2022年9月議会

江上博之議員の個人質問(2022年9月15日)①コロナ対策でのワクチン接種に関する市長の見解について

市長の「基礎疾患があるとワクチンでかえって重症になる確率が高い」という説(定例記者会見)は誰が言っているのか

【江上議員】コロナ感染第7波で、感染者が一日に6000人を突破し、8月の全国のコロナ死者数は7000人を超え1か月あたりの人数で過去最多になりました。9月に入り、感染者数は減っていますが、死亡者は減っていません。
 市内感染者は、6月下旬ぐらいから感染が増えだしました。8月10日には、6,547人で、関連死亡者が11人となっています。昨年の10月中旬ぐらいから感染者は、1ケタ台になり、今年1月初めまで続きました。そこには、ワクチンの2回目接種が効果を出したといわれます。
 そこで、名古屋市が公表している接種率をみます。3回目接種と比較すると、2回目の12歳以上の全体接種率は、今年7月4日時点で、8割を超えていましたが、3回目では6割を超えたところ。年齢層で摂取率の低い10代で見ると、2回目で、7割を超えていますが、3回目は、3割にもなっていません。20代、30代も4割代に行くかどうかです。
 7月6日の大都市・広域連携促進特別委員会で、指定都市の来年度予算要望で、ワクチンの副反応について、政府に対し情報提供するように求めていました。私は、「ワクチン接種するかどうかは個人の判断ですが、国や名古屋市が、判断材料を情報発信する責任があります。副反応の問題だけでなく、ワクチンの効果である重症化を防ぐこと、感染の後遺症などについても事例を紹介し、判断材料をもっと市民に分かりやすく情報提供することが必要」と求めました。
 では、名古屋市の対応はどうか。河村市長は、4月25日、6月13日、20日の市長定例記者会見で、「基礎疾患があるとワクチンでかえって重症になる確率が高いという説もある」「アメリカ救急医学会の発表で、イベルメクチンがコロナ治療薬として一番効果が高いんではないかと、確かね」「mRNAワクチンは血管に遺伝子の要素を注射するので子どもは要注意という意見が多い」と発言。断定的な発言ではなく、一部は後で訂正されましたが、一方的な発言をしたことは事実です。
 そこで、河村市長に質問します。以上のうち、特に、「基礎疾患があるとワクチンでかえって重症になる確率が高いという説」をだれが言っているのか明らかにしてください。

ワクチン接種はあくまでも個人の選択によるもの。丁寧な情報発信に努めている(市長)

【市長】名古屋は、特に子どものワクチン、水ぼうそうやおたふくかぜ、ロタウイルスとか、日本のワクチン行政を引っ張ってきており、積極的、丁寧にやっている。
 今度のコロナワクチンは、mRNAということで、ワクチンの多くがその技術を使用しており、未知の部分が多く、まだ有効性とか安全性について、丁寧に皆さんにお知らせすることは重要ではないか。今までワクチンを進めてきた名古屋だからこそということです。
 記者会見で説明した説は、新型コロナウイルス感染症の治療やワクチン副反応の診察に有名な関西の医者が「基礎疾患がある人は打ったほうがいいとは、とても思えない」と言っていたことを紹介したものである。
 みなさんには、接種により期待できる効果と副反応などのリスクを十分に理解した上で、ご自身が納得できる選択をしていただきたいと丁寧にやらしていただいている。
 ワクチン接種は、あくまでも個人の選択によるもので、無理やり勧めたり、無理やりにやめたりすることはしておりません。丁寧な情報発信に努めている。

効果とリスクを理解したうえで納得できる選択をすることでいいか(再質問)

【江上議員】ワクチン接種については、接種により期待できる効果と副反応などのリスクを十分に理解した上で、ご自身が納得できる選択をしてほしいと考えているということでいいか。

そのとおり(市長)

【市長】そのように言った。

市民が納得して決めるようにすすめることを確認する(意見)

【江上議員】限られた人の発言を利用して、市長の個人的見解を述べ、ワクチン接種を抑制するように聞こえていたが、今述べたような形で大枠として進めるということで理解をしました。

ワクチン接種の判断材料として、接種によりコロナの重症化を防ぐ効果や感染後の後遺症の問題などの事例を、市民に提供するべきではないか(再質問)

【江上議員】ワクチン接種による副反応だけでなく、ワクチン接種がコロナの重症化を防ぐ効果、感染後の後遺症が重くならないなどの事例をもっと市民に示し、ワクチン接種するかどうかの判断材料を示すことは名古屋市の責任ではないでしょうか。判断事例を広く提供していく姿勢ですね。答弁を求めます。

新たな情報が示されたら、積極的に周知したい(健康福祉局)

【長寿社会企画監】ワクチン接種は、接種により期待できる効果と副反応などのリスクを十分に理解した上で、接種するかどうかを判断していただくため、市民には適切な情報提供を行うことが重要と認識している。
 ワクチンの安全性や有効性に関する情報は、極めて専門的な医療に関するものであるため、国の専門家会議等において検証された情報を提供することが適切です。
 ワクチンが重症化を防ぐ効果など、ワクチンに関する情報発信は、国から提供される情態をもとに、接種券に同封するチラシや市の公式ウェブサイト、広報なごや、SNS等を活用して周知に努めている。
 新型コロナウイルス感染症のり患後症状、いわゆるコロナ感染後の後遺症へのワクチンの効果は、諸外国の研究で効果があると発表されている例があることは承知しているが、今のところ国から提供される情報には含まれていない。
 今後、新たな情報が示されたら、積極的に周知したい。(局長が欠席のため、長寿社会企画監が答弁しました)

市民の命と健康を守る立場として情報発信すべき(意見)

【江上議員】後遺症と言われている事例があることは認められています。国からの情報提供がないから発信しないと言わず、市民の命と健康を守る立場として情報発信すべきということを申し上げておきます。

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