%から8%に増税され庶民には重い税負担が押しつけられている一方、法人税は4兆円も減税され、富裕層の所得の大部分を占めている有価証券取引税も低く抑えられているもとで、大企業は過去最高の利益をあげ、富裕層は空前の収入を得ています。その結果、貧困と格差が拡大していますが、それをさらに広げているのが河村市長による市民税減税です。
河村市長は、庶民減税だといいますが、非課税者・生活保護受給者と扶養家族等控除対象者合わせた約117万人、市民の51・4%には減税の恩恵がありません。しかも減税された市民の半数は、月500円にも満たない減税額です。一方で、減税額が最も多かったのは高額所得者で、年約500万円も減税されました。一方で、県下一高い介護保険料など市民には数々の負担増を強いています。介護保険料の値上げなど市民への負担は増えるばかりです。河村市長による市民税減税は、庶民に増税をおしつけ、大企業・富裕層には減税で恩恵をあたえ、格差を広げる安倍自公政権の経済政策と変わりません。
さらに河村市政は、市民税減税による意図的な「税収不足」をテコに、少子高齢化も理由にした「行財政改革」をすすめ、市立保育園の廃止・民営化(2018年4月現在市立103園を78園に)、小学校給食調理民間委託化(15校)、市立幼稚園廃止(3園)、さらには地域療育センターの民間移管、要介護認定事業の1か所の民間センターへの集約など公的福祉のあいつぐ縮小・解体、市民サービスの削減をすすめています。
(2)5議席から12議席にパワーアップ!河村市政と対決し、要求実現に奮闘する日本共産党名古屋市議団
安倍自公政権につき従い、大型開発に熱中し、貧困・格差拡大、市民サービス切り捨てをすすめてきた河村市政と正面から対決し、市民の声を議会に届け、要求実現に奮闘してきたのが日本共産党名古屋市議団です。
日本共産党は、前回の市議選で5議席から12議席に大きく躍進した結果、これまで党所属の委員が空白だった土木交通委員会をはじめ、6つある市議会常任委員会すべてに複数の委員を配置。また、会派別議員数で議会第5党から第3党に躍進したことで、本会議の質問時間が大幅に増えるとともに、6人の新人議員が生まれたことでさらにパワーアップし、この4年間で、今まで市政に届かなかった地域の要望を次々と実らせてきました。
①今まで市政に届かなかった声を実現
党議員が初めて誕生した中区では、住民アンケートに「新堀川が臭い」という声が多数寄せられたことから、新人議員が2度にわたって本会議で改善を要求。市は環境調査を実施し、ヘドロ除去などの悪臭対策工事(予算約7億円)を実現しました。
名古屋駅のある中村区でも初議席を獲得。名駅前の経営者から「『客引き』が横行し、街のイメージを悪くしているので規制できないか」と要望があり、新人議員が本会議で規制条例の制定を提案しました。それをうけ市も調査に乗り出し、市自ら条例案を議会に提出し、全会一致で可決して2018年4月に施行されています。
また、党議席を回復した昭和区の新人議員は、小規模事業者から「従業員のプライバシーの漏洩の恐れがある」との訴えをもとに、市から事業所に送付される「特別徴収税額決定通知書」へのマイナンバーの記載を中止するよう、本会議で提起。その結果、政令市で初めて「記載中止」を実現しています。
党市議団の提案が実った例としては、子育て・教育分野に限っても、子ども医療費無料制度の18歳まで拡大(入院のみ)、高校生への給付型奨学金創設、就学援助の入学準備金の増額と小・中学校入学前支給、ひとり親家庭への学童保育の保育料減免、学校図書室への専任司書の配置、子ども食堂への助成など、数々あります。
防災でも議会論戦や政府交渉などを通じて、津波避難施設「命山」の建設(2022年完成予定)や、指定避難所の段差解消用簡易スロープ設置などを実現しています。市議会での議席躍進によって、名古屋市議と愛知県議で構成する名古屋港管理組合議会でも議席が1から2に増え、2つある委員会のそれぞれで質問や積極的提案を行い、高潮防波堤のかさ上げ補強や、堀川口防潮水門の耐震化と24時間常駐の管理体制を実現しました。
②市民との共同を広げて悪政をストップ
党市議団はさらに、幅広い市民運動と共同で河村市政の企みをストップさせてきました。
保育料は11年間連続で値上げを許していません。都道府県単位化された国民健康保険も、市の独自減免を堅持させ、保険料の値上げをくい止めました。敬老パスの負担増や利用制限の企みを許さず、上飯田連絡線への適用を実現しています。若宮商業高校の廃止方針も、広範な人々の反対の声と結んだ党市議団の論戦で、撤回に追い込みました。
安倍自公政権につきしたがってきた河村市政は、今、深刻な破たんに直面しています。これまで各行政区で行われてきた要介護認定事業が1か所の民間センターに集約された結果、介護認定事務が大幅に滞り、市の監査委員からも「大きな混乱を招いた」と指摘される重大事態までおこっています。大企業優遇の法人市民税「減税」も廃止に追い込み、30数億円の財源を確保しました。
小学校給食の無償化についても、党市議団は市民運動と連携して、繰り返し議会で実現を迫り、最近では他会派の議員も議会でとりあげるようになり、教育委員会の「学校給食のあり方懇談会」で議論されるなど、前向きの変化が起きています。さらに、前回選挙後に学校給食の民間委託や保育園、幼稚園の廃園・民営化問題、国保や介護の負担増問題など75件の請願の紹介議員となっていますが、他党は合わせても25件で日本共産党名古屋市議団が圧倒しています。
このように市民にしっかりとむきあい共同しながら、切実な市民の声を議会にとどけ、市民要求実現に奮闘する日本共産党の議員が現在の12議席からすべての行政区16人に増えれば名古屋市政は大きく変ります。
2、「市民の暮らし第一」の市政転換へ 名古屋市議選にのぞむ「5つの実行」と「3つのストップ」
日本共産党愛知県委員会は、この4年の党議員団の実績をふまえ、2019年名古屋市議選で、さらなる躍進をつくりだすために、2019年名古屋市議選政策をまとめました。市民税減税をやめ、市民の福祉をまもり、雇用を充実し、中小企業が活性化する政策をすすめれば、内需が拡大し市の経済も立て直せます。安心して子育てができる条件、教育条件を整備すれば、少子高齢化社会をのりきり、名古屋市の将来に明るい展望が開けます。政策を市民みなさんのご意見でねりあげながら、みなさんと力をあわせてその実現のために全力をつくす決意です。
市政アンケートの「市政にのぞむこと」(選択肢37施策)では、「名古屋駅周辺の開発」は下から3番目、「名古屋城の整備」は下から4番目にすぎませんでした。一方トップは、「ムダな公共事業の削減」で、「介護保険料・利用料軽減」「国保料値下げ」「子どもの貧困と児童虐待への対策」などの施策が上位を占めました。党市議団はこの声を正面から受け止め、市議選では、「市民の暮らし第一」の市政実現に「5つの実行」と「3つのストップ」を提案します。
〇「5つの実行」
①小学校給食の無償化
「義務教育は無償」は憲法に明記された大原則。子どもの健やかな成長を保障するためにも、子どもの貧困対策としても、大きな意義のある小学校給食費を無償にします。
②利用制限なしに、敬老パスの利用を拡大
高齢者の社会参加や健康づくりを促進し、経済波及も高く(予算の2・5倍)、CO2削減(年6500トン)の効果もある現行制度。新たな負担や上限額の設定など利用制限なしに、JR・私鉄でも利用可能にします。
③国保料を「協会けんぽ」並みに大幅引き下げ
5大政令市で2番目に高い国民健康保険料。滞納世帯の割合は13%にのぼります。2002年比で7割以上も減った、一般会計からの市独自繰入を増やし、一般会計からの市独自繰入を増やし、国にも全国知事会などが要求してきた「1兆円の公費投入」をはたらきかけ、「協会けんぽ」並みに大幅に引き下げます。
④介護保険料引き下げ
3年に一度の改定で引き上げられ、いまや愛知県内の自治体で最も高額となっている介護保険料を、一般会計からの繰り入れで引き下げます。
⑤子ども医療費無料制度を入・通院とも18歳まで拡大
子どもの健康と家庭の負担軽減のために、現在中学生までが対象の子ども医療費無料制度を入院・通院とも18歳までに拡大します。
〇「3つのストップ」
①不要不急の大型事業は中止する。名古屋駅南の、ささしま巨大地下通路建設は中止する。中部空港二本目滑走路の建設促進活動から脱退する。あおなみ線の中部国際空港への延伸、SL定期走行も実施しない。木曽川水系連絡導水路事業の中止を国に求め、事業から撤退する。カジノ施設は誘致しない。
②現天守閣の解体及び2022年12月完成をめざす天守閣木造化は中止し、市民意見を踏まえて再検討する。当面は耐震改修と老朽化対策、バリアフリー改修を行う。
③富裕層優遇の市民税減税はキッパリ廃止する。
〇実現への手だてと財源―予算組み替え案を毎年提案
党市議団はこれまでも、毎年度の市の予算案にたいし財源的根拠をしめした組み替え案を提案しています。2018年度予算に対しては、「名古屋城天守閣事業資金の基金への貸付」など20件の歳出削減と、金持ち優遇の「市民税減税」の廃止によって、新たに142億円余の財源が確保できることを示し、小学校給食費の無償化(約41億円)、敬老パス拡充(約9億円)、国保料一人1万円引き下げ(約48億円)、介護保険料値上げの中止(約34億円)は十分可能であることを明らかにしています。
子ども医療費無料制度の入・通院とも18歳まで拡大(約13億円)、18歳未満の国保料均等割の廃止(約17億円)です。
「3つのストップ」に加え、財政調整基金などを有効活用すれば、「5つの実行」は十分実現できます。
3、子育て、教育、福祉・くらし第一の市政実現へ「5つの改革」提案
日本共産党愛知県委員会は、「5つの実行」を含む「5つの改革」で名古屋市政を安倍自公政権直結の市政から、子育て、教育、福祉・くらし第一の市政への転換をめざします。
(1)「福祉日本一」を取り戻す
①教育・保育の負担を軽減、子育てしっかり支えます
―小学校給食を無償化する。「直営・自校方式」を堅持する。中学校スクールランチを完全給食にし、段階的に無償化する。
―小学校の30人以下学級、中学校の35人以下学級を段階的に全学年に広げる。教職員の任用は正規雇用を原則とし、臨時教員の正規採用を積極的にすすめる。
―市立高校の施設改修を計画的にすすめる。全学校の体育館・講堂及び特別教室にエアコンを設置する。
―市立保育園の廃止・民間移管を中止し、市立園を含む認可保育園を増やして「隠れ待機児童」(2018年4月1日時点で833人)を解消する。営利企業の保育所経営への参入を拡大しない。保育料は値上げせず、低所得世帯の第2子の保育料を無料にし、第3子の保育料無料制度にかかる所得制限は撤廃する。
―保護者や地元の合意がないまま市立幼稚園を民間移管・統廃合しない。
―学童保育所への運営費助成を拡充し、ひとり親家庭への補助を拡充し就学援助世帯への補助を新設するなど、保育料の負担軽減をはかる。移転等の際、土地及び施設を市の責任で確保し、家賃補助を増額する。貸与する専用室はプレハブから木造への転換を図る。指導員が常時複数配置でき、安定して働き続けられるだけの処遇改善加算を拡充する。
―子どもの医療費無料制度を入・通院とも18歳まで拡大する。病児・病後児保育所を全行政区・支所管内に設置する。
―子どもの貧困の実態を把握し、当事者参加で改善に向けた行動計画をつくる。ひとり親世帯への経済的支援施策を拡充する。「子ども食堂」をはじめ、子どもたちの居場所づくりや学習支援などに取り組む市民活動へのサポートを拡充する。
―増加する児童虐待に迅速に対応するため、児童福祉司と児童心理司を大幅に増員する。連携する区役所の職員体制も強化する。
―高等学校給付型奨学金の支給対象を全学年及び非課税世帯まで拡大する。奨学金返還支援制度をつくる。
②医療・介護・福祉の充実で高齢者や障がい者の豊かなくらしを支えます
―国民健康保険料を大幅に引き下げる。法定減額の該当世帯を対象とする特別軽減は、対象者全員に自動適用する。18歳までの子どもは「均等割」の対象としない。
―「敬老パス」を市内民間鉄道・バスに利用拡大する。「65歳から」「所得制限なし」「利用上限なし」の現行制度を堅持し、一部負担金は値上げしない。
―一般会計からの繰り入れなどで介護保険料を引き下げる。介護保険料・利用料の減免制度を設ける。特別養護老人ホームの待機者(2018年4月1日現在3514人)のゼロをめざして特別養護老人ホーム、小規模多機能施設などの整備を急ぐ。
―介護保険の認定に関する調査と事務を市直営に戻す。生活支援型訪問サービス等の報酬を引き上げる。ヘルパーなど介護職員の人材確保と処遇改善のための独自施策を講じる。
―75歳からの高齢者医療費無料制度を創設する。70歳~74歳までの医療費負担について、市独自の高齢者医療費助成制度を設け、1割負担に戻す。
―高齢者対象の肺炎球菌ワクチンは、65歳以上全年齢での接種を継続するとともに、自己負担(現行4000円)を半減する。
―障がい者グループホームなどの報酬単価に対する市独自加算や補助金を増やし、施設建設補助金の増額や市有地の無償貸与などで整備を促進する。通所施設併設の緊急ショートステイ機能を拡充し、利用定員も増やす。
―65歳からの障がい者について介護保険優先ではなく、介護保険と障がい者福祉のサービス選択を認め、負担増を防ぐ。
―障がい者基幹相談支援センターを含む相談支援専門員の体制を充実し、精神に関する相談支援体制を独自に構築する。
―療育待機児(2018年4月1日21人)の解消に向け、必要な定員枠と受入れ体制を確保する。西部及び北部地域療育センターの民間移管計画を撤回する。老朽化が著しい発達支援センターの改築・修繕を市の責任で早期にすすめる。
―高等養護学校を新設し、特別支援学校のマンモス化を早期に解消する。
③人権を守り、文化を育てます
―障がい者や高齢者、子ども、LGBTへの差別や虐待、いじめを許さない姿勢を、市政の隅々まで徹底する。
―「人権都市宣言」「ヘイトスピーチ対策条例」を制定し、民族差別や性的マイノリティの排除を許さず、市民の人権と個人の尊厳を守る立場を明確にする。
―市の各種委員会・審議会などでの女性比率(2018年4月現在36・3%)を速やかに50%まで引き上げる。
―老朽化が著しい千種・守山・名東各図書館の建て替えを早急にすすめる。現行図書館の機能を縮小する「なごやアクティブ・ライブラリー構想」は撤回し、図書館への指定管理者制度導入は行わない。
―市民の自主的な文化・芸術活動への助成制度を拡充し、安価に利用できる、ダンスや演劇、音楽などの稽古場を増設する。
(2)防災・環境の先進都市をめざす
―土砂災害警戒区域を総点検し、安全対策を構築する。堀川及び尼ケ坂断層など市内に推定されている断層の詳細な調査を国に求める。
―津波避難ビルの指定拡大や、ゼロメートル地帯への「命山」設置をすすめる。浸水想定地域のコミュニティセンターは順次3階以上に建て替える。福祉避難所の設置を拡大する。
―民間木造住宅の耐震診断及び改修工事への助成制度を拡充し、改修費用の無利子貸付制度を創設する。ブロック塀などの撤去助成の対象を拡げ、軽量フェンス設置も助成する。
―消防職員を「消防力の整備指針」に基づく必要数まで増員する。大規模災害に対応できるだけの職員数を区役所や土木事務所などに配置する。
―被災者生活再建支援法の助成対象外となっている「一部損壊」「半壊」住宅を対象とする、市独自の住宅修理・生活再建支援の制度を設ける。
―里山など多様な自然生態系を保全・再生し、緑被率30%目標(2015年時点22・0%)を早期に達成する。環境アセスメントの規模要件を強化し、名古屋駅周辺や栄地区の再開発など対象となる事業を拡大する。大気汚染による健康被害者への医療費助成制度をつくる。大気汚染常時監視測定局を増設する。
―原発からの撤退を市として宣言し、自然エネルギーの導入目標を定める。断熱工事など省エネルギー化のための住宅リフォーム補助制度を創設する。太陽光発電、小水力や地中熱などの利用を促進する。原発事故発生時の避難計画の具体化をすすめる。放射線測定機器を各保健センターに備え、衛生研究所の機能と体制を強化する。
(3)中小企業支援で地域経済を活性化させる
―市内中小企業への訪問調査(昨年度累計1288件)を施策に反映させるとともに、引き続き実態把握に努める。
―小規模企業経営力強化設備投資補助金の補助対象をリース契約設備まで拡大する。工場家賃や設備リース料などの固定費補助制度を創設する。無担保・無保証で納税要件も配慮した小規模事業者への緊急支援融資制度など、市独自の金融支援策を講じる。小規模企業振興資金の利用者に対する保証料補助制度を創設する。
―市内の中小企業に就職した新卒者に奨学金返済の一部免除を行うなど、中小企業の後継者対策・人材育成を支援する。正規雇用を拡大した企業を支援する。
―小規模事業者登録制度を設け、公共事業の分離分割発注をすすめて、中小企業向け官公需発注比率を引き上げる。
―公契約条例を制定する。市が発注する公共事業や委託事業について、執行状況の把握と指導を強め、適正な賃金や事業費を確保する。公共事業の最低制限価格を労働者の時給1000円以上に設定して積算する。
―小売業や食堂、理美容店などの改修工事・設備投資などに簡易に活用できる、「商店リニューアル助成制度(仮称)」を創設する。古民家や土蔵、空き家などをリフォームして創業する事業者なども対象とし、歴史的なまちなみの保全と活性化につなげる。
―住宅の性能向上と地域経済の活性化をすすめる、一石二鳥の取り組みである住宅リフォーム助成制度を創設し、耐震改修助成などと組み合わせて利用できるようにする。マンションなどの集合住宅の大規模修繕やバリアフリー化も助成対象として支援する。
―近隣の商店・スーパーの撤退などで、高齢者などが日常の買い物に不便を感じている「買い物困難地域」の実態を調査し、民間事業者や商店街、NPOなどによるミニ店舗や移動販売など、買い物機会の提供につながる取り組みを支援する。
(4)「非核平和都市なごや」の実現
―河村市長の南京大虐殺否定発言は名古屋市としての公式見解ではないことを南京市に伝え、交流の再開に努める。
―核兵器廃絶を明言した非核平和都市宣言を行う。「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」に賛同し、「平和首長会議」加盟都市にふさわしい非核平和行政を推進する。被爆者援護を拡充し活動を支援する。
―市街地における行軍訓練の中止を自衛隊に申し入れる。中学校の自衛隊基地での職業体験をやめる。陸上自衛隊高等工科学校の募集案内を中学校において配布しない。
―名古屋空港の基地機能強化とF35の整備拠点化に反対する。
―軍艦船の入港及び武器や資機材の搬入搬出を含む、名古屋港の軍事利用に反対する。
(5)市民に開かれた議会への改革を、市民とともに
市政アンケートでは、自民・公明両党が引き上げた議員報酬を「認める」と答えた人はわずか6%。「年額800万円に戻す」「第三者機関を設けて見直す」はほぼ同数で、合わせて8割近い人が「お手盛り」の報酬引き上げにノーと表明しました。
なお、日本共産党市議団は、議員報酬引き上げに反対するとともに、800万円を超える金額は議員個人のものとせず、被災地自治体への寄付などに充てるなどして、市民との公約を貫いています。また、任期中一回行われる慣例的な海外視察にも参加していません。
議会の基本的役割は、行政をチェックすることであり、市民の多様な要求を市政に反映させることです。そして議会が市民に開かれ、市民に信頼される存在となることが不可欠です。
しかし、全国市民オンブズマン連絡会議の「政務活動費公開度ランキング」(2018年度)では名古屋市議会は20政令市中最下位です。党市議団の奮闘で政務活動費の領収書のインターネット公開がようやく実現しますが、議員の任期中一回の海外視察の廃止など、議会改革で検討すべき諸課題は棚上げ先送りされたままです。
市民に開かれた議会をつくるために、4つの議会改革を提案します。
①政務活動費支出の領収書等をインターネットで公開する。
②議会報告会を毎定例会後に開催する。議会提出資料をインターネットで公開する。
③自民、公明、民主(名古屋民主)によって800万円から1450万円に引き上げを決めた議員報酬条例は白紙に戻し、新たな議員報酬については、市民参加の第三者機関を設置して決める。
④任期中一回の慣例的な海外視察を廃止する。
以上