個人質問 田口一登議員 (11月24日)

温室効果ガス削減目標「50%以上」

          具体的な温暖化対策を提案

 11月議会本会議で、田口一登議員は気候危機を打開する地球温暖化対策について質問しました。
 COP26では、世界の気温上昇を産業革命前と比べて「1.5度に抑える努力を追求する」ことで合意。1.5度目標の達成のためには、2030年までに温室効果ガスの排出を2010年比で45%削減し2050年までに実質ゼロにする必要があります。

名古屋市の計画(27%削減)の見直しを

 日本の2030年度までの削減目標は2010年度比で42%削減と全世界平均よりも低い目標です。名古屋市の現行の『実行計画』は27%削減となっています。田口議員は「50%以上という野心的な目標を設定しよう」と提案。2030年度の再生可能エネルギーの利用目標についても、「国の目標を大きく上回る意欲的な目標を設定すべきではないか。2030年度までに市有施設のすべてに再生可能エネルギー100%電力の導入をめざす考えはないか」と質問しました。
 勝間環境局長は「単に国の目標値に向けて数字を積み重ねるのではなく、名古屋市における脱炭素社会の実現の姿など、市民・事業者と議論を重ね、実行計画に盛り込む」と答弁しました。

太陽光発電設備促進の0円ソーラーや                                                               省エネ融資への利子全額補助を提案

 田口議員は具体的な地球温暖化対策を2点提案しました。一つは、住宅用太陽光発電の設置の初期費用ゼロ=「0円ソーラー」の導入です。0円ソーラーとは、たとえば事業者が初期費用を負担して、住宅に太陽光発電設備を設置し、発電した電力を住宅所有者に販売することで初期費用を回収するというもの。自治体が事業者に補助金を支出します。東京都や神奈川県、札幌市などで始まっています。
 もう一つは、中小企業の省エネルギー対策への支援です。中小企業の省エネ設備も融資対象となっている環境保全・省エネルギー設備資金融資制度は、昨年度の実績がわずか1件。この融資には利子にたいする補助もありますが、公害防止対策の場合は全額補助なのに、省エネの場合は半額補助です。田口議員は「省エネの場合も全額補助にすべきだ」と求めました。また、「中小企業の省エネ対策にたいする独自の補助制度を創設してはどうか」と求めました。環境局長は「温室効果ガス削減のためには中小企業の省エネ支援策は必要不可欠。効果的な支援策を総合的に検討する」と答弁しました。


河村市長「カーボンゼロ」表明せず

 河村市長には、2050年までの二酸化炭素排出実質ゼロ=カーボンニュートラルを表明するよう迫りました。河村市長は「エネルギーを減らすと市民生活が苦しくなる。ガソリンエンジンがみんな悪であるかのようなことを言っていいのか。自動車産業を大事にしながら取り組んでいきたい」と答弁。田口議員は「省エネは企業にとってはコスト削減になり、市民にとっても断熱などで快適な生活が送れるようになる」「脱炭素化の推進は、経済の悪化や停滞をもたらすものではない。新しい雇用を創出し、地域経済を活性化し、持続可能な成長の大きな可能性をもっている」と指摘しました。

高坂小の統廃合計画 

   6月議会の答弁をほごにせず、再度の説明会を開け

 田口議員は、高坂小学校の統廃合計画案についても質問。教育委員会は10月に両学区で説明会を開催しましたが、「コロナ感染への対応に集中しなければならないときに、統合の話を進めるのはナンセンス」など、統合への批判や疑問の声が続出しました。

 田口議員は、「高坂学区の住民や保護者の理解は得られておらず、今回の説明会をもって、住民や保護者に説明を尽くしたとは到底言えない。説明会を再度開催すべきだ」と質問。鈴木教育長は、「再度の説明会を開催する予定はしてないが、意見・質問に丁寧に対応しながら、関係する皆様の理解を得て取り組みが進められるよう努める」と答弁しました。

 田口議員は、「教育長は6月議会では『丁寧に協議を重ねる』と答弁されている。協議を重ねるというのは、説明会を繰り返し開くということではなかったのか。この答弁を反故にするのか」と重ねて質し、「再度の説明会も開かず、教育委員会が一方的に統合を決定することはまかりならない」と追及しました。

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