2024年6月定例会
田口一登議員の議案外質問(6月24日)改正された配置基準にもとづく公立園での保育士増員を
【田口議員】通告に従い、最初に保育士配置基準の改正に伴う公立保育所における配置改善についていつからどのように実施するのか質問します。
私はこの間、保育士や保護者の方から、「保育士を増やしてほしい」という声をたくさんいただきました。ある保育士は、「1、2歳児ではおむつ替えの時、1対1で子どもと関わっていると、他の5人の子どもの間で玩具の取り合いなどがあってもすぐに保育士は動けません。その一瞬で嚙みつきやひっかきが起こります。その場にもう一人保育士がいれば、おむつを替える保育士、子どもと遊ぶ保育士と役割分担ができ、子ども同士の関わりやトラブルも丁寧にみることができます」と話していました。
「子どもたちにもう一人保育士を!」を合言葉にした全国の保育者・保護者・保育関係者の運動が国を動かし、今年4月、保育士配置基準が改正されました。4・5歳児については、現行の子ども30人に保育士1人、すなわち30対1から25対1に改善されましたが、これは制度発足以来76年で初めての見直しです。3歳児についても20対1から15対1に改善されました。
ただし、経過措置が付けられたため、「当分の間」は対応できる施設や自治体のみの改善となります。そのため、「子どもたちにもう1人保育士を!」と運動している市民団体が実施した全国の自治体アンケートでは、公立施設において「実施時期を明確にできない」と回答した自治体が、4・5歳児については30.2%、3歳児については29.6%にのぼっています。実施できない課題として職員の採用や定着を挙げた自治体が多数を占めています。
一方で、このアンケートでは、「2023年度以前に実施済み」ないし「2024年度実施」と回答した政令指定都市が、4・5歳児では22.8%、3歳児では34.4%と、改正された配置基準にもとづいた職員配置へと踏み出した都市も少なからずあります。
保育の質の向上にとっても、子どもたちの人権の尊重と安全の保障にとっても、保育士の配置改善は待ったなしです。5歳児では1クラス15人が世界標準といわれる中で、今回の配置基準の改正は最小限のものであり、本市においても改正された基準に基づく保育士配置の速やかな改善が求められています。
そこで子ども青少年局長に、公立保育所において改正された保育士配置基準に基づく職員配置を、いつからどのように実施されるのか、お尋ねします。
局長「職員体制を段階的に整備していく必要がある」
【子ども青少年局長】保育士の配置基準につきましては、令和5年12月に閣議決定された「こども未来戦略」において、安心してこどもを預けられる体制備を急ぐ必要があるとされたことから、令和6年4月1日に改正されたところでございます。
保育所は子どもが生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な時期に、多くの時間を過ごす場所であることから、子どもの最善の利益を考慮し、さらなる保育の質の向上が図れるよう、体制備が重要であると考えております。
一方、近年、保育士の有効求人倍率は高い水準で推移しており、必要数を一度に確保することが困難であるなどの課題もございます。
そうしたことから国は配置基準への対応について、「人材確保に困難を抱える保育の現場に混乱が生じないよう、当分の間は、従前の基準により運営することも妨げない」とする経過措置を設けております。
子ども青少年局としましては、子ども一人ひとりを尊重した質の高い保育を提供するためには、職員体制を段階的に整備していく必要があると認識しており、今後、関係局と調整を進めてまいりたいと考えております。
配置改善に来年度から着手を
【田口議員】まず、保育士配置の改善についてです。子ども青少年局長は、「子ども一人ひとりを尊重した質の高い保育を提供するためには、職員体制を段階的に整備していく必要がある」と、段階的に配置改善を進めていく意向を示されました。
保育士の予算定員は、公立保育所の民間移管などにより、2015年度からの10年間で235人、約2割も減少しています。民間移管による定員削減は、あと3年ほど続く見通しです。子ども青少年局は、保育士の大幅削減によって本市の職員削減に多大なる貢献をしてきているのですから、今度は関係局である総務局にたいして、保育士の増員を、胸を張って求めることができる立場にあると思うのです。改正された配置基準に基づく保育士の配置改善に来年度から着手されるよう要望させていただきます。
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