後期高齢者医療広域連合議会 8月定例会 決算質疑(伊藤建治春日井市議・2019年8月16日)
軽減特例の廃止など負担増を押し付け高齢者に負担増。所得の少ない人に短期保険証の交付をするな
愛知県後期高齢者医療広域連合議会 伊藤建治議員(春日井市)
制度改正の影響について
保険料軽減特例の見直しによる被保険者への負担増の件数や金額は
【伊藤議員】2018年度は①保険料の所得割の軽減特例が廃止②元被扶養者の均等割額の一律軽減は7割から5割になった。3月議会で①は対象9万8,000人で影響額5億円、②は対象4万3,000人で影響額は3億7,900万円との説明だったが、実際はどうだったのか。
所得割での増額10万人、5.2億円、元被扶養者での増は4万1千人、3.7億円(課長)
【管理課長】2018年度確定賦課時点で算出。①所得割軽減の見直しに伴う影響は、保険料増が約10万人、影響額は約5億2,000万円、見込みより約2,000人増、影響額が約2,000万円増。②元被扶養者の均等割軽減の見直しでは保険料増が約4万1,000人、影響額は約3億7,000万円。予算時より対象が約2,000人の減、影響額は約2,000万円の減でした。
高額療養費の限度額次期上げでの負担増は
【伊藤議員】高額療養費の自己負担限度額も2段階に分けて引き上げられ、2018年8月から高額療養費の上限額が現役並みになりました。予算議会では、2018年3月から7月診療分の5カ月分について、第1段階の改正前と改正後との比較で9億5,800万円、2018年8月の第2段階の改正で18億8,500万円、合わせた28億4,300万円が今会計への影響額との答弁だった。実際はどうなったのか。
予算での見込み通り(課長)
【給付課長】予算議会での影響額は、2016年時点の被保険者の診療データをもとに見込み、当時とは、対象被保険者や医療費の状況等、個々の条件が異なるため、全く同じ条件で影響額を算出するのは困難だが、予算時は、制度変更による影響を約28億円と見込み、高額療養費を344億616万5,000円とした。決算は、高額療養費は345億8,871万388円と、当初予算額と近い額で、おおむね見込みどおりだった。
短期保険者証について
短期保険証の発行件数などは
【伊藤議員】短期保険証の発行数の推移、所得階層別の内訳、発行している市町村数はいくらか。
2018年度末で短期保険証は748件の交付、 うち所得ゼロは285人、未発行自治体が20
【管理課長】短期保険証は、2017年3月末現在811人、2018年3月末現在806人、2019年3月末現在が748人。
「旧ただし書き所得」をもとにして所得階層を説明。2019年3月末現在の短期保険証交付者748人の内訳は、所得0円285人、58万円以下125人、200万円以下277人、400万円以下42人、600万円以下12人、600万円超が7人です。
2019年3月末現在、短期保険証の発行市町村数は54市町村のうち34市町、未発行は20市町村。発行しない市町村の取り組みは(再質問)
【伊藤議員】約4割の市町村に発行がない理由は。
地域性による(課長)
【管理課長】交付基準に満たないとか、交付しなくても納付相談が可能など、市町村の規模や地域性などの違いによる。
発行してない自治体に学べ(再質問)
【伊藤議員】短期保険証の92%が所得200万円以下。所得0が285人と約4割を占め、滞納している方のほとんどは、払いたくても払えない状況下にあるのではないか。短期保険証の発行は慎重に取り扱い、20市町村の努力を、全県的な取り組みにすべきだ。
短期証は効果がある(課長)
【管理課長】市町村の収納対策は規模や地域性などの違いを踏まえながら実施しており、県内一律の取り組みをお願いすることは困難である。
未発行20市町村のうち、収納率が県平均を上回る市町村は8市町村、県内市町村の上位10位以内に4市町村が入り、初期未納対策などのきめ細やかな収納対策で十分な成果を得ている。一方、県平均を下回る市町村が12市町で、下位10位以内に5市町が入り、収納対策に検討の余地がある。これをみても短期保険証を活用した収納対策は一定の効果がある。
特別会計決算認定案への反対討論(8月16日)
保険料軽減特例の見直しで負担増
【伊藤議員】2018年度は、所得割率と均等割額を引き下げる保険料率改定で、予算ベースで約10億9,100万円の被保険者の負担軽減がありました。
しかし、軽減特例の廃止縮小の制度改定も同時に行われ、保険料の所得割の軽減特例の廃止の影響で、約10万人に約5億2,000万円の負担増となった。1人当たり約5,200円の負担増になる。
元被扶養者の均等割額の一律軽減を7割から5割へと改めたことによる影響が約4万1,000人、約3億7,000万円、1人当たり約9,000円の負担増になった。
高額療養費の自己負担限度額の改正で、影響額は、従前比で28億4,300万円、通年換算では36億400万円もの負担増です。
余りに過酷な負担増を実施した今決算は認定できる内容ではない。
キーワード:福祉・介護・医療