9月24日 9月定例会 岡田 ゆき子議員の議案外質疑

政令市で唯一「選択制」に固執する名古屋市
中学校でも全員制給食の実施を

 日本共産党の岡田ゆき子議員は24日の市議会本会議で、市立中学校での全員制給食の実施を求めました。

昼食「何も食べなかった」生徒が0.2% 

 名古屋市立中学校はスクールランチと家庭弁当との選択制を採用しています。今年6月に市が生徒向けに行なったアンケート調査では、スクールランチを食べた生徒は56.9%、家庭弁当41.8%、「何も食べなかった」と答えた生徒は0.2%いました。
岡田議員は「成長期でバランスの取れた食事が欠かせない時期なのに、昼食をとらなかった生徒はアンケートから推計で約100人もいる。全員制給食ではあり得ないことだ」と指摘。
 答弁にたった教育長は、無記名アンケートのため生徒の特定はできないとしながら、「日頃から食べ物がない生徒はいない」と述べました。

スクールランチ利用率に学校間格差 実態の把握を

 スクールランチの学校別利用率は平均49%。10~30%台にとどまる学校は、全体の1/4を占めています(左表)。
 岡田議員は、スクールランチ(デリバリー方式)の給食の利用率が低いことなどを理由に、全員制給食を開始した政令市もあると強調。
 さらに岡田議員は、就学援助制度の対象世帯であっても、生徒の多くが家庭弁当の場合、子どもも友達に合わせて弁当を希望する場合があり、家庭の負担になっている実態を説明しました。

 岡田議員は、全国20政令市で全員制給食に切り替える方針すらないのは名古屋市だけだ(下表)と力説。
 他の政令市の多くが、全員制給食の実施により『小学校から中学校までの切れ目のない食育』『給食により食育効果を向上させる』などの効果や方針を持っていること紹介し、「実施方法は多様だが(下表)、名古屋市も全員制給食を検討すべきだ」と教育長に迫りました。
 これに対し教育長は「スクールランチ利用率が低い学校の現状などを改めて把握し、スクールランチを魅力あるものにしたい」と、現行制度に固執する答弁に終始しました。

名古屋市以外の政令市で進む全員制給食 選択制給食から全員制給食への転換を

 岡田議員は「スクールランチはアレルギー対応がない。また、食育を担う栄養教諭の配置も不十分だ」と述べ、市が行なったアンケートには現れない課題を市として認識し、全員制給食の方針に転換するよう求めました。

市指定の障害者グループホームが障害者を虐待 
再発防止に向け、事業指定・運営指導の改善を

 日本共産党の岡田ゆき子議員は24日、名古屋市内をはじめ全国で障害者グループホームを運営する「株式会社恵(めぐみ)」が、施設で提供する食事の材料費の過大徴収や報酬の不正請求をしていた問題で、市に再発防止のための取組みを求めました。


 事業指定した市「申し訳なく思っている」
 事件発覚後、市は「経済的虐待」と認定し、不正報酬の返還を求めるとともに、国は連座制を適用して事業所指定の更新を認めない行政処分を行いました。
 岡田議員は「家族にとっては、やっとたどり着いた施設で、事業者に苦情が言えない気持ちがあったかもしれない。名古屋市が事業指定した営利法人が、こうした心情につけこみ、長きにわたって障害者を虐待し、食い物にしてきた事実があったことについて、どう認識しているのか」と問いました。
健康福祉局長は「このような重大な事態に至る前に不正を発見できず、障害福祉サービスへの信頼を揺るがす全国的な事案となってしまったことについて、事業者を指定、指導する立場から大変申し訳なく思っている」と答えましました。

事業指定前の独自評価の仕組み

 障害者福祉サービス事業を行うためには、市の事業指定を受ける必要があります。しかし、「日中サービス支援型グループホーム」を除き、障害福祉の経験がない法人でも、書類さえ整っていれば指定を受けることができます。
 岡田議員は、すべての障害福祉サービスで、事業計画や財務関係等の書類の提出を求めている広島県福山市の指定制度に触れ、「必要があれば有識者による会議を開き、事業者に意見を付したうえで指定をする制度もある」と強調。「(同市担当者によれば)『法的根拠はないが、こうした仕組みを設けることで、”不正の抑止”になっているのでは』とのことだ。再発防止策として、名古屋市も独自評価の仕組みを検討すべき」と求めました。
 健康福祉局長は、「今年度から指導担当職員を6名増員し体制を強化した。新規に指定した事業所へは早期に指導を実施する等、未然防止の対策を進めている」と述べました。


運営指導体制の拡充を 

 岡田議員は、「障害者の行動は、困っていることへの命がけの訴え。じっとしているように見えても『もっと成長したい』という強い欲求がある。しかし、専門性も経験もない事業者でも容易に参入できるため、障害者に寄り添った支援が後回しになる恐れがある。市が行う事業所指導・監査に、障害者支援の実践経験がある専門員を同席する等検討すべきだ」と求めました。
 局長は「障害福祉の専門職による研修を行う等、指導の質の更なる向上に努めたい」と述べました。

営利企業参入を可能にした国制度の抜本的見直しを

 岡田議員は「障害者総合支援法そのものに問題があるとの指摘がある。制度の抜本的な見直しを国に求めるとともに、名古屋市も障害者が安心して暮らせるよう引き続き努力してほしい」と要請しました。

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