2019年11月議会
江上博之議員の議案外質問①地域コミュニティの活性化(2019年11月26日)
少子高齢化・人口減少社会における地域コミュニティの活性化ついて
江上博之議員
地域コミュニティの自主的活動の支援
地域に対する市の依頼業務をどうやって減らしていくのか
【江上議員】少子高齢化・人口減少が言われています。名古屋市の地方創生戦略でも、40年後の2060年には、2010年と比較して、0才~14歳が3割以上減少、75歳以上は、9割以上増えると予測しています。地域の担い手が減り、地域の交流、災害の時の対応、子育て、介護など地域での活動が大変だ、という声です。顔が見え、歩いて行ける生活圏として小学校区単位が地域コミュニティと言われ、名古屋市では、町内会・自治会があり、小学校区に学区連絡協議会という住民の自主的組織があります。
また、地域組織に未加入の世帯も増えています。ある自治会では、回覧が町内会・自治会に未加入の方には回らない。ゴミ出しで、未加入の方も分別資源を持ってきてもめることがあります。
町内会・自治会の会長が区政協力委員を兼ね、回覧など広報活動をしています。回覧などの広報は、区役所からだけでなく、他の団体からもあります。この広報活動だけでも役員の方は大変といっています。「行政からの提出物の依頼、また地域への広報物の配布が多く、区政協力委員の負担となっている。」と区政協力委員大会の要望にも出ています。
そこで市民経済局長に質問します。地域コミュニティを活性化するためにも、市から依頼する事項を減らす、広報活動など負担をかけないようにすべきです。市自ら市民全員に情報を伝える姿勢が必要です。市民に情報が平等に行き届くように「広報なごや」などを活用することです。地域が自主的活動にもっと力を入れることができるようにするためにも地域への負担をかけないようにどうしていくのか。お答えください。
広報配布物の削減等、今後も業務負担軽減に取り組む(局長)
【市民経済局長】近年、住民同士のつながりが希薄化しており、地域活動における参加者の減少や役員の固定化・担い手不足などの課題を抱える中、区政協力委員の皆様は大変なご苦労をされ、町内会長・自治会長を兼務している方も多く、地域の自主的な活動と併せて、大変多くの業務を担っていただいていると認識している。
区政協力委員大会の要望でも、「行政からの依頼事項が多く、区政協力委員の負担となっている。」という声をいただいている。
これを受け、広報配布物の削減に取り組んでおり、広報なごや等で広く周知が図られているもの、不要不急のものは、町内会・自治会を通じた「組回覧」や「全戸配布」を抑制するよう、各局室区及び関係団体に働きかけている。
区政協力委員が出席する会議やキャンペーン活動等への参加依頼も、内容等を勘案し、回数を減らすなど、抑制に努めている。
今後とも、区政協力委員の過度な負担とならないよう、業務負担の軽減に取り組むとともに、地域コミュニティ活性化支援に取り組みます。
過度な負担とならないよう、業務負担の軽減を(要望)
【江上議員】少子・高齢化のもと、地域の活性化をどうするのかを質問いたしました。市民経済局長の答弁にあったように、区政協力委員の皆さんの過度な負担とならないよう、業務負担の軽減に取り組んでいただきたい。
生涯学習を通じた地域のきずなづくり
地域コミュニティの充実にむけ、小学校区単位での生涯教育をすすめては
【江上議員】生涯学習を通じた地域のきずなづくりについて教育長に質問します。地域活動は自主的に行われることです。一人一人の理解が必要です。理解を深めるために名古屋市で何ができるか。
岡山市では、小学校区にコミュニティハウスという名古屋のコミュニティセンターにあたるものが設置され、学区の自主的活動の場になっています。そして、生涯学習の場としての公民館が中学校区37に1館ずつ設置され、職員のうち1人は、社会教育の専門家である社会教育主事が配置されています。こうして、教育分野の公民館と地域振興の部門との連携がされています。
新潟市では、合併もあって一律ではありませんが、小学校区にコミュニティ施設があり、公民館が、中学校区単位とまではいきませんが、分館も入れて44館あります。小学校区単位の地域コミュニティ団体が98あります。公民館活動の主な事業の一つとして、「地域コミュニティ活動活性化支援」を掲げています。公民館では、2012年度から順次、「コミュニティ・コーディネーター育成講座」年一回ずつ開かれ、例えば、2018年度であれば、64の地域団体と連携して進めています。内容は様々なようで、役員の養成などというものではありません。関心を持ってもらうというもののようです。たとえば、ある取り組みは、「県立高校と共同して、高校生が主体となって地域のことを学び、考える取り組み」を実施しています。時間はかかるが地域コミュニティ問題をじっくり取り組んでいきたい、と担当者は言っていました。
そこで、教育長に質問します。少子・高齢化のもとでの地域コミュニティの充実をめざし、生涯教育の一環として、小学校区単位のコミュニティを念頭に、岡山や新潟の例を参考にした取り組みができないでしょうか。お答えください。
生涯学習の観点から、地域コミュニティの活性化につながるような活動をすすめたい(教育長)
【教育長】各区の生涯学習センターでは、2007年度から「なごや学マイスター講座」を実施して、名古屋の歴史、文化、自然について愛着を感じ、区の魅力づくりやまちづくりを推進する人材の育成を図ってきた。
講座を受講後、継続的に活動した方が、マイスターとして市に認定され、まち歩きのガイドとして地域の魅力を紹介したり、緑地の保全のため自然環境を整備したりするなど、それぞれの地域で活躍しています。
教育委員会としては、引き続き、生涯学習の観点から、地域コミュニティの活性化につながるような活動を進めたい。
市民経済局と連携して地域に出て支援を(要望)
【江上議員】生涯学習の観点から地域コミュニティの活性化につながるよう、活動をすすめていただきたいと思います。そして市民経済局、教育委員会が連携し、地域に出て支援していただくことを期待しております。
キーワード:税、地方自治体と住民参加、江上ひろゆき