「なごや平和の日」制定の意義を歪めた市長の不適切な発言
共産党名古屋市議団が撤回を申し入れ
河村たかし市長が4月22日の定例記者会見で、「なごや平和の日」制定に関連して、「祖国のために命を捨てるのは高度な道徳的行為」と発言した問題で、日本共産党名古屋市議団と日本共産党愛知県委員会は同月30日、河村市長に対し、当該発言を撤回し、「なごや平和の日」制定の意義を市民に正しく発信するよう要請しました。以下はその大要です。
「なごや平和の日」は、「名古屋空襲慰霊の日」制定を求める請願を行った高校生たちなど市民が、悲惨な戦争の体験・記憶を語り継ぎ、平和の尊さを未来へつないでいきたいとの思いから制定されたものです。今回の市長の発言は、市民のこうした思いを踏みにじるものであり、断じて容認できません。
市長の発言は、「ベトナム戦争の時代は、日本は侵略戦争をやった犯罪国家と言われたが、しばらく経つとおかしいな、それは、ということになってくる」と述べた後に発せられたことからも、日本の侵略戦争を肯定・美化する立場からの発言であることは明らかです。
しかも市長は、記者からの質問に答えて、学校現場において「なんで(日本が)アメリカと戦争をやったのか考えてみないといけない」と述べたが、これは「日本は正しい戦争をやった」という歪んだ歴史認識を、教育を通じて社会に持ち込みたいという思惑からのものにほかなりません。
さらに、河村市長は、「日本国憲法はアメリカに占領されたときにできた憲法。……今とは全然状況が違う」と平和憲法を敵視した上で、「日本の若者が血を流さないで、アメリカの若者は血を流してもいいというのは、日本にとって相当不幸なことを導く」と発言しました。この発言は、敵基地攻撃能力の保有、5年間で43兆円の大軍拡など、アメリカいいなりに「戦争する国づくり」を進めている岸田政権のもとで、日本の若者を戦場に送り出すことを煽る発言だと言わなければなりません。
このように、市長記者会見での「祖国のために命を捨てるのは高度な道徳的行為」など一連の発言は、日本の侵略戦争を肯定・美化し、憲法9条改正、日米同盟絶対視という河村氏の持論を吐露したものであり、思想信条・立場の違いを超えて名古屋空襲の犠牲者を悼み、平和意識の醸成を図ることを目的として制定された「なごや平和の日」の意義を歪めるものであり、行政の長としての資格が問われる極めて不適切な発言です。
よって河村市長に対して、「祖国のために命の捨てるのは高度な道徳的行為」など不適切な発言を撤回し、「なごや平和の日」制定の意義を市民に正しく発信するよう求めます。
革新市政の会は4月25日、「河村たかし市長は『祖国のために命を捨てよ』発言を撤回せよ」との抗議文を総務局に提出しました。日本共産党のみつなか美由紀議員が同席しました。(写真)