水道料金大幅値上げ 単身世帯など少量使用者に負担増

来年10月から

 名古屋市上下水道事業審議会は、8月19日、上下水道料金を来年10月から平均で11.8%値上げするよう市に答申しました。
 答申ではいくつかの値上げのパターンを示されていますが、「面からは、より基本料金収入割合を高めた水道案①、下水案①とすることが妥当」とされています。この案による負担増を示したのが下の表です。

単身世帯では1.4倍の負担増

 平均使用量が1か月8㎥の単身世帯の場合、現行料金から505円の負担増で、41.9%の大幅値上げになります。少量使用者ほど負担増が大きくなるのは、1カ月の基本料金が水道625円+下水道560円から、水道800円+下水道790円へと、34.2%引き上げられるとともに、1か月6㎥までは基本料金のみという基本水量制を廃止するためです。
 ただし、下の表は「税抜き」の「1か月分」です。上下水道料金の請求は、2か月分の税込み(消費税率は10%)なので、下の表の単身世帯の場合、実際の支払いの際は1,111円(505円×2か月分+消費税)の負担増になります。

市民の暮らしが大変な時   値上げは認められない

 水道料金の値上げは、物価高騰で苦しんでいる市民に負担増を強いるものであり、容認できません。人口減少による給水量の減少が値上げの理由の一つとされています。しかし、一方で、「揖斐川の水も必要」と言って徳山ダム導水路建設に参画することは辻褄が合いません。

一般会計からの繰り入れで 持続可能な水道事業を

 名古屋市の水道事業は、公営企業会計で独立採算です。しかし、水利用が減少する中、水道会計の中で採算をあわせるのは困難です。一般会計から繰り入れされている水道にかかわる福祉減免(生活保護世帯、児童扶養手当受給世帯、高齢者や障害者世帯などへの減免)を拡充することが求められます。また、耐震化など施設整備に一般会計を繰り入れるルールつくりの検討も必要です。
 値上げ案は、11月定例会に提出される見通しです。共産党市議団は議会での論戦とともに、市民のみなさんと値上げを許さない運動を広げるために頑張ります。