2022年2月定例会
さいとう愛子議員の個人質問③(2022年3月7日)
教員「不足」の解消を
「不足ゼロ」は現場の実態とずれているのではないか
【さいとう議員】文部科学省は今年1月31日、初めての「学校の教員不足」実態調査の結果を公表しました。結果は、定数83万6079人のうち、0.31%に当たる2558人が欠員となっており、不足が生じた学校数は、全体の5.8%に当たる1897校に及びました。名古屋市はどうだったのか。小中ともに教員の不足は「ゼロ」となっていました。この結果について現場の教員からは、「名古屋市の教員不足がゼロというのは信じられない」「実感と合わない。その実態こそ明らかにしてほしい」などの声を聞きました。
今回報道されたのは、昨年の5月1日時点の数字です。必要な教員数は1年間は変わりませんが、現場はどうでしょう。
9月には東区の小学校、10月11月には守山区の中学校、など先生がいない状態があったと聞いています。3学期はさらに、ある中学生が「どうして代わりの先生が来ないの」と子どもの権利相談室に訴えに行ったとお母さんから聞きました。未だに美術の先生は来ないし、担任の先生は2人なのに、1人しかいないそうです。子どもにとっては、1日2日ならともかく、長期間、担任の先生がいない、専門教科の先生がいない状態は、学ぶ権利が侵害されていることになります。忙しそうで先生に声をかけにくい状態も改善が必要です。
教育長にお聞きします。名古屋市の教員「不足ゼロ」とは現場の実態とずれているのではありませんか。子どもたちにとっては、先生がいない事態が起きているのではありませんか。
年度始めの時点では欠員はない(教育長)
【教育長】本市では、年度始めの時点では実際に必要な教員が配置できており、欠員はない。ただし、年度の途中に、産前産後休暇や育児休業、休職などの理由で欠員が生じる場合がある。こうした場合は、欠員期間などに応じ、臨時的任用職員などによる代替や、校内の他の教員が授業や担任を受け持つことなどにより、子どもの学びに支障が出ないように対応している。
年度途中の「欠員」に教員が配置できない場合は「欠員」ではないのか(再質問)
【さいとう議員】年度途中に、様々な理由で「欠員」が生じた場合、代替えの教員が配置できない場合は、「欠員」とはいわないのですか。
欠員には臨時的任用職員での代替や、校内の他の教員で対応(教育長)
【教育長】年度途中、様々な理由により欠員が生じる場合がある。欠員に対し、臨時的任用職員などによる代替の他、校内の他の教員により対応している。
校内での対応がまた次の多忙化を生む。抜本的な対応が必要(意見)
【さいとう議員】様々な理由により欠員が生じる場合、これを、「欠員」となった状況といわれたので、年度途中には「欠員」が生じていると理解しました。
どう対応するかということで、臨時的任用職員による代替が行われる場合と、できない場合があり、できない場合は校内の他の教員が、本来業務がある上に授業や担任を受け持つことになるということです。
校内の他の教員、教頭先生や教務、校務の先生が入られることもあると聞きます。自身の持っている仕事があり、その上に授業を担当することになるので、より多忙化に拍車がかかります。健康を害して休職している教員数も減っていない状況を考えると、校内での対応がまた次の多忙化を生むことになります。抜本的な対応が必要なのではないですか。
国に対しては教員定数増を求めるとともに、本市として独自の対策を行う必要があると強く要望します。