日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2007年8月31日発行

8月30日・31日 経済水道委員会 田口一登委員長 かとう典子議員

徳山ダム導水路
水余りで不要なのに890億円
長良川河口堰の利用につなげたいためのムダ

8月30日の経済水道委員会で徳山ダム導水路の説明がありました。揖斐川から木曽川へ流し、犬山取水場への上流ルートに加え、上流ルートの途中の長良川で一部を放流し、河口堰の上流部から木曽川大堰の下流部に新たな下流ルートをつくり、木曽川大堰の上流部の朝日取水場で水を取ろうという提案です。

導水管に水は流れない

かとう典子議員は「渇水対策というが、平常時に水は流れるのか」とただすと、「異常渇水時以外には上水道の水は流れない」と説明し、工業用水が転換されたときは水が流れることを明らかにしました。また、水需要について「市の給水量は92年度の92万立法メートルをピークに減少し、2005年度の1日平均給水量は81.7万立法メートル、最大でも102.3万立法メートル。岩屋ダムや味噌川ダムにより10年に一度の渇水時でも給水能力は106.3万立法メートルであり、徳山ダムの水は必要ないと批判しました。

総事業費は当初より10億円減りますが、市の負担は40億円ほど割高になります。しかし「長良川河口堰の導水に道が開いた」とムダにムダを重ねる姿勢を示しました。

木曽川水系連絡導水路の費用負担(単位:億円)
  費用 用途 岐阜県 愛知県 三重県 名古屋市
上流施設 880 治水 402.2 29.3 130.2 12.9
利水 186.3 119.1
下流施設 10 治水 6.0 0.4 1.9 0.2
利水 1.5
合計 890 治水 408.2 29.7 132.1 13.1
利水 186.3 120.6
408.2 29.7 318.4 13.1 120.6

 

本丸御殿復元
万博や名城博の余剰金13億を含め、6年で17億円余の寄付

市民の機運も高まらないのに

31日には本丸御殿復元について質疑が行われました。

財界に寄付を要請するが

総工費150億円(設計や障壁画の模写を含む)のうち50億円は市民、企業からの寄付で賄う計画ですが、今年度7月末時点で17億8千万円で、まだ目標の34%です。市は7月に名古屋商工会に寄付を要請、9月には中部経済連に要請し企業からの寄付を集める算段です。

一般市民からの寄付は引き続き低調です。与党議員から「目標件数をもつべきだ」などの叱咤が出る一方、「市民は余り関心がない。区政協力員を使った金集めは考えていないと思うがどうか」との質問が出され、「そういう計画はない」と市は答えました。

「公園整備」の名目で国に補助金要請

あとの100億円は「国や県からの補助金や市債の活用」で賄う計画です。かとう議員の国の補助金についてただし、市は国の補助金を名城公園整備の位置づけで申請し、金額は最大で90億円、半額の45億円の補助金を考えていることがわかりました。かとう議員は「それではバーベキュー施設の整備と同じではないか。市民の税負担などが増大している中で一般財源の負担は小さくするべき。復元の気運が盛り上がらない」と主張しました。

与党議員も「なぜ公園整備事業か。文化的に価値の高いモノだからこそ寄付も募れる」「財源見通しが甘い」と批判しつつも、「腹をくくってやってほしい」と推進の姿勢を示しました。