2020年5月臨時会
さいとう愛子議員の議案質疑 必要なところに迅速なコロナ対策を(臨時会 2020年5月15日)
特別定額給付金は速やかに必要な人に給付を/PCR検査の拡充を
さいとう愛子議員
特別定額給付金の速やかな給付について
5月中に支給を開始することができるよう、市職員総動員で作業を
【さいとう議員】特別定額給付金は、対象者を狭くしぼった「1世帯30万円の給付」に対し、「すぐに1人一律10万円の給付を」という世論の広がりによって実現したものです。せっかく実現した特別定額給付金の支給を一刻も早く開始するよう力を尽くさなければなりません。
感染拡大防止のための外出自粛、休業要請によって、現金収入が絶たれた市民の窮状は深刻です。自粛要請によって、中小零細業者からは「もう耐えられない」、学生は「親子で収入が減り、学費が払えない」と言っています。ハローワーク前では、「すでに支給している自治体もあるのに名古屋市は生活困窮者に冷たい」と失業認定の手続きにきた男性の声です。
この状況にもかかわらず、本市ホームページでは特別定額給付金の支給について「給付開始時期は令和2年6月中を予定しています」とあり、これからひと月も先ではあまりに遅すぎるのではないでしょうか。作業は業者に委託としていますが、返信後の書類チェック、銀行口座の突合などは膨大な事務処理と考えます。
生計が逼迫し、ぎりぎりの生活を強いられている市民からの悲痛な声に応え、せめて5月中に支給を開始することができるよう、市職員総動員で作業に当たるくらいの対応が必要と考えますが、現在の進行状況も合わせて、考えをお聞きします。
5月9日からオンラインで、下旬から郵送で 発送する(副市長)
【伊東副市長】特別定額給付金事業は4月30日に「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」にかかる補正予算が成立し、同日付でスポ一ツ市民局に給付事務の担当組織を立ち上げた。
この組織を中心として、当該給付金事業の趣旨を踏まえ、できるだけ早期に給付が開始できるよう、連休中も含め事業者との調整などを行い、5月9日からオンライン方式による受付を開始した。
郵送方式は、記載誤り等を防止し、申請から給付までの期間を少しでも短くできるよう、あらかじめ世帯情報が印字された申請書を準備しており、5月下旬から順次発送したい。
DⅤ被害者へも確実に届ける手立てを
【さいとう議員】次に、配偶者や親族からの暴力を理由に避難している方にも、確実に給付金が届くよう最善を尽くすことが求められます。「1人10万円」は個人への給付ですが、「受給権者はその者の属する世帯の世帯主」とされ、申請用紙は世帯主に届くことになります。配偶者や親族からの暴力を理由に、住民票のある居住地から一時的に避難している方にも、「10万円」が確実に届くことが必要です。避難している当事者も、申し出をしてもらわなければ給付は受けられません。この方々があきらめてしまわないようにていねいに周知すべきです。
本市のHPによる広報など、当事者がわかりやすいように周知すべきと思いますが、いかがでしょうか。
国から具体的な対応方法が示されており、広報に努め、適切に対応したい(副市長)
【伊東副市長】配偶者や親族からの暴力等を理由として避難されている方など、通常の対応では申請や受給が困難な場合の対応として、国から具体的な対応方法が示されており、市でも広報に努めるとともに適切に対応したい。
市民に特別定額給付金を迅速かつ適切に届けられるよう、総力を上げて取り組んでいく。
1日でも早い支給と、受けとるべき方が 確実に受け取れるように(意見)
【さいとう議員】特別定額給付金の支給は、1日でも早く支給することと、受けとるべき方が確実に受け取れるようわかりやすい周知の改善を重ねて求めます。
PCR検査の検査数を飛躍的にふやすことについて
PCR検査は保健センターを通さずに行うのか。検査センターを増やすのか
【さいとう議員】PCR検査を行う、地域外来・検査センターを1か所ふやすことについてお尋ねします。
PCR検査については医師が依頼しても検査してもらえないとの意見を多数聞いています。陽性患者のうちで、名古屋市内の感染者の27%が経路不明者であり、新型コロナウイルス感染症は陽性であっても無症状の人がいることから、専門家である医師が必要と判断して検査対象を広げ、陽性患者を見つけることが重要です。
今回、地域外来・検査センターを設置することによって、医師が必要と判断した場合には、保健所等の判断を必要とせず、PCR検査を行うことになるという理解でよいですか。
今後、地域外来・検査センターをもっと増やしていき、PCR検査数を抜本的に増やすことが必要と思いますが、いかがですか。
かかりつけ医が必要性を認めた方が検査を受けられるようにする。1か所で行きたい(局長)
【健康福祉局長】今回、設置を予定している「地域外来・検査センター」は、保健センターに設置している「帰国者・接触者相談センター」に相談しなくても、かかりつけ医で検査の必要性を認められた方が、直接、PCR検査を受けられる環境を整備するものです。
現在のPCR検査は、限られた検査体制の中で、感染された方を的確に把握し、感染の拡大を防ぐこと等を目的として、実施しています。
今回の「地域外来・検査センター」も、新型コロナウイルス感染の疑いのある方が確実にPCR検査を受けられるよう、体制の増強を図るもので、1か所で実施したいと考えている。
病院、福祉施設などの職員、利用者には、PCR検査を実施すべきではないか
【さいとう議員】擬陽性の市民を待つのではなく、陽性者を見つけるスクリーニングは、市中感染を起こさないために必要と考えます。
病院・介護施設・福祉施設など特にリスク管理を厳格に行い、クラスターの発生を防ぐ必要があります。そこに働く職員・患者・入所者に、PCR検査を実施すべきではありませんか。
必要に応じて施設や関係医療機関従事者のPCR検査を実施(局長)
【健康福祉局長】本市では、福祉施設において感染が確認されたことがあるが、その施設の再開にあたって必要に応じて施設や関係医療機関従事者のPCR検査を実施した。こうした取り組みは引き続き実施したい。
この他、病院等へのマスクや手指消毒剤の配布などの感染予防に資する環境整備の支援を実施している。
検査を抜本的に増やし感染の全体像をつかむことが重要(意見)
【さいとう議員】PCR検査は、より軽症なうちに検査につなぐことができるようになり、「なかなか検査してもらえない」という不安を解消していくことになるかと思います。PCR検査など、検査を抜本的に増やし感染の全体像をつかむことで、次の感染拡大の波が起こった時に、迅速で的確な対応ができるのではないでしょうか。
以後は、常任委員会での議論にゆだねて、質問を終わります。