2025年2月定例会

みつなか美由紀議員の個人質問(3月10日) 水道料金値上げ あらゆる策で中止を

水道料金の値上げ=市民の負担増 市長は胸が痛まないのか

【みつなか美由紀議員】

 はじめに、上下水道料金の改定による負担増に対する認識について市長に質問します。異常な物価高騰の中、水道・下水道料金の改定案が出されました。水道の基本料金は625円から770円に、そして現行6㎥まで基本料金のみとしている基本水量制を廃止し、少しでも使えば1㎥当たり10円かかることになります。下水道は基本使用料を560円から690円に、そして10㎥まで基本使用料のみだったところが、これもやはり使っただけ1㎥当たり10円かかることになります。例えば、今まで一か月10㎥で生活していた世帯は、1225円から1660円に、一気に35.5%の値上げとなります。

 物価高騰はとどまるところを知らず、昨年11月は1万品目を越える値上げがされました。今年3月にはさらに2343品目のも値上げがされ、8月にはまた1万品目を越えると予測が出されました。昨年よりも3か月も早いペースで値上げが続いています。お米は2倍ほどに上がったまま戻らない。ガス料金も。そして電気料金の値上げは突出しています。

 市長は補正予算で、光熱費高騰への対策として、障害や介護などの事業所に支援をされました。まさに、これが今必要な措置だということを市長も認識しているからではありませんか。

 国の「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」の推奨事業メニューには、水道料金の減免にも活用可能だとわざわざ追加しています。今の物価高騰が市民の暮らしにそれだけ大打撃になっているということを認め、そこに支援する必要があると考えているということです。

 市民からは「命の綱である水道まで値上げされては生活できない」とのいう悲痛な声が多く届いています。共産党市議団が行った市政アンケートでも「水道料金の値上げには反対」との声が少なくありません。

 そこで市長にお聞きします。物価高騰でこれだけ苦しんでいる市民に対して、さらに水道下水道料金の値上げによる負担増を強いることに胸の痛みを感じませんか。

「心苦しいが、料金の引き上げはご理解いただきたい」(市長)

【広沢一郎市長】

 ただいま私に対しまして、上下水道料金の改定に関し、負担増に対する私の認識についてお尋ねをいただきました。物価高騰などにより市民生活が非常に厳しい中、市民の皆様にご負担をお願いするのは大変心苦しいいいところでございます。

 しかしながら、令和6年能登半島地震での被害状況などを見ましても、上下水道は日々の生活や社会を支える非常に重要なインフラであります。今回の水道料金、下水道使用料の改定は極めて厳しい経営状況の中、地震対策や老朽化対策など、上下水道を計画的かつ着実に整備をしていくことで、将来にわたって安心して上下水道をお使いいただくために必要なものだと考えておりますので、ぜひご理解をお願いしたいと思います。以上です。

木曽川水系導水路事業  撤退して事業費負担なくせ

【みつなか美由紀議員】

 次に上下水道局長に伺います。過去の過大な水需要予測により徳山ダム建設が計画され、名古屋市も参画しました。しかし水は一滴も使っていません。市民が一滴も使わない施設の負担金を市民が支払う水道料金や税金で支払ってきました。その負担金が水道企業会計に大きな影響を与えています。

 その上に、木曽川水系連絡導水路事業で、負担金はこれまでに2億円を超える支出をしており、来年度の予算案では、導水路事業の負担金と、直結施設の検討のための費用だとして基本計画を作成する調査費を合わせて、1億2千万円以上が計上されています。これも水道料金に上乗せされ、市民のみなさんの負担増を助長することになります。

 木曽川水系連絡導水路事業の負担金の支出が、今回の料金改定に影響を与えることになるのではありませんか。上下水道局長お答えください。

木曽川水系連絡導水路事業の負担金が料金値上げに影響

【横地上下水道局長】

 上下水道局には木曽川水系連絡導水事業による料金改定への影響についてお尋ねをいただきました。

 深刻化する恐れのある渇水や豪雨による水質制限の急変など、近年顕在化している多様なリスクへの対応策として、水源の多系統化を進めていく必要がございます。水源の多系統化に向けては、木曽川水系連絡導水路は必要不可欠な施設であり、当該事業を着実に推進していくことは、将来にわたる水道の安定供給確保のため極めて重要であると考えております。

 今回の料金の検討に当たりましては、令和10年度までの計画期間において、木曽川水系連絡導水事業も含め、安心安全で安定した上下水道サービスを将来にわたってと維持していくために必要な事業について事業費を見込んだ上で、料金の改定案を策定しております。以上でございます。

一般会計からの繰り入れは可能

【みつなか美由紀議員】

 上下水道局長は、木曽川水系連絡導水路事業の事業費も今回の料金値上げに含まれていると答弁されました。負担金が料金値上げに少なくとも影響を与えます。今後本格的に建設が始まれば、さらに負担金も増え、料金に跳ね返ることになるでしょう。 今は、市民の生活を守ることを最優先にすべきであり、必要のない導水路事業から撤退するよう要望します。

 市長からは、心苦しいが、料金の引き上げはご理解いただきたい、という非常に残念な答弁でした。それでは住民の福祉の増進を図るという地方自治体の責任を果たせません。

 地方公営企業法では、第17条の3で、「災害復旧その他の特別の理由により必要がある場合には、一般会計又は他の特別会計から地方公営企業の特別会計に補助することが出来る」となっています。異常な物価高騰の中で市民の暮らしがこれだけ疲弊している現状は、まさに「特別の理由」にあたる事態だと思います。

 今こそ、市長の英断で一般会計から繰り出してでも、命の綱である水を、誰もが安心して使えるようにするべきと考えます。三重県では、エネルギー価格の高騰などを理由に、来年度から水道料金を引き上げる方向で検討していましたが、市町の要望を受けて「苦しい判断ではあるが、県民の物価高で苦しんでいると思うので、われわれとしても努力しよう」と、2年間料金を据え置くことを決めました。

 今はあらゆる策を講じてでも上下水道料金の値上げはするべきではありません。市民の命を守るため、料金の値上げは中止することを求めてすべての質問を終わります。

 

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