2022年2月定例会
江上博之議員の代表質問③(2022年3月4日)
コロナ後を見据え、気候変動も踏まえた経済対策が必要
名古屋工業研究所の研究・技術力を生かした排出ゼロにふさわしい支援などを
【江上議員】コロナ後を見据え、気候変動も踏まえたモノづくり産業に対する経済対策について質問します。
2年前の1月を思い出してください。マスクがない、厳冬の中、エアコンが壊れても部品がない、今、半導体の不足、自動車部品の不足が言われています。コロナ感染により、グローバルサプライチェーンの名のもとに、安い人件費をあてにして、中国や東南アジアに工場がどんどん移転した付けが回ってきました。海外の低賃金によって国内でも低賃金非正規労働が強いられ、特に、若者は大変です。いざという時のために国内産業の再建が急務です。
もう一つ、地球環境が危ない問題です。国内では毎年豪雨などによる災害が頻発しています。海外では、山火事がカリフォルニア、オーストラリアなど世界で続いています。北極や南極では氷山が解け海面上昇で海洋諸国は暮らしていけません。産業革命時より地球の平均気温が1.2℃上がり、1.5℃となったら地球の維持そのものが危ないと言われています。その打開のために国連は、2050年温室効果ガスCO₂排出実質ゼロ、8年後の2030年には2010年比で45%削減を確認しています。2050年を目指すためには、自動車がガソリン車から電気自動車への転換がどうしても必要です。この地域は自動車中心のモノづくり産業地域です。電気自動車となれば、ガソリン車の部品の半分以下となり、地元の中小企業の存廃、雇用が大きな問題となります。気候危機打開はどうしても必要ですから、どう対応するかが課題です。
昨年11月議会の田口議員の質問に「この地域は自動車産業によって助けられている。ガソリンエンジンはみんな悪であるかのようなですね、というふうに簡単にいっていいものか」と市長は答弁しています。私も、自動車産業の発展で中小企業、雇用が発展していると思っています。しかし、世界はガソリン車では認めない現実があります。私は、その現実から新たな分野への積極的支援を名古屋市に求めているのです。中小企業の技術を省エネルギーや再生エネルギーの分野に応用できるよう名古屋市が積極的に支援する姿勢こそが、CO₂排出ゼロ時代の自動車産業への支援ではないでしょうか。排出ゼロにふさわしいモノづくり支援の必要性を認めませんか。支援の例として、名古屋市直営の名古屋工業研究所の研究・技術力を市内中小企業に生かすことを求めます。
中小企業の新たなチャレンジをサポートできるよう工業研究所で技術支援する
【市長】トヨタ自動車もEV自動車を本格的に作り始めるなど、まさに「100年に一度の大変革」が起きており、EV化が進むと仕事が減ってしまう中小企業も少なくないのでしっかりサポートしていく必要がある。
EV化への対応については、中小企業の新たなチャレンジをしっかりサポートできるよう、工業研究所での技術支援と、他分野への転換への支援などを合わせて、丁寧かつスピーディ一に対応し、環境時代にも対応し、持続的に当地域のものづくり産業をしっかり支えていく。
名古屋市としてモノづくり産業への支援を(意見)
【江上議員】大変革の時代であることは認められました。市内中小企業にアンケートしています。5人以下の従業員では、80%が今の動きについて行けない、意欲がない、考える予定がないといっている。市がやったアンケートです。
このままでは、小規模企業のワザが死んでしまう。この地域のものづくり産業をしっかり支えていくことを改めて名古屋市がやることを求めて起きます。
キーワード:新型コロナウイルス、雇用と地域経済・中小企業、江上ひろゆき