5月臨時会 議案質疑 江上博之議員
5月臨時会に提案された補正予算には、日本共産党が一貫して要求してきた「PCR検査の定期的・一斉検査」を実施する内容が盛り込まれ、確実な実施を求めて江上博之議員が18日の本会議で質問しました。
日本共産党が要求していたPCRの社会的検査が前進
日本共産党名古屋市議団は4月9日にも高齢者施設等への「一斉かつ定期的なPCR検査」を緊急要請し、「施設が安心して検査に応じることができるよう、感染者が発生した場合、事業継続に支障をきたさないための事業者への人的支援の強化」を求めていました。
無症状感染者の発見が重要
江上議員は「今回の補正予算は、高齢者施設等の方に週一回のPCR検査を行って、無症状の感染者を発見し、未然に感染を防ごうというもの」として歓迎する一方、4月の市内感染者は3月の3.9倍、2,449人、感染経路不明は1,119人で45.7%という状況を示し「無症状の感染者を探し出すことは大変重要で、今回の検査を関係施設のすべてでどう行うかが課題」と指摘しました。
3月でのPCR検査は約半数しか参加しなかった
江上議員は「3月に行った検査はなぜ対象の半数の検査にとどまったのか」とただし、局長は「1,217施設、約38,000人を対象にして、約半数の610施設、17,844人が検査した。2月に寄付されたキットで検査したり、施設が独自に検査したり、申込期間が短かったといった回答があった」と答えました。
どのような方法で100%にするのか
江上議員は「検査を行わなかった施設では、検査で元気な従事者が感染と判明し、14日間も職場を離れたら、補充もままならず、経営ができないというのが大きな理由ではないか」と指摘し「どのような方法で100%の検査を行うのか」とただしました。
局長は「4月16日の国通知で、県と連携し、入所施設の従事者を対象にクラスター防止の観点から期間中に週1回程度、一人上限8回の検査を行う。早期発見の意義を伝えるためのチラシやFAX、メールなどで周知し、一定期間受検しない施設には繰り返し受検を勧奨する」と答えました。
増える陽性者への対応として保健センターの体制は大丈夫なのか?
100%の検査を行うと毎日5000人ぐらいの検査になり、感染者も出てきます。出てきたら、保健所での疫学調査、健康観察が必要となります。
江上議員は「現在の保健所の人員体制で対応できるのか」と追及しました。局長は「1日120人の新規感染者に対応するため派遣職人91人を増員、200人を超える現状では担当以外の看護保健職員や地域の検診協力者にも依頼している。必要に応じて派遣職員を増員する」と答えました。
100%にするには感染者が発生した高齢者施設等への支援が必要ではないか
今回の対策を100%実施するには、感染者が出た場合に施設の運営に支障がないよう人員の補充が必要ですが、今でも人手不足です。江上議員は「介護職員を増やし、経営の補償をおこなう対応が必要と考えるが、いかがか」とただしました。市長は「ある施設に行って聞いてきた。いわゆる「かかり増し経費」が発生するようなので、その補填として、雇用を確保するための職業招介料や割増賃金・手当等、さらに衛生用品の購入費用等を補助して支援している。昨年度実績で370件、3億円を超える補助を実施し今年度も継続している」と答えました。
保健センターの体制の充実をどうするのか
市長は5月10日の記者会見で披瀝した「感染症対策はなぜ見落とされてきたのか――保健所を中心とした公衆衛生の歴史を振り返る」という文書(ニッセイレポート)には、保健所法が1994年地域保健法に変わり、保健所体制、人員が減退したことなどが指摘され、名古屋市も1996年以来保健所体制、人員が減らされてきた。保健所・保健センターになったのは、河村市長の時代です。
江上議員は「調査には保健センターの保健師の増員が必要だが市長としてどうするのか」と追及。市長は「地道な感染経路の追跡調査をしている。人と人の関係を断つことが基本」などと、体制強化についてはまともに答えませんでした。