個人質問(9月14日)岡田ゆき子議員

子どもの学びが保障されない「教員不足」

 9月議会本会議で岡田ゆき子議員は、「教員不足」が子どもの学びに与えている影響と対策について質問しました。

臨時教員の配置で4月は「教員不足」ゼロにしても、9月には6人が不足

 「教員不足」について教育長は、「年度初めの時点では必要な教員が配置できている」「欠員が生じても臨時的任用教員等による代替や、校内の他の教員が授業や担任を受け持つこと等により、子どもの学びに支障が出ないように対応している」と今回も答えました。岡田議員は「2021年度当初は定数を満たしていたが、8月には3人、12月には10人、3月には19人の欠員が生じていた。2022年度当初は、欠員ゼロになっていたが、9月1日には6人の教員不足となっている」実態を明らかにしました。

欠員を校内の教員でやりくりしているのは「教員不足」

 文科省の説明では、教員の欠員に対し校内の教員でやりくりしている状態は「教員不足」です。欠員が生じ、臨時教員の確保もできなければ、校内の教員が自身の任務を持ちながら、担任や授業を掛け持ちするなど、教員が必死の努力をすることになります。
 岡田議員は「なごもっか」の活動報告書に掲載された中学生の声を紹介し、「子どもから見ると、ずっといてくれるはずの担任の先生がいない、他の先生のやりくりで授業がされているなど、学びの環境が整わないことに、先生への心配とともに自分たちの学びがないがしろにされていると感じている」と指摘し、教育委員会の見解をただしました。教育長は「年間を通じて途切れることなく計画的に授業を受けられることが望ましいが、年度途中で欠員が生じれば臨時教員などで不安を与えない対応をする」と答えました。

権限移譲で欠員が減らせると言っていた 

 年度当初は学級数に応じた教員は確保しているといいますが、実態は、正規雇用の本務教員だけでは配置できず、不足分を臨時教員で補って確保しています。
 毎年続く本務欠員に対し、教育長は「教員制度の権限移譲で欠員数を減らしていく」と答弁していましたが、権限移譲前の2016年度の本務教員の欠員を補う臨時教員は104人、今年度は157人と増えています。教育長は「県費負担教職員の移譲や特別支援学級の設置基準の変更で見込数を正確に見込むことが困難だった。今後も採用数の正確な推計で精度を高めたい」と答えました。

4月当初から全てのクラスに本務教員を

 岡田議員は「それでも欠員は毎年生じる。それを見越し、追加採用することで年度当初から正規教員で定数分を賄うべき」と求めました。

臨時教員の産休にも代替教員の配置を

 正規雇用の本務教員が妊娠し、産休で欠員となると産休代替として臨時教員が自動的に配置されます。しかし、同じように担任や教科を受け持つ臨時教員は、産休で欠員が生じても、教育委員会はその代替教員の配置を認めていません。岡田議員は「産休中は給与が支給され、その期間に代替教員を置くと給与支給が2重に発生するので、臨時教員が欠員となっても、代替教員を充てないのではないか」と指摘し、教育長は「まずは校内の他の教員が授業を受け持ち、できないときは別の非常勤講師等を配置する。子どもたちの学びに支障が出ないように努める」と答えました。

かけ持ちでの負担を求めることなく、子どもの学びに支障が出ないような教員配置を

 岡田議員は、校内での他の教員に負担がかかるなど職場に迷惑がかかると言って退職している実態も明らかにし、「多くの臨時教員が教育を担っている。教育の穴を空けないよう、臨時教員についても本務教員と同様に、欠員に対し代替教員で対応すべき」と求めました。

キーワード: