11月議会 議案外質問 かとう典子議員
「同じ保育園で続けてほしい」が父母の願い
公立保育園の民営化計画は撤回を
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かとう典子議員は11月30日の本会議で、公立保育園の民営化問題について質問しました。
名古屋市は、11月、「千種台保育園」「山田保育園」「苗代保育園」の公立3保育園を民営化する計画を発表しました。「千種台」「山田」は2010年3月、「苗代」は2011年3月末で廃園し、民営化するというものです。
民営化に父母の憤りと不安の声
市主催の説明会では、「日照被害対策として園舎の改築は、当局と約束をしていたが、廃園とは聞いてない。約束を守ってほしい」「市が責任を持ってくれる安心感が欲しかったから、公立保育園を選んで入れた。話が違う」「同じ保育士さんにいてほしい」「本丸御殿に税金をだして、保育園の建設費はないのか」などの父母の憤りと不安の声が出されています。
かとう議員は「市は父母の反対がある中、今年3月に則武保育園を廃園したが、父母の市への不信感は消えない。2006年の横浜地裁判決は、『保護者には保育所を選択する権利と、同じ保育所で継続した保育を受ける権利がある』としているが、父母の願いは同じ保育園で続けてほしいということ。3保育園は公立のまま改築すべき」と市長に求めました。
これに対して市長は、「社会福祉法人への移管は、国の交付金などで市の負担軽減を図ることができ、その分の財源を多様な保育サービスの拡充に活用できる。3園は市営住宅建替や入所年齢拡大のため整備が必要で、子どもや保護者に不安や負担を与えないように、保育の引継ぎなどに十分配慮したい」と答えました。
かとう議員は「則武保育園でも、引き継ぎはしっかりされたと思うが、それでも、子どもたちが落ち着かなくなったり、保育園に行きたくないと訴える子どもが増えたと聞いている。市長が『しゃにむに進めない』と言うなら、全員の納得、合意がなければ民営化計画は撤回すべき」と主張しました。
12月2日の中日新聞。かとう議員の質問を注目しました。
評価する公立保育園をなぜ減らす
名古屋市には、公立123カ園、民間158カ園あり、約半数を占める公立保育園は、民間も含めた全体の保育水準を保つ上で大きな役割を果たしています。
ところが名古屋市は、10月にまとめた「保育施策のあり方指針」で、公立保育園の役割を評価する一方、「老朽化した公立保育園の改築等にあわせ、民間の力を活用し、改築費用や運営費を縮減する」としています。
かとう議員は「評価している公立保育園を減らす理由は、財源不足しか考えられない。民営化を進める『保育施策のあり方指針』は撤回すべき」と市長にせまりました。
不要不急の事業見直し公立で建替を
市長は「国の方針変更で、公立保育所の整備・運営には国からの交付金等が支出されない。今後の保育ニーズにこたえるためには、民営化による経費縮減が必要。平成20年度に、具体的な基準や見直しの計画を策定していく」とこたえました。
かとう議員は「国の交付金がなくなったが、整備費は特別地方債で、運営費は所得譲与税で手当てされ、財源措置はある。不要不急の事業計画こそ見直し、公立保育園の廃園、民営化はするべきでない」と主張しました。