2021年度名古屋市予算案 不十分なコロナ対策

 2月10日に名古屋市の2021年度予算案が公表されました。一般会計は過去最大の1兆3,193億円(5.2%増)、総額で2兆7,493億円(3.9%増)です。


保健センター職員は現行通り


 新型コロナ対策に最優先で取り組まなければならないのに高齢者施設や医療機関に対するPCRの社会的検査は3月までの計画しかありません。保健所や保健センタ―の職員は補正予算で看護師などの派遣職員91人が配置されましたが新年同予算では増強もされず、保健所(本庁)に3名が増員されますが各区の保健センターの職員は一人も増えません。中小事業者への支援なども融資しかなく、全く不十分です。

市民に負担や犠牲を押し付け

 2021年度は小学校給食調理業務の民間委託をさらに4校拡大し30校に、公立保育所の民間移管が新たに4園で始まり、123園あった公立園が2021年には95園になってしまいます。

 市立図書館(21館)の民間移管(指定管理)が現在の5館から、さらに4館増やし9館になります。

 住民の声を無視して、野跡小と稲永小(港)、高坂小としまだ小(天白)を統廃合する計画が進められています。

 今でも愛知県で一番高い介護保険料は、基準額で年額3012円の値上げで20億円の負担増です。
 

市立東部医療センターと西部医療センターが廃止され、市立大学の付属病院になります。
 

 敬老パスは来年2月からJRや名鉄・近鉄のほか民間バスにも対象が拡大されますが、利用回数を730回に制限しようとしています。


見通し不明の天守閣や名駅前開発に執着


 天守閣木造復元にたいする文化庁の許可の見通しがないまま3億円以上が計上され、そのうち1億2400万円は購入した木材の保管や運搬費です。
 リニア開業に関連して、名駅東口のモニュメント「飛翔」の撤去など名古屋駅前広場の改変、名古屋高速道路の名駅前への乗り入れ、ささしま巨大地下道などが計画されていますが、リニアの2027年開業は見通せず、名鉄の名駅再整備計画の遅れもあり、名駅再整備の見通しがはっきりしていません。


市民との共同で前進
 18歳まで通院医療費も無料化、 小学校3年生の35人学級など


 市民と共に運動を進めてきた分野では、子ども医療費無料化が通院も含め18歳まで拡大され、小学校3年生の35人学級、学校図書館の司書配置が75校に拡大、おくやみコーナーの配置(2区で試行)なども計上されました。