プラスチックごみ・気候変動  環境保護啓発に水族館が役割を

 名古屋港管理組合議会水族館特別委員会が10月25日に開かれました。みつなか美由紀議員は、水族館の機能強化の課題のうち、「環境問題の啓発展示」「飼育生物の環境」について質問しました。
 
 名古屋港水族館では、現在、南館3階で「環境啓発の展示」が行われています。「エコ・アクアリウム~海の未来を考えよう」と題して、SDGsの取組目標のひとつである海洋環境、特に「海洋プラスチックごみ」と生物の関係について、地元企業から寄贈を受けた大型モニターや顕微鏡を活用し、展示解説をしています。また、海岸に漂着したウミガメの胃の中から取り出したプラスチックごみや、愛知県下の海岸で採集したマイクロプラスチックの実物も展示し、環境問題に目を向けていただく場を提供することで、環境保護の啓発に努めています。

 水族館の大規模改修にむけた機能強化の課題のうち、社会教育施設として海洋文化の普及のほか、喫緊の「地球環境である気候変動やカーボンニュートラルなど、新たな教育的な取り組みを啓発する展示の演出が不十分」となっており、みつなか議員は、大規模改修に向け、どのような具体策や方向性について質問しました。
 現在展示している「海洋プラスチックごみ」のほかにも、地球環境の喫緊の課題として、気候変動が生き物に与えるリスクが懸念されており、名古屋港でもカーボンニュートラルに向けた取り組みが行われています。
 生物を飼育する水族館の役割として、地球全体の環境保護の啓発についても関心を持てるよう、大規模改修にむけて調査、検討していくとの説明がありました。

繁殖したウミガメで気候変動の影響を調査

 名古屋港水族館ではアカウミガメ、他のウミガメの繁殖に成功したウミガメを放流し追跡調査することにより、気候変動が生物の生息環境にも大きく影響することを解明して、環境啓発につなげています。
 みつなか議員は、この取り組みについて、海洋ごみなど環境破壊問題について考えることにつながる、名古屋港水族館で繁殖したかわいい子ガメ、そして何年もかけて大きく成長したウミカメが環境汚染の被害に遭っているということも、子どもたちにもわかりやすく関心を持てるようにすることも必要だと提案しました。また、プラゴミだけでなく気候変動の影響がウミガメはじめ海洋生物の生息に大きな影響を与えているかということを解明するなど、名古屋港水族館での啓発も進めていくよう要望をしました。

飼育動物の繁殖に成功 手狭な飼育環境の改善を

 1992年の開館当時、ペンギン水槽で飼育していた羽数は、4種76羽でしたが、2022年度には4種148羽となっており、開館当時になかった現在の飼育基準に照らし合わせると、生物に快適な飼育面積の確保が不十分となっています。

 名古屋港水族館も加盟をしている日本動物園水族館協会は、令和2年に生物の健全な飼育、福祉に資するための推奨基準を設定しました。この飼育基準は順守義務はないものの、飼育生物に十分に配慮しつつ、より快適な飼育環境の実現のため、満たすことが望ましいものです。この基準を満たす飼育面積を推計すると、概ね現在の1.4倍ほどの飼育面積が必要であると想定さえています。みつなか議員は、水族館の大規模補修と機能強化の検討を進めるなかで十分な飼育面積の確保を求めました。

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