個人質問(6月23日)岡田ゆき子議員
市内に1万人超す義務教育未修了者等
「夜間中学」ニーズ調査し 早急に設置を
6月議会本会議で岡田ゆき子議員は、「(公立)夜間中学」の設置を求め質問しました。
未だに設置されない名古屋市の「夜間中学」
2017年2月施行の「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保に関する法律」に基づき、現在、全国で40校が設置されていますが、名古屋市にはありません。
教委「教育の機会を提供することは重要」認めるが…
2020年国勢調査の結果で、未就学者又は小学校が最終卒業の方が全国に約90万人、名古屋市内に1万人強に存在していること明らかに。文科省は今月1日、都道府県と政令市教委に夜間中学の設置の取組を一層促進するよう通知を出しました。
岡田議員は、教育の機会確保の重要性の認識を質すと、教育次長は「十分に教育を受けられなかった方々に教育の機会を提供することは、大変重要な責務」と答弁。
政令市で3番目に多い在留外国人、 不登校児童も増加…潜在ニーズ把握を
岡田議員は、未就学者数などが政令市で名古屋市は3番目に多いこと、市立小中学校で不登校人数が年々増加であること、また、在留外国人数が大阪市、横浜市に次いで名古屋市が3番目に多い都市にもかかわらず、「公立夜間中学が未だ設置されていない」と事実を指摘。
県の公益財団が実施する「中学夜間学級」がある事を理由にこれまでニーズ把握もしていないことから、「国勢調査の結果を受け、潜在的ニーズ調査が必要だ」と迫りました。
希望するすべての人が学べない現状を認識すべき
教育次長は「同学級では入学資格を満たす希望者を全員受け入れている。直ちに調査する必要はない」などと答弁。
岡田議員は、財団の夜間学級は開校日数や教職員配置など文科省が認める夜間中学と異なるうえ、入学資格に「語学力」の要件があり、中学3年生レベルの授業の為、入学を諦めるケースが少なくないと指摘。「希望するすべての人に教育の機会が与えられていないと認識すべき」とのべ、実態把握を重ねて求めました。
支援団体と懇談の場などを検討する(教育次長)
岡田議員は、学び直しを希望する方のために、2年前開設された「はじめの一歩教室」(北区上飯田)の取組を紹介。国籍、年齢を問わず、様々な理由で義務教育を十分学べなかった人に週1回学びの場を元教員や地域の団体・個人の協力で、提供しています。
生徒5人、支援者5人でスタートし、現在は生徒75人、支援者40人の規模に発展。岡田議員は、「支援者は、“ボランティアだからできることはあるが、義務教育の代わりはできない”と話す。リアルな実態を知るため支援団体や当事者と懇談の場を設けるべき」と求めました。
教育次長は、民間団体等の活動は、中学校の教育課程を学びたいと希望する方々には大きな支え。大変意義がある。今後、懇談の場などを検討すると応じました。
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