後期高齢者医療広域連合議会 2月定例会 一般質問 ②短期保険証(岡田ゆき子・2020年2月7日)

短期保険者証の発行はやめよ     岡田ゆき子議員

短期保険料発行数と滞納者に対する発行率、留め置き件数はどれだけか
【岡田議員】今年度から軽減特例が廃止され、3年かけて、本則の7割5割2割軽減に戻す計画の道半ばです。9割軽減だった方にとっては、保険料が3倍になるということですから、保険料が高く払えず、保険料が滞納となる高齢者も、毎年一定数いらっしゃいます。
自治体では、滞納者に対し、納付相談が丁寧に行われていると思いますが、滞納に対するペナルティーとして行われるのが、短期保険証の発行、さらに滞納処分として財産の差押えが制度上可能となっています。まず現状を確認したいと思います。全県では短期保険証の発行数はどれだけか、滞納者に対する発行率はどれだけか。短期保険証を受け取っておらず、役場で留め置きのままとなっている件数がどれだけあるのか。

短期保険証812件、滞納者の7.54%。留め置き件数146件(課長)
【管理課長】短期保険証の発行数は、2019年12月末現在で県内37市町812件。滞納者に対する発行率は2018年度決算時点で7.54%。短期保険証留め置き件数2019年12月末現在で県内22市町146件です。

短期保険証の発行で保険料収納率があがるのか
【岡田議員】滞納者に対して接触の機会を持ち、納付を促すという目的で発行することができる短期保険証ですが、果たして、本来1年の有効期間にある保険証を短期に切り替えて行政の窓口に出向くということが、滞納の解消に効果があるのかという点についての疑問です。県内の54の自治体で滞納者がゼロという自治体はないとお聞きしていますが、短期保険証を発行している自治体と発行していない自治体の数、またそれぞれの現年賦課分の保険料収納率はどうなっているかお聞きします。

短期証発行の市町村での平均収納率は99.65%、発行していない市町村では99.59%(課長)
【管理課長】2018年度決算時点に短期保険証を発行している市町村数は33市町で、その現年賦課分保険料のうち、普通徴収分のみの平均収納率は99.65%。短期保険証を発行していない市町村数は21市町村で、平均収納率は99.59%です。

留め置きは直ちに解消を。短期保険証に滞納対悪としての有効性はない。発行しない方針へ切り替えを(再質問)
【岡田議員】短期保険証の留め置きについて県内22市町で146件あるということでした。留め置きは何らかの理由で役場に出向くことができない高齢者だと考えると、事と場合によっては、非常に深刻な状態もありうるわけで、受療権だけでなく、生存権まで侵害する事だと認識すべきです。実際留め置きしていた高齢者で、死亡に至る事例はなかったか、調査すべきだと考えます。後期高齢者医療においては、留め置きとなっている高齢者の来庁を促すのではなく、直ちに届けるという対応に変えることを強く求めます。
 そもそも、短期保険証の発行という仕組みは高齢である滞納者に対して必要なのかという問題です。短期保険証の発行数は、年々わずかに減ってきています。
 答弁で、滞納者に占める短期保険証発行数は7.54%で812件ということでした。滞納対策のために、来庁させて接触の機会を作ることが目的ですが、しかし、ここまでして、短期保険証を発行することの効果があるのか率直に疑問です。答弁では、短期保険証を発行している33市町と、発行していない21市町村の保険料収納率は、99.65%と99.59%、わずか0.06%の違い、違いといえない結果です。それでも、短期保険証の発行が収納率の向上に有効だという考えですか。
 実際、収納率に変わりがないのであれば、短期保険証の発行の判断を自治体任せにするのではなく、発行していない自治体の経験も交流して、発行しない方針に切り替えてよいのではないですか。認識をお聞きします。

短期保険証の活用を含め、きめ細かく対応しており、発行しない方針に切り替えることは、考えてない(課長)
【管理課長】保険料徴収事務を担う市町村で文書・電話による催告・来庁の案内及び、臨戸訪問などにより接触を図る中で、個々の生活状況に即したきめ細かな収納対策を行っている。
 収納対策のひとつとして短期保険証を活用し、納付相談の機会を設け、保険料の納付に繋げ、収納率の向上に一定の効果をもたらしている。
 短期保険証を発行していない市町村には収納率100%の2村をはじめ、初期未納対策などの日頃のきめ細かな収納対策の結果、短期保険証を活用するに至らない市町村もある。
 一方、2018年度現年賦課分普通徴収の収納率ワースト10に、短期保険証を活用していない5市町が占め、収納対策全般に検討の余地を残す市町も含まれており、活用していない市町村の平均収納率が、県平均を下回っている。
 市町村の収納対策は組織体制や地域性などの違いを踏まえながら、短期保険証の活用を含め、きめ細かく対応しており、今後も、短期保険証を発行しない方針に切り替えることは考えていない。

 

 

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