代表質問(6月27日) 村瀬たつじ議員
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不正・腐敗の疑惑を断ち切り、市民の暮らしを豊かにする市政こそ市民の願いだ
《1 大交流に力を入れる余裕があるなら、緊急で切実な市民要求の実現を》
【村瀬議員】
4月の市長選挙で松原市長の得票は有権者の19%でした。しかも有権者の70%以上が選挙に参加しませんでした。市長は、この結果を重く受けとめて、市民、とりわけ弱者の切実な願いに思いをはせた市政運営をされるよう最初に求めておきます。
今回の市長選挙は、当初、「際だった争点はない」とか、「相乗り市政」で盛り上がりに欠けるといわれながらも、万博後の市政運営のあり方について熱い論戦が繰り広げられました。市長は選挙中の論戦でも、今議会の所信表明でも、「ポスト万博」として「大交流」と「環境」という二つの潮流をあげています。確かに環境問題は今後ますます重要になるでしょう。しかし、「大交流」というのは、市民が切実に求めていることでしょうか。むしろ市長選挙では、「ポスト万博は市民の暮らし」の声が広がり、新聞などの調査でも、市民が求める市の施策の第1は、福祉の充実であることが明らかとなりました。
私は松原市長に対し、市民にとって緊急で切実な要求を実現して自治体本来の役割を果たされるよう、3点にしぼって以下質問するものです。
(1)小中学生の医療費無料化の拡大を
いま小中学生のアトピーやアレルギーが大幅に増え、厚生労働省の調査でも乳幼児に比べ小学生の症状が重い、との結果が出されており、インフルエンザやケガ、虫歯の治療など医療費を中学卒業まで無料にしてほしいという市民の願いは切実であり、お医者さんたちも要求されています。松原市長のマニフェストにも、「子ども医療費無料化の拡大」を掲げられました。報道によると選挙戦のなかで松原市長は、「医療費無料化は何歳くらいまでを考えていますか」と問われ、「小学校3年生までくらいかな」(4月22日・中日)と答えています。
子育て支援策の拡充は差し迫った市民の願う緊急課題であり、なかでも医療費無料化の拡大は子どもの健やかな発育になくてはならないものです。愛知県下では、小学校入学前まで所得制限なしで大半の市町村で実施され、東京都23区では、小学校入学まで全区が所得制限を撤廃し、10の区では小学校6年生や中学3年生まで対象が広がるなど、全国的には子どもたちの医療費無料化の拡大が急速に進んでいます。
市長、なぜ小学校3年生までですか。市長はマニフェストで「子育て支援の推進」のために「子どもの医療費無料化を拡大します」といわれていますが、「小学校3年生まで」でなく「小学校卒業」、さらには「中学校卒業」まで対象を拡大し、あわせて所得制限の撤廃をもとめるものですが、市長の見解をお聞きします。
他の子育て施策との整合を図りながら、実現に向け検討したい(市長)
【松原市長】
小学生の医療費助成は、是非とも実現したい重要な施策の1つ。多額の経費が見込まれ、財政状況や国の三位一体改革を考慮し、他の子育て施策との整合性をみながら、実現に向け検討したい。
(2)小中学校全ての学年での30人学級の実施を
【村瀬議員】
30人学級について今大きな変化が見られます。文部科学省は少人数学級の意義を認め、中央教育審議会で少人数学級実施について検討を始めました。その中で、文科省の示した調査結果が示され、少人数指導や習熟度別授業に取り組む学校のほぼすべてが「学力が向上した」などの効果が見られたものの、8割以上の小学校と中学校が「学級編成の人数を引き下げた方が効果的」と答えたというのです。「40人学級より30人程度の学級がやりやすい」。「少人数学級は不登校の減少、学力の向上、子どもに落ち着きが生まれた」など少人数学級を導入すべきとする意見が圧倒的に多数となり、来年度から少人数学級にふみだすことをもとめる声が強かったといわれています。
名古屋市は30人学級の効果を認め、小学校1年生につづき、今年度、2年生の30人学級を16校でおこない、3年間をめどに全校実施の予定です。しかし、松原市長は選挙戦の中で、全学年での30人学級は、「人的、法的、経済的に難しい」としています(4月18日・朝日)。
国の予算をはじめ、教員を増やす問題、教室の不足の問題など解決すべき点がいくつかありますが、国は少人数学級実施へと動きだしています。市が率先して、中学校まで含めた全学年での30人学級、少人数学級を段階的に実施する計画を策定し、実施に踏み出すよう、市長の決断を求めます。
小学校2年生での30人学級を全校実施していく(市長)
【松原市長】
小学校3年生以上は、時には大勢の集団で切磋琢磨し、時には小集団で基礎を着実に身に付けることが必要だ。小学校2年生での30人学級を全校実施できるよう整備を進めている。
(3)高齢者の医療費助成の充実、福祉給付金復活を
【村瀬議員】
松原市政の2期目の4年間は、高齢者福祉の後退に次ぐ後退でした。なかでも対象者や押しつけられた負担額の多いことで高齢者の怒りを招いたのは、高齢者医療費助成すなわち福祉給付金の大改悪でした。医療費が無料となっていた約10万人のうち8万人の高齢者が毎回医療費を払うことになりました。医療費が無料となっていた住民税非課税世帯高齢者の国民年金受給者の年金額は月額4万円以下が大半であり、そこから介護保険料も天引きされています。「病院に行けない」「回数を減らした」という声もあがっています。
高齢者のいのちと健康のために福祉給付金制度を元に戻すべきです。せめて一定額以下の低所得者には福祉給付金を復活させることを求めますがいかがでしょうか。
他都市と比較しても高い水準だ(市長)
【松原市長】
福祉給付金は、行政評価や社会福祉審議会の意見を踏まえて見直した。「寝たきり・認知症」へは県制度を上回り、他都市と比較しても高い水準で、復元は困難だ。
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《2 「名食」社長の逮捕・起訴について》
(1)「名食」に対する指導・監督責任を取れ
【村瀬議員】
フジチクグループの不正事件は「BSE牛肉買い上げ偽装」に続いて「違法な資産隠し」、さらに「輸入豚肉関税の脱税」と、とどまるところがありません。これまでわが党は、牛肉偽装事件や営業権譲渡に関わる疑惑を追及し、その真相解明を求めてきました。藤村芳治容疑者に続いて、「名食」の代表取締役の藤村勲容疑者が逮捕・起訴されました。「名食」は本市が出資している外郭団体であり、市長も昨年11月の私の質問に対する答弁で認めていたように、本市の指導・監督責任は重大です。市長は、これまでBSE対策の疑惑について「国が業界団体におこなった事業であり知る立場にない」とまったく関係ないといの態度をとられてきました。
「名食」がこのような事件を引き起こしたのは、市長はじめ本市が「名食」に対する指導・監督責任を十分果たしてこなかったからではないのか。
経営陣を刷新した(市長)
【松原市長】 逮捕起訴されたことは、まことに残念で遺憾だ。裁判の経過を慎重に見守って行きたい。他の株主と協議し名食の経営陣の刷新を図った。今後も支援や指導を行う。
(2)名古屋市は「名食」を利用してフジチクグループにくいものにされた
【村瀬議員】
藤村芳治被告らの裁判における検察冒頭陳述では、「フジチクグループは2000年当時、金融機関等からの借入金総額が500億円を超えて債務超過の状態にあり、グループ傘下各社も売り上げが低迷し、金融機関から新しく融資を受けることもできず資金調達に窮して深刻な経営危機に陥っていた」と述べています。「2000年当時」といえば黒塗りの議事録として有名になった「愛食」からの営業権譲渡の検討委員会が開かれていたときであり、フジチクが資金繰りに困っていたときです。さらに陳述では「債務超過の原因は本業の低迷に加え、開発したゴルフ場の造成・開発に関係して150億円を超える融資を受けたことなどにあったが、その実態を隠して同社の資産状態等を良好に見せかけ、多額の架空売買を計上する一方、多額の粉飾した財務関係書類を金融機関に提出していた」としています。
「愛食」の卸売り営業権の評価は、このような多額な架空売り上げによる粉飾の下でなされたものであり、「名食」への59億円の営業権譲渡価額が適切な評価だったとはとてもいえないのではないでしょうか。加えて「名食」は、「愛食」から食肉卸売り業務を引き継いだことによりフジチクグループの事実上傘下に組み込まれました。まさにフジチクグループが「名食」を乗っ取り、「名食」を舞台にして、名古屋市がフジチクグループの食い物にされていたのが実態ではありませんか。
公正に行っている(市長)
【松原市長】
市の事務事業の遂行を公正に行うことは私どもの責務で、指摘のようなことは無い。
名食への指導・監督の怠慢だ(再質問)
【村瀬議員】
ひとつは「名食」の問題です。名食は名古屋市が45%を出資する外郭団体だ。逮捕・起訴されて経営の刷新をはかった。昨年11月の私の質問への答弁でも市として指導責任があり適宜指導しておりこれからもすると言った。それから半年たった。ちゃんとした指導や監督がされていたならこういう事は起こらなかった、あるいはそういうことが起こったとしても早く発見できたんじゃないですか。こういう事がおきたことに対する市長の責任があるのではないか。責任をどうとるのかについて答弁がなかった。
必要に応じて指導している(市長)
【松原市長】
経営は独立した法人として責任ある経営者のもとで業務が行われている。本市としては必要に応じて指導・支援に当たってきた。引き続き、そのように対応する。
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《3 橋梁談合は名古屋高速道路も関連する》
(1)高速道路の工事に談合はなかったといえるのか
【村瀬議員】
橋梁談合は、国土交通省が発注する鋼鉄製橋梁工事について長年談合を繰り返してきたとして公正取引委員会が告発し、捜査が進められています。これは、「K会」と「A会」の二つの談合組織に加盟する47社(会社がなくなった2社を含めると49社)が受注調整をおこなってきたものですが、国土交通省発注の工事だけでなく、日本道路公団や東京都発注工事でも談合をおこなってきたといわれています。名古屋市や名古屋高速道路についてはどうでしょうか。
わが党の調査によれば、名古屋高速道路公社が発注した、1998年度から2004年度の鋼鉄橋梁の工事入札(高架道路の本体である上部工事)は40件あり、一、二の例外を除いて、そのほとんどが、談合組織加盟の49社によるJVで独占されています。特に1998年度から2002年度までは、完全に49社で独占され、その間の落札率は97.5%と異常な高落札となっています。談合がなかったかどうかが疑われます。
鋼鉄橋梁工事は一件当たり30億から40億円という高額な契約であり、7年間の契約合計額は1千300億円にも上ります。談合によって高落札が続いていたとすれば、その損害は道路公社だけでなく、公社に出資している名古屋市民の税金をムダ使いしたことになり、日本一高い高速道路料金として市民の負担増にもなっています。
市長は、名古屋高速道路公社が鋼鉄橋梁工事発注に関わる談合の有無を調査し結果を明らかにするよう指導すべきではありませんか。
公社では入札改善に取り組んでいる(市長)
【松原市長】
名古屋高速道路公社では、入札契約制度の改善で様々な取り組みをしている。今回、独占禁止法違反で起訴されたことは、大変残念であり、非常に遺憾だ。公社も重く受けとめている。公社での談合の有無の調査は、今後の公正取引委員会の動向と、司法当局の捜査を注視していく。
(2)市長は談合会社に政治資金パーティー券を購入してもらっているが
【村瀬議員】
談合参加の各社から自民党の「国民政治協会」などへの政治献金が問題になっています。市会議員にも談合組織参加会社から多額の献金を受けている議員がいます。
松原市長も2001年の市長選を前にした政治資金集めパーティーでは、今回の橋梁談合で起訴された日本車両製造に30万円のパーティー券を購入してもらっています。そこで市長にお聞きします。
市長は、今回の市長選前にも政治資金パーティーをおこなわれましたが、日本車両製造など談合組織加盟会社によるパーティー券の購入を受けましたか。お答え下さい。
今後政治資金規正法に基づき収支報告される(市長)
【松原市長】
政治資金パーティー券は、政治資金規正法上、認められている。パーティー券購入の有無は、パーティーを開催した政治団体が、今後政治資金規正法に基づき収支報告をされ、その段階で明らかにされる。
談合疑惑があったのに調査もしないとは無責任だ(再質問)
【村瀬議員】
パーティー券の問題で日本車輌製造株式会社に30万円買ってもらっていたことを認められました。しかし、今年の市長選前については支援団体からの報告書が出されるとおっしゃったが、「今回、受注業者が刑事告発を受け、また担当者が逮捕され、過去最多の26社が独占禁止法違反で起訴されたことは、たいへん残念であり、非常に遺憾に思っております」と言った26社の内の1社でしょう。日本車輌製造は。ちがいますか。ですからこういうところからの政治献金を、4年前はもらったが今回はもらわないならもらわなかったと、おっしゃればいいが、わからないままですまそうというのは無責任ではないか。
収支報告で明らかになる(市長)
【松原市長】
政治資金パーティーを主催した政治団体が、今後、政治資金規正法に基づき収支報告をされる。その段階で明らかになる。
無責任だ(意見)
【村瀬議員】 パーティー券については、今はこういう事態が発生して市長自身がそういう目で見られていることを感じないのか。4年前にはもらっている。もらっていないのなら私もこんな事は言わない。責任ある立場として調べるべきだ。
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《4 指定管理者選定に基準を設けよ》
【村瀬議員】
「指定管理者制度」について、わが党は住民福祉の増進を目的とする公の施設の管理を営利企業にも拡大するものであり、営利を追求する民間企業に公の施設の管理委託を拡大することは、本市ひいては公の責任を後退させ、市民利用を狭める、という問題を指摘してきました。
今回、指定管理者にかかわり29もの条例「改正」案が提出されています。この中で指定管理者の選定にあたり公募によるものと公募によらないものがあります。公募によらず指定管理者を選定する考え方は、今回が初めてではないでしょうか。
公の施設といっても、目的や性格はさまざまであり、それぞれの施設に見合った方針を立てるのは必要でしょう。しかしながら、従来は公募のみで指定管理者を選定していたものを非公募でも選定するということであれば、その選定基準を設ける必要があるのではないでしょうか。
施設によって異なる(局長)
【総務局長】
指定管理者の募集は原則公募により実施し、今回も公募を明記している。文化小劇場やスポーツセンターなどの一部施設は経過措置を設け、2回目から公募する。施設の構造・性質・設置状況等から管理運営を行う団体が特定される施設は、例外的に公募しなくてよいようにした。
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《5 名市大の独立行政法人化への不安は多い》
(1)営利優先で教育などが後退しないか
【村瀬議員】
名古屋市立大学は医学部・薬学部をはじめ6学部1センターからなる総合大学として成長し、現在では公立大学の中でも有数の規模となり、地域の学術研究の中核として大きな役割を担ってきました。
今回条例提案されていますが、法人化されると経費は名古屋市に変わり法人の責任となります。いち早く独立行政法人化された国立大学などのお話を伺いますと、運営費交付金や大学授業料だけでは大学経営はとても苦しいのが現状で、研究の自由が利かなくなったとか、施設の改善はおぼつかない、職員は多忙となり、心の病にかかる職員が急増しているなどの弊害が生まれていると、お聞きしています。
そこで質問します。第1に、独立行政法人化となると、いわば営利が追及されるために効率的な経営が優先され、教養教育や研究、地域への貢献などが低下しないでしょうか。
教育研究や社会貢献などの役割を果たし、効率的な運営を(市長)
【松原市長】
独立行政法人は、独立採算を前提としない。公立大学法人は、大学における教育研究の特性に常に配慮し、大学本来の業務に支障をきたさないよう大学の設置及び管理とこれに付帯する業務以外の業務を行ってはならないとされている。
市立大学の法人化は、このほか、目標・評価制度、企業会計原則の導入、透明性の向上など、公立大学法人制度の仕組みを活用して、大学が自主的かつ自立的な運営の下で、教育研究活動や社会貢献などの活性化を図ってもらうところに主眼がある。したがって名古屋市が設置する公立大学として、大学における教育研究や社会貢献といった役割を、しっかり果たしてもらった上で、効率的な大学運営にも努めていただきたい。
(2)自主性は保障されるか
【村瀬議員】
自治体の首長が大学の目標を定め、その達成業績を行政機関に置く委員会が評価するなど、教育研究が首長の意向に左右されるようになり、大学の自主性が損なわれる恐れはないのでしょうか。
大学の自主性の確保は図られる(市大事務局長)
【市大事務局長】
地方独立行政法人法や、「中期目標」の制定、公立大学法人評価委員会などでも、大学の自主性の確保は図られる。
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《6 靖国神社参拝問題と歴史教科書の見解を稻問う》
(1)首相の靖国神社参拝に対する市長の見解と対応はいかがか
【村瀬議員】
靖国神社は戦争を始めた人たちを神様として祀ってある神社です。これは、行けば誰でも無料でもらえる靖国神社のリーフレットですが、ここにはA級戦犯について「戦後、日本とたたかった連合軍の、形ばかりの裁判によって一方的に戦争犯罪人という、濡れ衣を着せられ、無残にも生命をたたれた」方々、「これらの方々を『昭和殉難者』とお呼びして…すべて神様としてお祀り」している、と説明しています。要するに、日本に戦争犯罪などなかった、敵である連合軍が一方的に押し付けた濡れ衣だ、その立場でA級戦犯を神様として祀ったというのが靖国神社の立場なのです。ここに首相が参拝することは、日本政府として、「日本の戦争は正しかった」という靖国神社の歴史観にお墨付きを与えるものです。しかも靖国神社は、こういう歴史観に日本全体を塗り替えようしている運動体です。ここに中国や韓国をはじめとするアジア各国の大きな批判があり外交問題に発展しているのです。
名古屋市は中国・南京市と友好都市であり、この問題は特に重要です。市長は、小泉首相の靖国神社へ参拝問題をどうお考えでしょうか。参拝は取りやめるべきとは思われませんか。市長の見解をお聞きします。
首相自らが判断されるもの(市長)
【松原市長】
首相自らが判断されるものだ。
(2)誤った歴史教科書の採択を許すな
【村瀬議員】
靖国神社と同じ主張をしているのが「新しい歴史教科書をつくる会」・扶桑社の歴史・公民教科書です。私も、この歴史教科書を読みました。驚いたことに、あの中国に対する全面戦争を一言も侵略とは言っていません。そして日中戦争の開戦の原因が中国側にあったように描き、南京大虐殺についても疑問視した記述があります。他の7社の教科書でこのような表現はありません。
1941年以後の対米戦争についても、タイトルを「大東亜戦争」という戦前の政府と軍部の戦争観に立った呼び方に固執し、「日本の自存自衛のための戦争であると宣言した」としています。これらは、小泉首相が4月にアジア・アフリカ首脳会議で述べた「植民地支配と侵略を心から反省する」という立場とはまったく逆のものです。
名古屋市は、南京大虐殺があった中国・南京市と友好都市となっていますが、これではアジア諸国の都市との友好関係に影を落とすものでもあります。このように侵略戦争を「正しい戦争」に置き換え、歴史の真実に相反することを教え込もうとする教科書で、子どもを教育することは日本の将来を誤ることになるでしょう。私は、このような教科書を検定合格させたことは間違であり、採択すべきでないと考えています。
市長は、「つくる会」の教科書について、どんな認識をお持ちでしょうか。
いずれの教科書も検定を経ており教材となりうる(市長)
【松原市長】
新しい歴史教科書を含め、いずれの教科書も文部科学大臣の検定を経たものであり、児童生徒ための主たる教材になる。
市長はあの戦争が正しかったと生徒に教えるのか(意見)
【村瀬議員】
扶桑社の歴史教科書が主たる教材になるとの市長答弁に驚いた。市長はあの戦争が正しかったと生徒に教えるのか。この教科書を使えばそうなる。中国に対する侵略も「侵略」と一言も書いてない。日米開戦もABCD包囲網でやむを得ずやったんだ、と。いわば、戦争は相手から強制されたんだと言っている。この教科書を使えるという市長の認識は間違っている。
以上
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