後期高齢者医療広域連合議会 2021年8月定例会 議案質疑②マイナンバーカード(さいとう愛子議員・2021年8月23日)
マイナンバーカードの取得促進について さいとう愛子
今回のリーフレットの内容はどんなものか。申請書なども同封するのか
【さいとう議員】昨年度は保険証交付の際にマイナンバーカードの取得を勧奨するリーフレットを送ったが、今回はどうか。申請書なども同封するのか。
75歳以上のマイナンバーカード未取得者に申請書IDやQRコード等が記載された申請書、返信用封筒、リーフレットを送付する
【総務課長】厚生労働省の依頼で、75歳以上のマイナンバーカード未取得者に対し、申請書IDやQRコード等が記載された申請書、返信用封筒、リーフレットを送付する。リーフレットの内容は、高齢者にわかりやすい、今回の取得促進策に特化したものを厚生労働省が作成中です。
医療機関とも協議するのか
【さいとう議員】マイナンバーの保険証としての利用に関しては、医療機関からは「外来に混乱を来す、時期尚早」との声が少なからずありました。今回の送付にあたり、医療機関と協議や事前の情報提供を行うのか。
実施する予定はない
【総務課長】医療機関との協議を実施する予定はございません。
対応できる医療機関はどれだけか
【さいとう議員】マイナンバーカードを健康保険証として利用することができる医療機関は、愛知県内で何か所ありますか。当初利用開始としていた今年3月時点と、直近の8月時点のか所数について、医科、歯科、調剤薬局、それぞれお答ください。
8月10日時点で医科46か所、0.92%、歯科20か所、0.54%、調剤32か所、0.93%
【総務課長】県内でマイナンバーカードを健康保険証として利用できる医療機関は、2021年3月末で医科3か所、0.06%、歯科0、調剤2か所、0.05%だった。2021年8月10日で医科46か所、0.92%、歯科20か所、0.54%、調剤32か所、0.93%です。
内容も決まらない広報を1年以上前に行う必要があるのか(再質問)
【さいとう議員】内容もまだ決まらず、広報自体を1年以上前に行う必要があるのか。
国の指示に沿った周知広報を実施したい
【総務課長】厚生労働省からの事務連絡で、「窓口負担の見直しに関する周知広報は、国会審議等でも高齢者や国民に対する丁寧な周知広報の実施が求められており、2021年度にも適切に実施する必要がある」と示されている。2割負担施行が滞りなくできるよう、周知広報を実施していく。
医療機関の理解や協力がなければ利用できないが(再質問)
【さいとう議員】昨年10月の愛知県後期高齢者医療制度に関する懇談会で、「マイナンバーカードを保険証として利用する手続きが煩雑であり、それらを支援する体制があるのか、そもそも高齢者にはむつかしいため、従来の健康保険証も使えると明示すべき」との委員からの指摘や複雑な手続きを医療機関に押し付けることへの懸念等の発言が噴出した。医療機関の理解や協力がなければ利用はできない。今回のリーフ配布について、医療機関の理解や協力をどう得ていくのか。
政府の取り組みとして対応されるべきもの
【総務課長】医療機関の理解や協力は必要だが、マイナンバーカードの取得促進は政府の取り組みとして行われており、マイナンバーカードの健康保険証利用に対する医療機関の理解や協力に関することも、政府の取り組みとして対応されるべきものだ。
対応できる医療機関が1%もないという状況をどう思う(再質問)
【さいとう議員】対応できる医療機関が1%もないという事がが、この状況をどう認識しているのか。
顔認証付きカードリーダーの申込数は約13万医療機関でほぼ6割ある
【総務課長】オンラインの資格確認に必要な顔認証付きカードリーダーの申込数は6月28日時点で約13万医療機関、ほぼ6割に達している。厚生労働省は7月から10月1日の本格運用開始までを「集中導入期間」と位置づけ、医療機関に強力に働きかけるとしており、対応できる医療機関も増加する。
いたずらに混乱を招くだけのリーフレット送付はやめよ(再々質問)
【さいとう議員】昨年7月、「2021年3月からマイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになります」と広報するリーフレットを送ったが、3月時点でマイナンバーに対応できる医療機関は0%に近い状況でした。広報通りには健康保険証としてマイナンバーカードが使えなかったという事ではないですか。昨年配布した意味はあったのか。受診は従来通りの健康保険証で事足りるし、医療機関もコロナ対応に追われ、マイナンバーの対応どころではないというのが、実情ではないか。
今年のリーフレットはまだ作成中という段階で、本格運用開始は今年10月1日というのに、対応する医療機関は8月10日時点で医科・歯科・調剤ともに1%に満たない現状です。医療機関との協議は行わないといわれましたが、なぜそういう事態なのか、検討もできないのではないか。
こういう状況で、申請書まで同封して高齢者に送付し、たとえ申請したとしても、医療機関の側では、ほとんど対応できず、いたずらに混乱を招くだけだと言わなければなりません。
使える医療機関も増えていない中では、医療機関の意向も聞き準備状況などを見極めることが必要で、送付はやめるべきではないですか。
政府の方針だ。厚生労働省の強力な働きかけで使える医療機関は増加する
【事務局長】マイナンバーカードの取得勧奨は政府の取組として行われており、75歳以上は広域連合から申請書等を送付するというのが政府の方針。
今回の取得勧奨の内容は、被保険者全員が対象ではなく、マイナンバーカードの未取得者を対象とし、申請書IDやQRコード等が記載された申請書の送付や問い合わせ先が国のコールセンター等であり、おおむね適当な内容と考え、補正予算を提出した。
マイナンバーカードの健康保険証利用に対応できる医療機関は、既に6割以上が申込みをし、今後、厚生労働省の強力な働きかけで、さらに増加する。