議案への反対討論(2022年7月4日) 江上博之議員

トリエンナーレ負担金 裁判で名古屋市が敗訴

表現の自由を侵害する市長の個人的評価で控訴するのはやめよ

7月4日の名古屋市会本会議での議案採決にあたって、江上博之議員が「訴えの提起」(あいちトリエンナーレ2019に係る負担金交付支給事件への控訴に関する専決処分の承認)に対し、反対の討論を行いました。 概要を紹介します。

負担金は支払い、内容には口を出すな

 反対理由の第1は、文化芸術活動の内容に踏み込んだ河村市長の個人的評価は、行政権力として「表現の自由」を侵害するものであり、この評価を前提にした控訴は理由にならないという点です。
 市長は、事実上、県と市の主催の公共事業だから市長の裁量があると言います。しかし、今回のような実行委員会形式であろうと、市が主催者の場合であろうと、文化芸術活動における公的事業は、文化芸術基本法が定める地方自治体の責務に沿って進めるべきです。
 法は、憲法にもとづく「『表現の自由』の重要性を深く認識し、」文化芸術活動を行うものの自主性、創造性を尊重することを名古屋市に求めています。名古屋市は、地方自治体としてのこの責務を果たしていません。「金はだしても、口はださない」姿勢こそ必要です。

丁寧な説明もなく勝手に専決処分

 第2の反対理由は、控訴期限まで10日も残しているのに、「特に緊急を要する」という理由で、負担金の強制執行停止を求める専決処分は、地方自治法違反ではないかという点です。
 議会への丁寧な説審議もなく、専決処分で控訴を勝手に行うことは民主主義に反します。
 江上議員は以上の点を明らかにし、「市は、負担金を支給したうえで、実行委員会での、県と市の協議を粘り強く行うことが必要であった」と指摘し、専決処分の承認に反対しました。

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