後期高齢者医療広域連合議会 2月定例会 一般質問 ①コロナに係る保険料軽減の延長を(岡田ゆき子・2021年2月12日)

新型コロナの影響による保険料減免制度について  岡田ゆき子議員

保険料減免の実績はどれだけか
【岡田議員】新型コロナウイルス感染拡大は、昨年7月以降、第2波が始まり、9月後半にはやや縮小したかに見えましたが、11月には第3波となり、再び感染が広がり、2回目の緊急事態宣言は延長もされました。医療機関、高齢者施設等の集団感染は深刻な状況となっています。この間も後期高齢者をはじめ多くの県民の方が亡くなられており、改めてお悔やみ申し上げます。また、懸命に治療されておられる方にお見舞いを、医療機関等始め献身的に支援されている皆様に心から敬意を表します。
 新型コロナウイルス感染症の影響による保険料減免制度について3点お聞きします。
 コロナ以前から高齢者を取り巻く経済的状況は年々厳しくなってきていました。65歳以上の就業者数は、10年前の571万人から2018年862万人へと1.45倍増加し、少ない年金ではやっていけないため、75歳過ぎて働き労働収入も合わせてなんとか生活しているという高齢者も増えていると思われます。
 そうした状況下、この度の新型コロナウイルス感染症の拡大は、高齢者の就業にも大きな影響を与えています。国の財政支援による保険料減免制度は、コロナによる影響で前年つまり、2019年収入に比べ2020年の収入見込みが3割以上減少する場合、前年の所得に応じて、保険料を10分の2から全額減免されるものです。昨年8月定例会でも取り上げさせていただきましたが、その際の減免の決定件数は、2019年度分と2020年度8月決定分まで合わせて165件とお聞きしていましたが、直近の減免件数はどうなっていますか、お答えください。

2019年度分992件、2020年度分1,124件の計2,116件
【管理課長】2021年2月1日の減免決定分までの実績は、2019年度分が992件、2020年度分が1,124件の合計2,116件です。

実際の収入が見込通り3割減にならなかった場合はどうなるのか
【岡田議員】この制度は、2020年中の収入が減少する「見込み」で申請するものですが、実際の収入が見込より多かった場合に、減免の取り消しや保険料の返金を求めることになるのでしょうか。

国に従って返還を求めない
【管理課長】厚生労働省は、そのような場合でも国の財政支援の対象とするとのことですので、広域連合としても、返還を求めない。

減免制度の効果を示し、延長を国へ要請せよ
【岡田議員】コロナによる保険料減免のための国の財政支援についてお聞きします。この財政支援は2020年度までの保険料に対する臨時的なものとなっています。しかし、緊急事態宣言が延長され、コロナの感染拡大が続いている状況です。感染が高齢者の生活や仕事に与える影響を考え、減免期限の延長を国に強く求めるべきだと考えます。
 コロナ禍で減免制度を設けたことの効果について改めてお聞きするとともに、国の財政支援による保険料減免制度の期間延長を国に求める考えはないか、お聞きします。

1億2千万円の実績があった。状況に応じた適切な対応を行うよう、11月12日に要望書を提出している
【管理課長】保険料減免は1億2千万円を超える実績があり、今回の減免制度には一定の効果があった。
2021年度の事業継続については、今後の新型コロナウイルス感染症の拡大の状況によっては、再び国の財政支援を伴う保険料減免制度の適用期間の延長が考えられることから、全国後期高齢者医療広域連合協議会において厚生労働大臣宛てに、引き続き状況に応じた適切な対応を行うよう、2020年11月12日に要望書を提出した。

返還を求めないことの市町村への周知を(再質問)
【岡田議員】収入減少の見込みが、実際は少なかった場合についても、国の財政支援の対象となる予定で、返還を求める予定はないとのことでした。被保険者が不安とならないよう、市町村窓口への周知を徹底していただきたい、広域連合の対応をお聞きします。

市町村に対して受付マニュアルを作成して連絡した
【管理課長】厚生労働省から迅速な支援を行う必要があり収入の減少は見込みで判断することで差し支えない旨の事務連絡があり、この事務連絡に基づき、広域連合から市町村に対して受付マニュアルを作成。その中で「確定収入額が判明したことで減免事由がないことや減免額を変更すべき事由が生じた場合でも、減免の取消・変更は行わない」旨をお知らせしている。

窓口でも徹底し、高齢者が不安にならないように(意見)
【岡田議員】収入見込みに対し実際の収入が多かった場合、減免の取り消し、変更は行わないとの事務連絡を市町村にされているということですので、窓口では徹底していただき、高齢者が不安にならないようお願いしたいと思います。

減免対象者の拡充の検討を(再質問)
【岡田議員】今回の減免制度の適用者は前年収入の3割減少が対象となっていますが、事前にお聞きしたところ、減免対象のうち前年収入が300万円以下、10割減免の件数は、全体2116件のうちの8割を占めるということでした。年金収入が少ない高齢者にとって、前年収入3割減は生活を圧迫しかねない状況となります。老齢基礎年金月6万5000円の方が、パート収入月4万円あった場合、1万2千円以上の減収でなければ減免が受けられません。
 名古屋市国保の場合、新型コロナ特例減免ではないですが、激変の減免は、前年所得より2割以上減少する世帯を対象としています。特に低所得者を対象に減免の拡大を検討ができるのではないですか。考えを聞きます。

保険料減免制度は全国一律で行うもの。独自の減免要件の拡充はしない
【管理課長】今回の保険料減免制度は国からの財政支援で、全額国庫補助を財源として実施しており、全国一律の措置の中で行うべきもの。よって、国の定めた新型コロナウイルス感染症の影響による収入減少の要件を独自に拡充することは考えていない。
国に対し制度の拡充を求めよ(意見)
【岡田議員】減免対象者の拡大は考えていないとのことでした。減免対象者は2116件。8月定例会の際は、8月決定分までで165件でしたので、急増して12倍の決定件数となっています。第3波では高齢者への感染が広がり、当然就業への影響で収入減となる方が急増したと思います。特に低所得者の方の収入減少については、救う手立てが必要と考えます。広域連合でも知恵を絞ることとともに、国に対し制度の拡充を求めていただきたいと思います。

キーワード: