急増する日本語指導が必要な子どもたちに「初期日本語集中教室」増設など抜本的対策を
9月15日の本会議で議案外質問にたった岡田ゆき子議員は、日本語指導を必要とする小中学生が急増している問題を取り上げ、抜本的対策を求めました。
必要な子どもは市内だけで2500人以上
外国にルーツを持つなどで、日本語がほとんど話せない、あいさつはできても会話はできないなど、初歩的な日本語の指導が必要な小中学生が急増しています。市内では約10年間に1.7倍に増え、昨年度2500人を突破。今年度は2700人に達する見込みです(下グラフ参照)。
「初期日本語教室」全然足りず
市は、こうした子どもたちを対象に、「初期日本語集中教室」を2教室(北区と港区)設置し、3か月間、毎日2時限指導しています。しかし利用できるのは8人程度。申込んでも半年近く待機させられるのが実態です。オンライン教室も始まりましたが、2クラスで最大20人(年二回開講)。ニーズに全く追いついていません(右グラフ参照)。
岡田議員は、初頭日本語学習が必要な子どもが急増している自主夜間中学「はじめの一歩」教室(北区)の状況も紹介し、「初期教室」を各区に1クラス程度増設するよう求めました。
教育長は、「(「初期教室」の)待機期間が生じていることは課題だと認識している。人材と空き教室の確保が必要で、全区設置は困難だが、対面指導や遠隔型指導を効果的に行う方法を研究する」と答えました。
オンライン教室の指導は<遠隔アシスタント>増員で
岡田議員はさらに、教員不足のもとで、オンライン教室の受け手(受信する学校)側の学習指導体制をどう整備していくのか質問しました。
教育長は、「受け手学校には、日本語指導の専門性をもつ<遠隔指導アシスタント>を派遣し、教員と連携して複数体制で指導している。拡充や効果的な配置などを研究したい」と答弁。
岡田議員は、「<遠隔指導アシスタント>の効果は、実績を見れば明らか。来年度からさっそく増員すべきだ」と強く求めました。
日本語教師を常備配置し学習指導継続を
岡田議員は、「『学習言語』習得には5年から7年要するとも言われている。『初期教室』修了後も引き続き指導を受けられるよう、資格をもった人材を学校に常備配置する必要がある」と強調。教育長に対し、「子ども達がいかに学習の困難を抱えているか、ぜひ現場を見てほしい」と要請しました。
日本語指導が必要な児童生徒の母語の内訳の変化
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