後期高齢者医療広域連合議会 8月定例会 一般質問 ②コロナ以外でも傷病手当を(岡田ゆき子・2020年8月18日)
傷病手当金について 岡田ゆき子議員
傷病手当金の創設の目的や対象者の申請状況を
【岡田議員】7月臨時議会において、新型コロナウイルス感染症に感染した被用者に対し、傷病手当金の支給を行うという、後期高齢者医療に関する条例改正の専決処分について承認がされました。働く人が加入する健保組合や協会けんぽでは、もとよりある仕組みですが、後期高齢者医療では、傷病手当金の支給という考え方そのものがありませんでした。特例ではありますが、大変画期的な仕組みだと思います。
先ほども述べましたが、75歳以上の高齢者10%の方は就労をされており、病気により一時的にでも就労が不可能な期間、所得補償がされれば、急な生活破綻を回避することができます。改めて、後期高齢者医療制度における傷病手当金の創設の目的、この間の対象者の申請状況をお聞きします。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から国が特例的に財政支援。7月末日現在での実績はない
【給付課長】この手当金は、新型コロナウイルス感染症の国内での感染拡大防止の観点から、保険者が支給を実施する場合に、国が特例的な措置として財政支援を行うもの。広域連合でも、必要な条例改正と補正予算を専決処分し、臨時会で承認された。
7月末日現在で、申請受付の実績はありません。
コロナに限らず恒常的な制度に(再質問)
【岡田議員】コロナに限らず、急な入院で一時的に働けなくなった場合には、生活の糧を支えることは必要です。他の傷病でも傷病手当金を受け取ることが出来るよう恒常的な制度とすることを求めます。
コロナ以外で独自に傷病手当の支給を行う気はない(事務局長)
【事務局長】任意給付である「新型コロナウイルス感染症に感染した被用者等に対する傷病手当金」は、実施する保険者に国が特例的な措置として財政支援するもので、これ以外の傷病を対象に、独自で傷病手当金の支給を行うことは考えていない。
減免制度と傷病手当は独自制度として存続を(意見)
【岡田議員】新型コロナウイルス感染症の終息の見通しがいまだ見えません。第1波とは違い、第2波と言われる今、無症状の感染者の存在が、感染を拡大させているといわれています。また、感染者の多くを若者が占めていますが、徐々に年齢層が高くなってきており、重症化しやすい高齢者への感染が本当に懸念されます。
今回、新型コロナに限って、保険料減免制度の拡充や傷病手当金の仕組みを国の負担で作りました。しかし、こうした収入減少は新型コロナに限らず、起こりうることです。「国の制度通りに行うので、恒常的な制度にしない」というにべもない答弁でしたが、約65000円という老齢基礎年金では足りないために、10人に1人が働き続けているという後期高齢者の現状に対し、いざ収入が断たれることになった場合、生活を支える仕組みは、どんな時でも必要です。国県に財源を求めながらも、広域連合として、制度を創設する必要があると申し上げておきます。