議案質疑 江上博之議員(2月25日)
2月25日の名古屋市会本会議で補正予算案等の議案質疑が行われ、江上博之議員が天守閣木造復元と名古屋高速道路について質問しました。
名古屋城天守閣木造復元の完成時期
メド立たず「暫定的」
2022年12月完成予定を2024年3月に
天守閣木造復元は2020年7月の天守閣完成を条件に公募され、2017年5月9日に工事会社と基本協定を結びましたが、公募条件に反して2年以上延長の2022年12月に天守閣を完成させ、その後9年間で石垣の保全する協定でした。事業費は最大でも400億円と答弁していましたが消費税込みで505億円となりました。
ところが、昨年11月18日、当事者間で、完成期限を「暫定的に令和6年(2024年)3月31日)」と覚書を取り交わしました。
今回の補正予算は、この覚書を踏まえ、予算の支払期限を「暫定的に令和5年(2023年)度まで」と提案するものです。江上議員は「今年12月31日の天守完成は不可能なので、暫定的などといわず、きっぱりと事業中止し、見直すべきだ」とただしました。
どんどん延びる完成時期
完成時期を延長するのは、現天守閣解体と木造復元を一体とした現状変更許可の取得に至っていないためです。このため見通しもないまま莫大な経費で木材を購入。その木材を保管するだけでも経費が膨らんでいきます。
石垣も、穴倉石垣や天守内堀の御深井丸側石垣が深刻な状態でいつまでに解決できるかわかりません。
特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議に対しても、基本計画を来年3月までに作成すると名古屋市の姿勢を表明しただけで、有識者の確認を得たわけではないことが明らかになりました。江上議員は「事業の見通しがないのに目標を表明し、その時になったら、弁解をする。そんなことの繰り返しはもうはやめたらどうか」と指摘しました。
バリアフリーは1階まで?
バリアフリーの昇降技術の公募予算を繰越しますが、大天守の「少なくとも1階に昇降ができることとし、可能な限り上層階まで登ることができること」という公募内容です。
江上議員は「最上階に行けるようにするのがバリアフリーです。こんな条件でバリアフリー対策といえるのか。このような強引に進めてきた木造復元事業は、中止を」と強く求めました。
都市高速工事で2度目の立ち退き
終の住まいまで奪うのか
高速道路公社への建設資金貸付金10億円余を繰越します。建物所有者や地権者との交渉に時間を要しているという理由で、黄金インター拡張だけ見ても、地権者は40軒近くあります。
40年前の高速道路建設で移転した人のうち5軒が今回も移転対象です。終の住まいのリフォームをした高齢者も1人住まいを覚悟してのリフォームです。長屋の1人暮らしの方も家族との関係をどうするか。80歳を超えて住み慣れたところを移転し、その後どう生活していくか大変です。接続道路で、地域は東西に分断され、自動車公害で残る世帯にも影響します。
高速道路建設にあたっての「3条件8項目」に「住民の理解と納得を得る」とあります。江上議員は、交渉にあたってこの確認をしっかり守るとともに、「地域の人たちを不安にする事業は中止すべき」と求めました。
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