日本共産党名古屋市議会議員団Webサイト
2007年10月18日発行

2006年度決算 反対討論 山口清明議員

市民負担増を当然視し、大型事業を優先した市政

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要望書を提出しました

9月定例会が終わりました。10月17日、最終日の本会議で2006年度決算認定が与党議員の賛成で可決となりましたが、採決に当たり山口清明議員が反対討論をおこないました。その要旨を紹介します。

増税に苦しむ市民に追い討ち

2006年度は、自公政権による国民への増税と負担がのしかかり、格差と貧困の広がりが誰の目にも明らかになった年でした。景気が回復したのなら大企業の減税こそまず改め、応分の負担を求めるべきです。 ところが名古屋市は、国の悪政にはモノを言わず、市民にだけ、増税にさらに拍車をかける数々の負担増を押しつけました。以下、反対理由を述べます。

弱い立場の市民に冷たい仕打ち次々

第一に、市民に重い負担をかぶせ、とりわけ社会的に弱い立場の市民に対し、冷たい仕打ちを行ったことです。

個人市民税は、課税所得200万円以下の税収が増え、低所得者に、より重い増税となりました。介護保険料は4割も値上げです。年金が月額1万5千円にも満たず、保険料の天引きできない低所得者のなかで滞納者が5千人を超え、さらに介護が必要な人には、重い負担を課す「制裁」まで加えられました。国民健康保険の保険料も上がり、多くの滞納者を生み出しました。加えて保険証を取り上げられた市民は、前年の36倍です。

子育て世代への冷たい仕打ちも見過ごせません。就学援助の認定所得基準を切り下げた結果、就学援助認定者は前年より1,828人も減りました。

生活保護の母子加算や児童扶養手当の削減が続くなか、「手当てから就労支援へ」と、遺児手当を改悪し支給対象者を1万8千人から6千人へと3分の1に減らしました。ところが市の支援センターの紹介で新たに就労できたのは82人。ひとり親世帯の深刻な実態の改善は、今後に残されました。

その他、保育料の値上げや障害者自立支援法にともなう応益・1割負担など、支援が必要な市民に対し、逆に重い負担を強いたことは許せません。

教員削減と運営費大幅減で状況悪化

第二に、教育をめぐる厳しい状況を一段と悪化させたことです。

小・中・養護学校での教員の欠員は95人。加えて06年度には93人が病気等で新たに休職しました。 臨時教員は190人も増えましたが、教員の新規採用は前年より24人増えただけ。過労による精神疾患も急増し、残業は多いのに、授業準備の時間すら十分にとれません。教員の絶対数が足りないのです。

この10年間で、小中学校の運営費は総額115億円から84億円へと、4分の3に削られました。06年度は前年に比べて小学校一校平均で80万円、中学校では同じく一校当り121万円も運営費が削られました。節約も限界です。学校現場からの悲鳴が、市長には聞こえないのでしょうか。

市民負担増で大型開発につきすすむ

第三に、大企業優遇、大型開発優先の市政運営を続けてきたことです。

名古屋駅前の都市再生地区には、ミッドランドスクエアなどの超高 層ビルに対する本市からの補助金は累計で83億円にものぼります。税金のムダづかいの典型です。そのほか、都市高速道路の建設や徳山ダムへの支出を続けたことなど、大型開発優先の政治にまったくブレーキがかかりません。

その一方で、生活関連道路の費用は10年間で4分の1になり、市営住宅は建て替えるたびに戸数が減ります。市民生活に直接役立ち、地域経済を足下から暖める、くらしに身近な公共事業は減り続けています。

当局は「厳しい財政だが、大きなプロジェクトは必要」「市民負担なしに財政健全化はできない」と、市民負担増を当然の前提に、大型開発に突き進む姿勢を明らかにしましたが、この財政運営姿勢こそ総決算すべきです。

ムダを削って暮らしを支える市政に

市民はいま、税金の無駄遣いをやめ、くらしを支えてほしいと願っています。

国の悪政に追随し、さらに負担増の追い討ちをかけたのが昨年度の市政運営でした。このような決算は認定できません。