10月16日 9月定例会 本会議 みつなか美由紀議員の2023年度決算認定案たいする反対討論

「富裕層優遇の市民税減税」「見通しのない大型事業」                                 行き詰まりの市政を投げ出した前市長

 10月16日の9月定例会本会議で、2023年度決算認定案の採決が行われました。日本共産党市議団は、反対しました。採決にあたり、みつなか美由紀議員が反対討論を行いました。その概要を紹介します。


「名古屋城天守閣木造復元」は見通したたず

 2023年6月の市民討論会で、差別発言が出て人権問題を引き起こし、事業はストップしたままです。2023年度に予定していた実施設計さえまとまる見込みがありません。検証委員会からの最終報告に、市民の納得と合意は得られておらず、事業再開の見通しがありません。最上階までの昇降を望む障害者の希望よりも、木造復元を最優先にした前市長のエゴによるものです。
 着工のめども立たないにもかかわらず、契約済額では129億円以上、支払いは総額で、すでに88億4700万円以上にのぼっています。このうち、市の一般会計からは累計で16億4500万円以上も支出されています。さらに木材の保管料で毎年一億円を費やし、現天守閣の維持管理費も無駄に増加しており、一般会計を圧迫しています。しかも前市長はこんな混乱を招いたまま投げ出してしまいました。

徳山ダム導水路事業から撤退を

 水需要は年々減っており、今後も人口減少でさらに減っていくことは明確です。木曽川の渇水時に揖斐川には十分な水があるとは限らず、揖斐川からわずかに直接取水したとしても大渇水時の対応はできません。工業用水道についても、地下水を揚水する事業所数、揚水量ともに減少し、地盤沈下が20年近く沈静化している下で、地盤沈下対策の名目で木曽川水系連絡導水路事業に参加する必要はありません。「造ってまったもんで」ということで、苦肉の策で考え出した新用途についても、導水路の着工までに具現化される見通しはなく、水を一滴も使っていない徳山ダムへの無駄な支出の上に、導水路事業はさらに無駄の上乗せをすることになります。これは未来世代により大きな付けを回すことになるものです。

名高速JCTの追加整備 中部国際空港の2本目滑走路

 住民の理解と納得が得られていないインター・ジャンクションの追加整備は中止を求めます。
 航空需要の伸びがコロナ前に回復せず、将来の需要予測が立てられないもとで、新たな代替滑走路の整備を急ぐ必要はありません。

市民生活に効果なしの市民税減税

 昨年度、減税額がトップの方は、約430万円も減税されました。納税者の0.1%に過ぎない収入が概ね7000万円を超える大金持ちが、20万円を超える減税の恩恵を受ける一方で、半数近い市民には減税が適用されません。物価の高騰で苦しんでいる庶民には、減税の恩恵はまったくないか、ごくわずかです。
 市長を失職された河村たかしさんは、「名古屋は減税に成功した甲斐あって、税収の伸び率、日本一!」と歌っておられますが、河村市政が誕生した2009年度以降の税収の伸び率は昨年度、本市は、旧5大都市では3番目、指定都市では8番目であり、日本一というのは事実ではありません。事実ではないことを吹聴しなければ効果を語れないところに、河村「減税」のお粗末さが表れています。
 こんな〝大金持ち減税〟はやめて、税収を約96億円増やし、それを小学校給食費の無償化や国保料の引き下げなど、物価高騰から市民の生活と命を守るために活用すべきです。

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