2021年6月議会

岡田ゆき子議員の代表質問:①一斉・定期的PCR検査など市民に寄り添ったコロナ対策を(2021年6月23日)

新型コロナウイルス感染にかかわる対策について 岡田ゆき子議員

徹底して感染を抑え込むため、一斉定期的検査を継続し、高齢者施設に加え通所系サービスも対象に
【岡田議員】

先の市長選挙でも、感染症対策をどうするかは重要な争点でした。三度の緊急事態宣言は解除され、蔓延防止等重点措置に移行しましたが、新型コロナウイルスが、今後、さらに感染力の強いデルタ株に置き換われば、第5波の危険性もあると、専門家も強く警告しています。これまでも、陽性者が一旦減少に転じても、ウイルスを抑え込むには至らず、再び感染拡大を繰り返してきました。今度こそこれまでの延長線ではない対策が必要です。市民のいのちと暮らしを守ることを、何よりも優先するよう、4期目となる河村市長に強く求めるものです。
 徹底して感染を抑え込むための検査の拡充について、健康福祉局長に質問します。
 無症状者を含めた感染者の把握と保護が、感染の連鎖を断ち、新規感染者を減らずことになります。ところが、名古屋市は、他都市と比べても人口あたりの検査数が少なく、陽性率は決して低くはないのが現状であり、党市議団はこれまでも、徹底した大規模検査を求めてきました。
 高齢者入所施設等の従業員への集中的検査は、3月に引き続き、5月から6月末にかけて週1回の一斉PCR検査が行われています。その結果、6月16日時点で、検査実施施設は606カ所、陽性者は33人。施設でのクラスターを未然に防ぐことにつながっています。
 党市議団が実施した、対象となる施設へのアンケートでは、「集中的検査で早期に陽性者を発見できる」、「陰性が確認でき安心感につながっている」、また、「検査により職員自身が感染対策を意識するようになった」と評価する声が多くありました。加えて、「入所施設だけでなく、通所サービス事業所の職員も定期的に検査してほしい」という要望が少なくありません。
 今回の集中的検査は6月末までとなっていますが、感染を徹底的に抑え込むために、7月以降も当面、継続することを求めます。また、厚生労働省が5月28日の「新型コロナ感染症対策の基本的対処方針」で、外部との接触の機会が多い通所系の事業所も集中的検査の対象にするよう要請しています。高齢・障害のデイサービスなどの通所サービス事業所等にも集中的検査を実施するよう求めます。見解をお聞かせください。

 

2020年2月14日からの日別の感染者数と感染経路不明者数

国の通知に従い継続・拡大を検討
【健康福祉局長】国の事務連絡(令和3年4月16日)に基づき、5月10日から6月末まで高齢者入所施設等従事者へのPCR検査を実施しています。実施期間の継続については、国の事務連絡(6月17日)で7月以降の実施方針が示され、当面の間、地域の感染状況に応じて集中的検査を継続実施する要請があった。
対象拡大も、国の事務連絡(令和3年5月28日)で、入所施設を基本として外部との接触の機会が多い通所の事業所も対象とすることを検討するよう連絡をうけた。
 国の事務連絡を踏まえ、7月以降の高齢者施設等従事者への集中的検査について引き続き愛知県と連携しながら実施に向けて検討する。

保育所ではワクチンとともにPCRの定期的検査を
【岡田議員】保育所についてです。感染の第4波は、若い世代に感染者が多く、さらに家庭から保育所への感染も広がりました。今年に入って、臨時休園した保育所は公立・民間園合わせて2月が2施設、3月は4施設、4月は17施設、5月は35施設と急激に増えました。
 マスクをつけること自体が難しい乳幼児の保育は、密を避けることは困難です。保育士は、自身がコロナ感染していないか、感染させないか常に不安があるといいます。感染が発生した場合、これまでの状況を見ると、臨時休園期間は12日前後になります。医療従事者などエッセンシャルワーカーに限らず、働く保護者への影響は大きく、パート労働者や自営業の方などは収入減少に直結します。休園にしないためにも感染を早期に発見することが重要です。
 豊橋市は、保育所での陽性者早期発見にと保育所等の児童施設職員に、抗原検査キットの配布を始めます。名古屋市は保育所等の従事者へ、ワクチン優先接種を行うとしていますが、ワクチンの効果が表れるまでに一定時間を要します。ワクチン接種とあわせて、保育所でもPCR検査等の集中的検査を行い、早期に感染を把握し対処する必要があるのではないですか。答弁を求めます。

クラスター対策上必要と考えられる場合は柔軟に検査を実施
【健康福祉局長】保育所等の児童施設の従事者については、保健センターがクラスター対策上必要なら、検査対象を柔軟に拡大して検査を実施している。
 今後も適切な範囲内で調査を行い、必要に応じ検査につなげられるよう努める。

PCR検査の拡充で感染拡大の予防を(意見)
【岡田議員】高齢者・障害者施設の検査は6月以降も引き続き実施すること、通所系サービスへも集中的検査の拡大に向けて県と調整していくとの前向きの答弁でしたので引き続きすすめていただきたいと思います。検査の拡充とワクチン接種の推進は、感染の抑え込みに重要な対策です。通所系サービスへ検査を進めるという事は、保育所等や学童等も通所というスタイルで集団で過ごすという点では同じです。外部との接触の機会が多いことを考えれば、定期的検査で、クラスターという2次災害を食い止めることになります。感染者が出てからの対策ではなく、先手、先手の検査戦略をもって進めていただくよう要望します。

障害者等が利用する地域活動支援事業への補助を
【岡田議員】市独自の障害者等が利用する地域活動支援事業への支援についてです。国の障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業所で感染が発生した場合には、事業を継続するために必要な衛生用品の購入や消毒を業者依頼する際にかかる経費については「サービス継続支援事業補助金」が国から交付されています。しかし、名古屋市の独自事業である、地域活動支援事業は、国の補助金の対象となっていません。
 市内約70か所の地域活動支援センターは、日中創作活動や生産活動の体験、国の制度でできない部分を補うなど、障害者にとって必要な事業であり、実際、新型コロナの感染が発生した場合でも、感染対策に必要な費用は実費負担しながら、事業を継続していただいているのが現状です。障害福祉サービスと同様に感染対策をしっかり行っていただくために、市独自で補助する仕組みが必要と考えます。答弁を求めます。

国の補助対象外だがマスクや消毒液などの配布などの支援をしている
【健康福祉局長】現在のサーピス継続支援事業補助金の対象には、国が定める実施要綱で、地域活動支援センターは対象とはなっていない。
 本市は2020年度から、障害福祉サービス事業所だけでなく地域活動支援センターにも、マスクやアルコ一ル消毒液といった衛生用品を継続的に配付し、新型コロナウイルスの感染者が発生した場合には、必要に応じてガウンやフェイスシールドの配付、職員や利用者が任意で検査を受検するのに要した費用の補助も行っている。
 引き続き、支援を継続し、地域活動支援センターの実態等の把握にも務めていく。

市長マニュフェストにおける「大学生の貧困対策」を
【岡田議員】昨年は小中学校の一斉休校が行われ、子どもたちも保護者も大きな影響を受けました。大学生も例外ではありません。多くの学生が生活費の糧としてアルバイトをしていますが、コロナ禍でバイトが減り、保護者も収入減少で仕送りもままならない。コロナ禍で生活の厳しさが増しています。
 県内の大学生対象に、昨年6月から食料支援を行っている青年団体は、この1年で100回以上、延べ3500人の大学生に食料品や生活用品を配布してきました。この団体が実施したアンケートでは、ほとんどの学生が、学生生活を送るに必要な収入がコロナ禍で減っていると答え、その理由は、バイトのシフトが減ったが7割、親の仕送りが減ったが3割というものです。収入が減り食費を減らした学生は8割に上るという報道もあります。
 「食料支援があったので1週間はなんとか暮らせる。続けてほしい」「バイトが減って学費を工面するのは非常に大変」「オンライン通信費に思った以上に設置費と維持費がかかっている。オンライン授業をとるか、学校をやめるか考えている」等、切実な声です。
 学生の困窮する状況に対し、政令市では、札幌市、さいたま市、川崎市、北九州市、熊本市は独自に「学生支援特別給付金」「臨時貸付奨学金」制度をもって、国の制度の対象外となる学生を応援しており、県内では、豊田市、豊橋市も大学生対象の給付型奨学金をもっています。三鷹市ではコロナ禍でバイトが激減している学生に業者と連携しバイトを自治体が確保する、食糧支援を自治体が行う等、学生が学業をあきらめないための支援を行っています。また、支援を受ける学生や支援団体からは、名古屋市独自でコロナ禍の学生を応援する給付型奨学金、食料品等の提供(米)、支援を行う場所として都市公園の使用許可、市外に通う市民の学生さんへ食料の配送等の声をいただいています。
 市長は、マニュフェストの中で、大学生の飢餓、貧困が問題だとし、貧困対策として、食料品、生理用品など、生活用品の支援を検討するとしています。これらも大変重要なことです。市長が掲げられた公約であり、「大学生の貧困対策」について市長のお考えをお聞かせください。

大学生を対象に食料支援を行っている青年団体。この1年で100回以上、延べ3500人の大学生に食料品や生活用品を配布。

信長資金で仕事が確保され学生を応援できている(市長)
【市長】留学生だけに絞って申し訳ないが、ある国からの人に聞いたが、「みんなフェイスブックでやっとる。センターへ行くよりも現地語でしゃべれるネットワークの仕事をやってもらったら、有償で」という話があり、現に進んでおります。現地語でしゃべれるというのは、医者へいったらどうするかとか、コロナワクチンでも日本語だとわからない人がようけおりますんでね。それはやっとります。
 仕事がないといかんということですね、結局は。信長資金で企業を支えているのがすごいと思います。もうすぐ7000億円超え、97%の申込者をOKにしている。学生のバイト先、仕事を守っていると思います。
 それから今度の3割キャッシュバック、これも驚くべき効果があると思っとります。早くやりたいけど、丁寧にしっかり制度を組むからとなっとります。
 そういうことで学生さんは応援できとると思うけど。もっとできることはないか、奨学金なんかについてはさらに一遍、よう考えていきたいと思います。

学生支援する団体の声を聴く気はあるか(再質問)
【岡田議員】学生支援をしている団体からは、市内の大学の前でやっても50人~100人の学生が並ばれるという状況で、その中には留学生もけっこう含まれていて、バイトがないうえに生活が厳しいから大学をあきらめるというぎりぎりの人たちが並んでいることも聞いている。いろいろできているというがよく考えて、特に現場の声を聴いていただきたい。市長さん、学生の意見や学生を支援している団体、学生も入っていますが、こえを聞いていただきたいと思いますが、やっていただけますか。

若い人を応援するのは僕らの世代の義務。行きます(市長)
【市長】共産主義と関係なかったら行きます。学生さんというか、若い人を応援するのは僕らの世代のデューティですから全力投球したいと思っとります。

ぜひ実態を知ってほしい(意見)
【岡田議員】ぜひ、現場の学生の声を聴いていただきたい。3食食べるところを2食や1食にしている現状がある。市内の子だけでなく、市内に住民票があって親元から遠く離れて仕送りを受けながら県外の大学に行っている学生も同じ状況があるのではないか、特に一人暮らしの学生の生活の状況は悲惨ですのでそういった声を聴いていただきたい。そういった場の段取りを取りますのでよろしく。

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