2022年9月議会
江上博之議員の個人質問(2022年9月15日)②安倍元首相の「国葬」への対応について
市長として「国葬」への参加はやめよ
【江上議員】安倍首相の銃撃事件は痛ましい話であり、哀悼の意を表します。しかし、弔うのに、「国葬」というのは反対です。3点指摘します。
1、なぜ安倍首相のみを特別扱いにして「国葬」を行うのか。岸田首相は、国民が納得できる説明を何一つしていません。在任期間が8年と8カ月と「憲政史上最長」となったなどと繰り返すだけで、合理的理由は説明されておらず、実績についても評価が分かれています。安倍元首相だけを特別扱いするのは憲法14条「法の下の平等」に反しています。
2、岸田首相は、「国葬」は「故人に対する敬意と弔意を国全体としてあらわす儀式」と述べました。我が国は、国民主権の国であり、ここで述べられている「国全体」とは「国民全体」ということになります。すなわち「国葬」は、「故人に対する敬意と弔意を国民全体としてあらわす儀式」となり弔意を国民に強制することになります。これが憲法19条の「思想及び良心の自由」に違反した「弔意」の強制であることは明らかです。
3、儀式に直接関わる費用として2億5千万円。それ以外に警備費や外国来賓の接遇費などで、計16億6千万円と現時点では言われています。国民にはからず、国会にかけず、このような多額の、ましてや、法律の根拠もない催しです。世論調査でも国論を二分し、5割以上の方が「国葬反対」を表明しています。
そこで、河村市長に質問します。名古屋市長として、憲法違反であり、市民の意見が2分しているような安倍元首相の「国葬」に、市長は出席すると発言していますが、出席すべきではありません。見解を求めます。
国が実施を決め、案内が来たので出席する(市長)
【市長】国が国葬の実施を決定して、名古屋市長として案内を受けていますので出席すべきものと考えている。
憲法上の問題があることを認識しているか(再質問)
【江上議員】9月12日の定例記者会見では、理由を3つ言われていました。①葬儀というものは出るもの、②国から案内がきた、③南京事件はなかったと発言したとき安倍さんが支持し応援してくれた、と3つのことをいっていた。そんな理由で、市民の代表として参加していいのですか。今問題は、国葬の内容です。そこで、市長に質問します。安倍元首相だけを特別扱いする憲法14条「法の下の平等」に反すること、国民に弔意を強制することになる憲法19条「思想及び良心の自由」に反するこという認識はありますか。
そういう意見の人もいるが、政府から案内が来ればでるのが自然だ(市長)
【市長】そういう意見の方もお見えになると思いますけど、そうでないという方もたくさん見えますので、政府からそういう案内が来たら市長としては出るのが自然であろうと思います。
憲法上の問題について答えなさい(再々質問)
【江上議員】河村市長自身に2つの憲法の問題について答弁を求めた。市長自身がどう考えているのかお答えください。
いろんな考え方があり、出席することに問題はない(市長)
【市長】そういわれても、そうでないという意見もありまして、市長とすれば出ることに問題はないと思っている。いろんな考え方が世の中にはあり、政府がこういう形で招待するから出てくださいという案内を受けたら、出席することに問題はないと思います。
名古屋市長として国葬に出席するのは公私混同も甚だしい(意見)
【江上議員】なかなか質問には答えていただけない。「南京事件はなかった」と記者会見でいっている。なかったという発言は、名古屋市の公式見解ではありません。河村市長は、2012年2月議会で、わが党の山口清明議員の質問に、「名古屋市の中で、この南京事件について、公式に議論したことはないと聞いております」と答弁。2018年2月議会のわが党の田口一登議員の質問に、廣澤副市長が、「市には、南京事件に関する公式見解は、当時も今もございません」と答弁している。したがって、河村市長が参加する、記者会見での3つめの理由は、河村市長個人の思いであり、名古屋市長として国葬に出席するのは公私混同も甚だしい。ご自分のお金で行くことです。名古屋市長の肩書で出席することは認められません。
学校に半旗の掲揚を求めたり、弔意の強制は行わないということでよいか
【江上議員】教育長に質問します。学校に対して半旗を求めたり、弔意の強制は行うべきではありません。行わないと理解してよろしいですか。
独自に各学校へ対応を求めることは考えていない(教育長)
【教育長】弔意表明は、これまでも国からの依頼に基づき、その都度対応を検討している。現在、文部科学省や愛知県教育委員会から対応を求められておらず、名古屋市教育委員会としても、独自に各学校へ対応を求めることは考えていない。
学校では半旗を求めず、弔意の強制になるような行動は行わない(意見)
【江上議員】教育長、政治的中立性を求められることから市長からの独立機関として行政委員会として教育委員会があります。その原点を貫いて、答弁のように、半旗を求めず、弔意の強制になるような行動は行わないことを求めます。
キーワード:税、地方自治体と住民参加、江上ひろゆき