後期高齢者医療広域連合議会 2023年2月定例会 伊藤建治議員(春日井)の一般質問・滞納処分の取り扱いの見直しを(2023年2月14日)
納付困難者の生活実態を把握し、執行停止を行うことが事務負担軽減にもなる
【伊藤議員】2021年度特別会計決算では、短期証は2022年3月末で686人、39市町村、差し押さえは2021年度192件、合計金額25,641,393円とのことでした。
短期証は所得200万円以下が91%を占め、経済的な困窮から滞納になっている方が多いと推察できる。保険料未納者の生活実態の把握に努め、納付困難者にたいして処分の執行停止を速やかに行うことが必要ではないか。それで滞納処分に係る事務的な負担も減らせるものと思うが、どう考えますか。
確実な徴収が基本だが、状況によっては、徴収猶予や執行停止を行う
【管理課長】滞納処分を含めた収納対策は、市町村事務とされ、執行停止も市町村が主体で行っている。保険料収入は後期高齢者医療制度を運営していくための貴重な財源であり、基本的には確実な徴収をお願いしている。ただし、実際には支払いが難しい被保険者も一定数想定され、市町村には生活実態の把握に努めていただき、状況によっては、徴収猶予や執行停止を行うようお願いしている。
差し押さえを実施している自治体の数は
【伊藤議員】財産の差し押さえ、全体で192件とのことです。実施している自治体の数はどれだけか。
差押を実施している自治体は20
【管理課長】財産の差押を実施した自治体の数は、2021年度実績で20です。
短期証の発行をしている自治体としていない自治体の違いは
【伊藤議員】短期保険証の発行は15自治体が実施していない。短期証の発行や差し押さえを実施している自治体と実施していない自治体の違いは何か。
市町村ごとに対応は異なっているが他の市町村の事例を紹介している
【管理課長】滞納処分を含めた収納対策は、市町村事務とされ、文書・電話による催告・来庁の案内、臨戸訪問などで接触を図る中で、個々の生活状況に即した、きめ細かな収納対策を行っているので、市町村ごとに対応は異なっている。市町村に対して、統一的な基準を設けることはしてないが、他の市町村の事例の紹介などにより、情報を共有化し、収納対策に役立てていただいている。
実施していない自治体の取り扱いを水平展開する考えは
【伊藤議員】高齢者の生活をおもんばかれば、短期証や差し押さえと言った滞納処分については、実施しないことが望ましいと考えられ、実施していない自治体の取り扱いを水平展開する考えはないものかお尋ねします。
水平展開する考えはない
【管理課長】短期保険証や差し押さえは、法令に定められている保険料滞納者に対する措置であり、制度の安定運営のために適切に運用する必要があるので、短期保険証の発行や差し押さえをしない取り扱いを水平展開する考えはない。
市町村には、後期高齢者医療の保険料以外にも、税や国民健康保険料などの収納がある。市町村に対して税を含めた収納の取扱い基準を改めてまで、一律に短期保険証の発行や差し押さえをしないという取扱いをすることは困難だ。
差押えでの換価はどれだけか(再質問)
【伊藤議員】春日井市は2021年度は18件、445万500円の差し押さえがあった。県下で三番目に多い件数です。市民税や固定資産税などの滞納もあり、後期高齢者医療の保険料滞納もあれば、同時に差し押さえをしなければならない。18件445万円のうち、換価(現金化して保険料に充当)は5件の約100万円でした。滞納した税金などから順に抑えていくと現金が足りなくなり処分の保留や停止になったり、不動産などすぐに現金化できないものには実質的に保留となる場合もあるとのことでした。
2021年度の差し押さえ192件、2564万円のうち換価されたものが何件か。換価された内容はどうだったか。
192件中141件1275万円を換価
【管理課長】差押えによる換価後、後期高齢者医療保険料未納分に配当した件数と金額、及び換価された内容を2021年度実績で答えます。
預貯金 93件 656万172円
年金 42件 522万4,366円
診療報酬 1件 63万7,200円
動産 1件 25万4,328円
その他 4件 8万3,222円
の、計 141件 1,275万9,288円です。
生活実態に合わせた丁寧な対応を(意見)
【伊藤議員】差し押さえについては他の税金などとの兼ね合いもあり、一律の対応が難しいということは理解しましたが、引き続き被保険者の生活実態に合わせた丁寧な対応をされることをお願いします。
短期証については、発行せずとも収納対策ができている自治体があるのですから、それを水平展開する必要性については再度指摘をします。
キーワード:福祉・介護・医療