2021年2月議会
田口一登議員の代表質問:③小中学校の統廃合計画(2021年3月4日)
統廃合計画の答申をお墨付きにして統合を決定するような拙速なやり方はやめ、統廃合計画案は白紙に戻せ
【田口議員】小中学校の統廃合計画について、高坂小学校の統廃合問題にしぼって質問します。
天白区の高坂小学校をしまだ小学校に統合する計画案が、教育委員会が設置した有識者の審議会で審議されています。審議会では、高坂小の保護者や地域住民でつくる「高坂小学校を存続させる会」のみなさんが、統廃合計画案の審議の中止を求めて請願を提出し、口頭陳情されました。請願書は、関係する議員にも届けられ、私も拝見しましたが、そこでは次のような意見が述べられています。
「今、社会は、人と人とがソーシャルディスタンスを保ちながら大人も子どもも我慢の日々を送っています。教育現場においては、子ども一人一人に丁寧に対応していくことが必要です。マスクの下にある子どもたちの表情が読み取れず、それでも必死に頑張っている先生たちにとっても、統廃合はするべきではありません」。「コロナの第三波の今、子どものためと言うのなら、密である大規模校の審議を早急にすべきである。高坂小学校は小規模校なので、密の回避ができている。運動会も全学年、保護者が参加できる運動会ができた。なぜ、密である大規模校に着手しないのか」。
こうした意見は、至極当然な意見だと思います。高坂小学校は、全学年が1クラスですが、1クラスの児童数は20人前後ですので、少人数学級が標準となるであろうコロナ時代の学校のあり方を考えたとき、まさに理想的な学校ではないでしょうか。
昨年12月15日、「高坂小学校を存続させる会」のみなさんが、市長にたいして4100筆を超える署名を提出し、「高坂小学校を残してください」と要望されました。同会が地域に配布している通信によると、署名を受け取った市長は、「学校の存在は地域と街づくりに密接に関わっている。教育委員会だけで決定することではない」「今回、市長に統廃合計画の審議会の開催さえ知らされていなかったことは問題だ。学校の在り方は教育委員会だけが全権を持つ聖域ではない」などと答えておられます。
そこで、市長にお尋ねします。高坂小の統廃合方針は、保護者や地域住民の理解が得られていないにもかかわらず、教育委員会は、市長の耳にも入れないまま、審議会に諮問しました。審議会が統廃合計画を答申すれば、それをお墨付きにして半年後には統合を決定する構えですが、こんな拙速なやり方でよいのでしょうか。統廃合計画案は白紙に戻すべきではありませんか。お答えください。
学校1つなくすということは、学校だけではない。地域の問題にものすごく深くかかわっている。まあ、よう考えますわ
【市長】学校教育法6条というのがあり、学校教育法によると市長の責任なんです。一方、地教行法というのがあって、これは教育委員会。どうなるんだというと、よく話し合ってほしいと。だで、市長から呼びかけて統合教
育会議をつくって話し合わなければいけないのです
。学校1つなくすかどうかということは、学校だけではない。地域の問題にものすごく深くかかわっている。子どもさん自身もそうだ。まあ、よう考えますわ。
4100筆を超える署名に示された民意を受け止めるなら統廃合計画は白紙に(再質問)
【田口議員】高坂小学校の統廃合問題について市長に再質問します。
1973年に文部省は、小中学校の統合に関する通知を出しています。「Uターン通知」といわれていますが、この通知では、学校統合を計画する場合には「十分に地域住民の理解と協力を得て行うよう努めること」とされています。
高坂小学校の統廃合方針については、住民の理解が得られていません。4100筆を超える存続を求める署名、これは保護者や地域住民の方々が、1軒1軒歩いて集めたものです。この署名を提出された「高坂小学校を存続させる会」のみなさんは、会の通信で、「今回市長に直接お会いし手渡したことで、私たちの民意を届けることができたと感じています」と書いておられます。
市長、4100筆を超える署名に示された民意を受け止めるなら、地域住民の理解が得られないままでは、統廃合計画の策定は進められないのではありませんか。お答えください。
教育委員会に「勝手に決めるな」ということは言ってある
【市長】まあそういうことですので、学校教育法5条にもとづいて、教育委員会に勝手に決めるなということは言ってあります。
今のままでは、統廃合計画=個別プランの策定はできない。中止を(意見)
【田口議員】市長としてどういう立場を表明されるかと期待していましたが、少なくとも今のままでは、審議会に諮問はされていますが、統廃合計画、つまり、個別プランの策定はできないと思います。中止を求めておきます。