後期高齢者医療広域連合議会 2022年8月定例会 2021一般会計決算での質疑(さいとう愛子議員・2022年8月22日)

マイナンバーが健康保険に使えるとすすめたが12%の医療機関での利用可能が現状

【さいとう議員】2020年度に初めて健康保険証としてのマイナンバーカードの取得を推奨するリーフレット配布のための補正予算が計上され、昨年度は2回目のマイナンバーカード取得勧奨のための予算が計上されました。3点質問します。

取得勧奨した件数や金額は

【さいとう議員】被保険者に対するマイナンバーカードの取得勧奨の実績と決算額を教えてください。

保険者の61%に送付6700万円

【総務課長】マイナンバーカードの取得勧奨として、後期高齢者医療の被保険者のうちマイナンバーカード未取得者に対し、交付申請書、リーフレット及び返信用封筒の送付を業者に委託して2022年2月に1回実施しました。発送数は606,927通(被保険者の約61%)です。
 決算額は、郵送料51,374,999円、交付申請書等の作成及び封入封緘等の委託料16,423,444円の合計67,798,443円。財源はすべて財政調整交付金です。

取得者の人数と人口比は

【さいとう議員】昨年度中のマイナンバーカード取得者は何人で人口比はどれだけか。

7月で47万枚、49%。半年で6万枚増

【総務課長】厚生労働省のデータによると、県内の75歳以上へのマイナンバーカード交付枚数は2022年7月末時点で478,514枚、2021年1月1日時点の75歳以上の人口に対する割合は49.6%。取得勧奨を行う前の2022年2月1日時点の413,319枚と比較すると、交付枚数で65,195枚、約15.8%の増加となる。

カードリーダー設置の医療機関数は

【さいとう議員】マイナンバーカードを実際医療機関で健康保険証の代わりとして利用するために、医療機関には「オンライン顔認証付きカードリーダー」の設置が必要ですが、昨年度末時点で、愛知県内の医療機関で運用開始可能な施設数とその割合を教えてください。

3月末で1,510機関(12.2%)の医療機関に設置

【総務課長】厚生労働省のデータでは2022年3月27日時点の県内の運用開始施設数は1,510機関、全体の施設数に対する割合は12.2%。施設種別ごとでは病院が98機関で30.8%、医科診療所が500機関で10.5%、歯科診療所が309機関で8.1%、薬局が603機関で17.2%。2022年7月31日時点における運用開始施設数の割合は25.4%です。

政府目標は今年度中に100%交付だが、使える医療機関が12%しかない(再質問)

【さいとう議員】政府は今年度末までにほぼすべての国民にマイナンバーカードを取得させる目標を掲げており、県内の75歳以上の方の取得率は7月末時点で49.6%。2月1日時点と比較して約15.8%増加とのことでした。
 厚労省は、今年度はさらにマイナポイント2万円を付与するなど付加価値をつけマイナンバーカード普及のために躍起となっていますが、一方で、医療機関の環境整備は、いっこうに進んでいません。答弁によると、今年3月27日時点で、県内の運用開始施設は、全施設の12.2%です。身近なクリニックである医科診療所は10.5%、歯科診療所は8.1%と1割前後しか使えない状況です。マイナンバーカードを持っていても使えない実態で、この差は広がるばかりに見えます。
 昨年度は、まさにこのような実態でありながら、「利用できます」とリーフレットなど送付して広報したことになります。2点再質問します。

保険証として使えるカードは何%か

【さいとう議員】県内の75歳以上の方へのマイナンバーカード交付枚数は、7月末時点で人口比49.6%とお答えいただきましたが、保険証として使えるカードは、何%なのですか。

交付枚数のうち約12.1%

【総務課長】質問にあった割合を端的に示すデータはないので、75歳以上のマイナンバーカード交付枚数と本広域連合の被保険者、被保険者のうちマイナンバーカードの保険証利用の登録をしている方の人数の比率で答えます。
 本県の75歳以上のマイナンバーカードの交付枚数は7月末で478,514枚、マイナンバーカードの保険証利用の登録人数は本年7月19日時点で57,742件で、交付枚数に対する登録者数の比率は約12.1%となる。

医療機関で設置が進まない原因はなにか

【さいとう議員】身近な医療機関の機器設置が進まない原因を、広域連合はどう認識していますか。

厚労省の調査では、利用者が少ない、利用者の評判を聞いてから、忙しくて手が回らない、などが多い

【総務課長】厚生労働省で取組が進められており、、広域連合では医療機関の状況を把握していないので、広域連合としての認識を答えすることは困難です。
 厚生労働省が昨年12月から本年3月にかけて行った、オンライン資格確認の導入状況に関する調査によると、カードリーダーの申し込みをしていない施設では、①利用する患者が少ないと思われるため、申し込みや導入作業を見合わせている②周囲の医療機関や薬局でまだ導入されておらず、その評判を聞いてから導入したい③通常業務が忙しく、検討・申し込みを進められていない、といった回答が多かったということです。

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