2月15日 愛知県後期高齢者医療広域連合議会 わしの恵子議員
2月定例議会来年度予算などを可決
重い保険料の軽減もなく中止・撤回を
2月15日、名古屋市内において愛知県後期高齢者医療広域連合議会(連合長=松原武久名古屋市長)の2,008年度第1回定例会が行われました。
制度実施の事務にかかわる来年度一般会計予算(総額30億円)と高い保険料を押しつける特別会計予算(総額4575億円)には、日本共産党のわしの恵子議員だけが反対。愛知県社会保障推進協議会から出された保険料減免を求める請願には、わしの議員だけが紹介議員になり他の議員は反対しました。
保険料引き下げも市町村独自の助成も拒否
わしの議員は、「高すぎる保険料を引き下げるために、保険料算出基準に含まれる保健事業、財政安定化基金拠出金、審査支払手数料、収納率上乗せ分を国や県、市町村負担にするべき。これらを保険料算定から除くと1人当たり保険料はどれだけ軽減できるのか」と質問。
事務局長は、「平均保険料として月額787円軽減される」と答えました。これだと平均保険料93,204円(月額7,767円)が83,760円(月額6,980円)に軽減されることになります。
わしの議員は、東京都の広域連合が独自に保険料軽減を決めたことや、厚生労働省が広域連合独自の減免や市町村の独自助成を可能としていることを紹介し、保険料の軽減を求めました。
松原連合長は、「7割、5割、2割の減額で被保険者の約38%の約24万人、総額58億円が軽減。市町村の独自助成は市町村の判断だが、県下一律の制度で高齢者にも一定の負担が必要で慎重に判断されるべきだ」と答え、市町村の独自軽減も拒否しました。
広域連合に医療差別の認識がない
わしの議員は、「後期高齢者医療制度の医療内容について、これまでとどう変わるのか」と質問。事務局長は、「医療の連続性に配慮し、これまでと同様の医療を受けることができる」「自由に自分の選んだ医療機関にかかることを制限しない」と答え、医療が差別される認識のないことを示しました。
わしの議員は、「後期高齢者医療制度は75歳以上の心身の特性を踏まえるとして、別建ての診療報酬体系をもち、検査や画像診断を診療料に新設し、検査回数が増えても報酬が増えないように制限している。終末期の患者に過剰な延命治療をしない確約をとると診療報酬が高くなる」などと反論しました。
説明会実施は半数の31市町村、住民の声聞け
わしの議員の質問で、説明会が県内61市町村のうち31市町村でしか行われていないことがわかりました。また、名古屋市の説明会では、住民の疑問・質問に十分答えておらず、意見を聞く姿勢もないことを批判しました。事務局長は、「意見は市町村を通じて届けてもらう。必要に応じて懇談会を開催する」と答弁しました。
東京は独自の保険料軽減を決めた
東京都後期高齢者医療広域連合は昨年11月に、(1)葬祭事業は市町村の政策判断で実施。(2)審査支払手数料、財政安定化基金拠出金、未納保険料補填分を保険料ではなく、区市町村の負担にして総額約100億円の保険料軽減を決定。(なお、2月議会では低所得者(年金収入208万円以下)の保険料について、所得割の一定額を独自に軽減することを決めました。)
愛知では平均月額787円を軽減できる
広域連合の試算
保険料算出基準から外す項目 | 事業規模 (2年分) |
保険料に反映する額 (軽減前・月額) |
---|---|---|
保健事業 |
3,951百万円
|
254円
|
財政安定化基金拠出金 |
869百万円
|
56円
|
審査支払手数料 |
2,994百万円
|
192円
|
葬祭費 |
4,050百万円
|
260円
|
収納率上乗せ分 |
387百万円
|
25円
|
合計 |
12,251百万円
|
787円
|
○広域連合職員が25人から39人に増員されます。各自治体か らの派遣は以下のとおりです。
愛知県 2→2人 名古屋市 6→11人、春日井市、犬山市、江南市、小牧市、春日町、一宮市、稲沢市、瀬戸市、豊明市、津島市、愛西市、常滑市、東海市、阿久比町、美浜町、碧南市、刈谷市、岡崎市、幸田町、西尾市、豊田市、新城市、豊川市、蒲郡市、豊橋市、田原市・・・以上26自治体から各1人
○傍聴は定員30人に対し53人が希望。午前9時半に締め切り抽選しました。
○会場前では年金者組合のみなさんが中止・撤回の宣伝をしていました。