後期高齢者医療広域連合議会 2022年2月定例会 一般質問(伊藤建治春日井市議・2022年2月14日)
東京のように葬祭費や審査支払手数料などを、市町村負担として財源に充て独自軽減を 伊藤建治議員(春日井市)
保険料改定で所得133万円以下の人が負担増。東京方式で財源を生みだし、県独自の軽減を行え
【伊藤議員】後期高齢者医療の保険料は制度創設以来一貫して値上げされ続けています。保険料率の上昇に加えて、保険料負担の増額に繋がったのが制度創設時に設けられた軽減特例の廃止縮小です。いまはそのすべてが廃止されました。
低所得者向けの軽減は7割5割2割の均等割軽減。元被扶養者に対しては所得割の減免と均等割の2年のみの9割軽減が残されているのみです。軽減特例の廃止は低所得者の保険料増額となっており看過できないものです。
今回の保険料率改定のうち均等割の値上げで保険料が増額するのは所得が約133万円以下の低所得者。被保険者における割合は7割。8月議会では保険料未納による短期証の発行は所得200万円以下の方が9割を占めていることが明らかになりました。低所得者の負担軽減は後期高齢者医療制度における重要なテーマであり、低所得者の保険料の独自の軽減制度の創設を切に願うものです。
東京都広域連合においては独自軽減を制度当初から行っています。具体的には、葬祭費、審査支払手数料、保険料未収金の補塡分を、区市町村負担とし財源に充て独自軽減を実施しています。同様の低所得者向けの独自減免を愛知県広域連合で行う考えはないか。また先ほど述べた方法で財源を充当すると、幾らを財源として見込めるか。それぞれお尋ねします。
独自減免を実施する考えはない。東京方式なら91億円の財源になる
【管理課長】低所得者向けの保険料減免には、被保険者均等割額で7割軽減、5割軽減、2割軽減の措置が既に講じられており、低所得者向けの独自減免を実施する考えはない。
仮に東京都広域と同様の方法で葬祭費等の財源を充当した場合に見込める額は令和4・5年度料率改定の試算によると、91億4,737万円余です。
東京方式で生みだした財源でどれだけ軽減できるか(再質問)
【伊藤議員】葬祭費や審査事務手数料などを充当したとして得られる財源見積は約91億円とのことでした。法定7割、5割、2割軽減の人を対象に、この分を保険料軽減に充てた場合、1人当たり年間どれくらいの引き下げが可能になるのか。
1人当たり7322円の引き下げが可能
【管理課長】均等割額の7割、5割、2割軽減対象者に対して、約91億円の財源を活用した場合、一人当たり保険料は、年間で7,322円の引き下げとなる。
国保等で減った葬祭費を回すなど、高齢者の負担軽減へ努力を(意見)
【伊藤議員】低所得者への独自軽減で一人7,322円もの値下げができる。ぜひともやって欲しいものです。後期高齢者医療制度によって国保や社保で負担してきた葬祭費の負担は減る。そこから応分の負担を得れば、今ほどのような規模での負担軽減ができる。
様々な軽減特例の廃止で、低所得者の中には保険料負担が10倍になった方もいます。今年は保険料率の均等割額も増えることで、さらなる負担増になる。高齢者のくらし全体を見てみると、年金はマクロ経済スライドという合理性に欠いた仕組みの中で減らされている、物価も上がっている。ここに保険料の負担や窓口負担が増えていく。高齢者のくらしをどこまで追い詰めるのだという悲痛な声が上がっています。後期高齢者医療では、負担軽減の方法を選り好みせず、様々に検討するよう申し上げて一般質問を終わります。
キーワード:福祉・介護・医療、税、地方自治体と住民参加