2024年2月議会
みつなか美由紀議員の個人質問(2024年3月7日) みどり市民病院の鳴海駅前への移転改築について
【みつなか議員】みどり市民病院は本館が築54年を経過しており、増築や改修工事を重ねてきましたが、老朽化が進み、動線も複雑になっており、病院の利用者からも建て替えを望む声が上がっています。病院診療を続けながらの現地建替えは土地面積的にも困難ということでは移転が必要になっています。
その移転先として「鳴海駅前第2種市街地再開発事業用地」(以下「鳴海駅前」と言います)が候補地となりました。 鳴海駅前は、区役所を移転することも検討されてきましたが、防災面において、標高や地盤の点で浸水被害が想定され、その対策が必要な地域であり、地域防災活動拠点として現庁舎の場所の方が優位性があるとの理由から、区役所の整備は行わないという判断になりました。区役所以外にどの施設を導入するか検討を進める中で、移転候補地を探していたみどり市民病院が候補に挙がったという経緯があります。
ところが、鳴海駅前への移転が決定したかのように2月の初めに新聞報道され、そこで知ることとなった住民からは、区役所は移転しないのにどうして病院は大丈夫なのか、これはもう決定なのか、という疑問の声が有り、また、災害時に、医療に影響が出ないか、救急患者の受け入れができるのかなど不安の声が届いています。
そこで総務局長に3点お聞きします。予算案には鳴海駅前を候補地として、「みどり市民病院の移転改築に係る基本計画の策定に対する補助金」が計上されています。市の方針として鳴海駅前へ移転するということですか。なぜ鳴海駅前を候補地にしたのか、その理由もお答えください。
「名古屋市地域防災計画」には災害協力病院として、みどり市民病院も指定されています。災害協力病院とは、医療救護所、これは名古屋市立の中学校が医療救護所となっていますが、そこからの患者を受け入れるという役割を担う病院です。洪水ハザードマップを見ると移転候補地は、想定しうる最大規模の場合、浸水深が1メートルから3メートル未満、浸水継続時間が1日から3日未満となっており、医療救護所からの患者を受け入れることができません。災害協力病院としての役割が果たせないのではないですか。どのような対策をお考えですか。基本計画の策定にあたっては、地元住民や病院利用者からの要望や意見を聞くという場を設けることが必要だと考えますが、見解をお聞きします。
「災害時においても診療機能が維持できるよう、しっかりと進めていく」「ご意見ご要望をいただく機会を設ける」(総務局長)
【総務局長】
総務局には緑市民病院の移転改築について3点のご質問がありました。
鳴海駅前への移転理由についてです。みどり市民病院は、地域医療のさらなる充実や医療人の育成などを目的として、令和5年4月に名古屋市立大学医学部附属病院として運営を開始いたしましたが、大学病院として地域のニーズに的確に対応していくためには、施設や設備の老朽化が進んでいることから、建て替えを喫緊の課題として検討してまいりました。
その中で、現地で建て替えする場合は、工期の長期化や、工事に伴う診療制限、療養環境の悪化といった懸念があることから、建て替えは移転改築により行うことといたしました。
移転に際しては、患者様や周辺の医療機関、救急搬送等への影響を最小限にするため、現在地から大きく離れていないこと、病院を建設可能な面積が確保できることなどの要件があり、これらを満たす土地は、鳴海駅前第2種市街地再開発事業用地をおいて他になく、移転候補地として検討することとしたものでございます。
鳴海駅前に移転するに当たっての災害対策についてです。鳴海駅周辺地区では、東海豪雨相当の雨が降った場合におきましても、床上浸水が概ね解消される雨水対策がなされてきております。
移転に当たりましては、令和4年6月に更新されたハザードマップで想定される浸水被害などを踏まえ、病院のハード面の対策を検討するとともに、市立大学医学部附属病院群を始め、他の医療機関とも連携しながら、患者受け入れに対応するためのソフト面の対策も検討し、万が一の災害時においても診療機能が維持できるよう、基本計画を取りまとめるなかで、しっかりと進めていきます。
地域住民や病院利用者への対応についてです。移転改築に関する計画内容の検討が一定程度進んだ段階で、地域住民の皆様や、病院をご利用の皆様に対して丁寧な説明を行うとともに、ご意見・ご要望をいただく機会を設けていく考えでございます。
【みつなか議員】ご答弁有難う御座います。まずみどり市民病院について最大規模を想定した対策をする必要があることは言うまでもありません。まだこれから基本計画を作っていくという段階ですので、かさ上げや雨水処理など、万全な対策になるよう基本計画の策定にあたっていただくことを要望し、また計画の内容についても注視してまいりたいと思います。
地域住民や病院利用者の方へは、「ご意見ご要望をいただく機会を設ける」との事でした。決まってからの一方的な説明ではなく、双方向の懇談という形で行っていただくことを要望します。
キーワード:みつなか美由紀