DV被害者、ホームレス等への
ワクチン接種の機会の確保を求める申し入れ
名古屋市議団は15日、河村市長に対して、DV被害者やホームレス等が新型コロナウィルスワクチンを速やかに接種できるよう緊急の申し入れを行いました。山田健康福祉局長らが応対しました。
DV被害者はお住まいの区役所に申し出るだけで接種券発行へ
名古屋市内に住民票があるもののDV被害などで市外に居住している方の場合、市が居住先を把握していればワクチン接種券が送付されることになっています。
一方、市外に住民票があり、DVなどの被害を避けて名古屋市内で生活している方の場合は、住民票のある自治体で接種券を再発行してもらい、そのうえで名古屋市に「住所地外接種届出」を行う必要があります。これではDV被害者は、「加害者に居住先を知られるのでは」との恐怖心を抱いて手続きをためらう恐れがあります。
党市議団は、国の通知のなかで「届け出を省略できる場合」にDV被害者が挙げられていることを指摘し、改善を求めました。
市側は「名古屋市のみの申請で接種券を発行できるように進める」と回答しました。
住民票のないホームレスにも接種券を発行できるよう検討
市の巡回相談員が把握している市内のホームレス等は年々減少し、現在100名弱となっています。市はこれらの方々にも接種の勧奨と相談を行っていますが、原則として、住民票登録がなければ接種券を発行しないことになっているため、希望者が接種できない事態となっています。
党市議団は、国の通知では、住民票や本人確認書類がなくても本人の申し立てで接種券を発行する例が示されているとして、柔軟に手続きを行うよう求めました。
これに対し市側は「国の通知内容を参考に、どうしたら接種券を速やかに発行できるか検討する」と答えました。
ワクチン確保、今後の見通しは
必要なワクチンの確保は国に責任があるのに、報道等では「ワクチン不足」と言われています。
市のワクチン確保の見通しについて説明を求めると、局長は「8月初旬には接種券の送付が終わるが、今すぐ打てるかというと難しいところはある。12月末までに全員接種できるだけの確保はされるので、順次対応できると考えている」と述べました。
党市議団の調査では、8月中旬までの市内のワクチン接種は、226万回(予定総回数の72.7%)が確保されていることが明らかになっています。