田口一登議員の代表質問②国民健康保険料の引き下げを(2019年3月1日)
国民健康保険料の引き下げを
保険料引き下げのための公費投入を
【田口議員】「仕事の受注がゼロになり、国保料を払えなくなった。滞納の取り立てで、従業員の給料分も含めて預金のほぼ全額が差し押さえられた」。こんな訴えが、私たちのところに少なくありません。国保料を滞納している世帯は、市内で4万1千世帯を超え、国保加入世帯の13%にのぼっています。
滞納世帯が少なくないのは、国保料が高すぎるからです。給与収入400万円の夫婦と子ども2人の4人世帯が、協会けんぽに加入した場合、保険料の本人負担分は年19万8千円ですが、同じ年収と家族構成の世帯が国保に加入した場合、保険料は年34万6440円であり、1.7倍以上の格差が生じています。市民の5人に1人が加入し、国民皆保険制度の重要な柱を担うべき国保が、他の医療保険制度に比べて著しく不公平で、庶民にたいへん重い負担を強いる制度になっています。その根底には、国保は高齢者や低所得者の加入割合が高いという構造的な問題があります。
高すぎる保険料を引き下げ、国保の構造的な問題を解決するためには、公費を投入するしかありません。全国知事会、全国市長会、そして指定都市も、さらなる国費の投入を政府に要望し続けており、2014年には全国知事会が、公費を1兆円投入して、協会けんぽ並み負担率にすることを政府・与党に求めました。公費を1兆円投入すれば、国保の均等割をなくすことができます。均等割をなくすことができれば、先ほど例にあげた給与収入400万円の4人家族の場合、保険料は年13万3190円となり、協会けんぽ以下に保険料を引き下げることができます。他のケースでも、均等割をなくせば、国保料を協会けんぽ並みに引き下げることができます。
市長、国保料を「協会けんぽ」並に引き下げるために、全国知事会も要望している公費の1兆円投入を国に強く求めていただきたい。答弁を求めます。
知事会と共通歩調を取れるようにしたい(市長)
【市長】政令市長会は1兆円とはまだ言っていないようですけど、どうも知事会の方で、知事会の会長だったか、言ったようですので、1回連絡を取らして頂いて、共通歩調をとれるようだったらそのように頑張りたいと思う。
子どもの均等割減免の実施を
【田口議員】本市の国保料の均等割は、39歳以下の人で1人あたり約5万3千円です。家族が1人増えるごとに10万6千円、15万9千円と、国保料の負担額が上がっていきます。低所得者には一定の減額があるものの、子どもの数が多いほど国保料が引き上がります。人間の頭数に応じて課税する、まるで古代の人頭税です。人類史上でもっとも原始的で過酷な税制が、21世紀の公的医療制度に残っている。しかも、子どもからも人頭税をとっているのは日本ぐらいであり、子育て支援にも逆行しています。
18歳未満の子どもの均等割を廃止するには17億円で可能です。減らされ続けてきた一般会計から国保会計への市の独自繰入金を、2015年度の81億円まで戻せば実施できます。
健康福祉局長、子どもの均等割の減免について、国と地方の協議を見守るという消極的な態度ではなく、本市独自に実施へと踏み出そうではありませんか。答弁を求めます。
国の動向を見守りたい(局長)
【局長】子どもの均等割保険料の軽減措置は、参議院附帯決議により、国と地方の協議において、現行制度の趣旨や国民健康保険財政に与える影響等を考慮しながら、議論されることとなっている。引き続き、国と地方の協議について情報収集に努め、慎重に議論を見守る。