2月議会 本会議・個人質問(3月5日) さとう典生議員
名古屋食肉公社の愛食「部分肉冷蔵庫」借り上げ問題
フジチクとの癒着を断ち切り、契約は破棄を
今年初め、「市の外郭団体『名古屋食肉公社』が、フジチクグループの中核会社『愛知食肉卸売市場協同組合』が所有する冷蔵倉庫を、月3000万円で20年間、総額72億円で借りる契約を結んでいた」が「賃料の減額交渉中で、契約が宙に浮く事態になっている」と新聞報道されました(1月8日付「読売」)。
新市場移転後も「愛食」と賃貸契約
市の外郭団体「名古屋食肉市場(株)」(名食)は、2006年の新市場(南部市場)移転にむけて、2001年5月、熱田区にあった民間の愛知食肉地方卸売市場の卸売業務の営業権を「愛知食肉卸売市場協同組合」(愛食)から59億円で譲り受け、移転までの5年間は、市中央卸売市場(高畑市場)と熱田市場の2つの市場の卸売業務を行っていました。
その一方、高畑市場でと畜と冷蔵・保管業務を行っている「名古屋食肉公社」は、熱田市場の冷蔵・保管業務も行い、「愛食」所有の冷蔵庫の賃借料として5年間で13億円を支払うなど、営業権以外にも愛食=フジチクグループにお金が流れる仕組みがつくられました。
今回問題となっているのは、「食肉公社」が、新市場移転後も20年にわたって、部分肉用の冷蔵庫を「愛食」から借り続ける契約を結んでいるということです。
さとう議員は「なぜ南部市場に、部分肉用の冷蔵庫をつくらなかったのか」と理由を明らかにするように求めました。
報告書の図表入れかえ事実を隠蔽
さとう議員は「部分肉用の冷蔵庫借り上げについては、『食肉卸売市場機能強化報告書』で明らかにしてあるというが、報告書の本文には冷蔵庫の話は触れられておらず、図表に出てくるだけだ。しかも、本文は全く同じなのに、肝心の図表だけ入れ替えられている『概要版』が作成されており、その図ではすべて南部市場に統合されるように書かれている。冷蔵庫借り上げを隠すための情報操作ではないか」と厳しく追及しました。
当局は「有識者等による『食肉卸売市場整備問題検討委員会』で決めた」「『概要版』は、一元化の方法を中心にまとめたもので、図表を省略化した」と答えるだけで、理由についてはまったく答えませんでした。
概要版の図
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正規版の図
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上の図はクリックすると拡大図が別ウィンドウで開きます
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フジチクの食肉利権を断ち切れ
さとう議員は、「営業権の59億円も不明朗なまま、移転までの冷蔵庫13億円にくわえて、移転後20年間で72億円、総額144億円がフジチクグループに渡る。このような契約は破棄すべきだ」と市長に求めました。市長は「公社が冷蔵庫の機能、価格等、契約の諸条件を考慮して判断すること。必要に応じて、指導・支援していく」と答えるにとどまりました。
さとう議員は「検討委員会で決めたというが、議事録は黒塗りで闇の中。フジチクの利権につながる関係を断つべきだ」と厳しくせまりました。
児童福祉センターの跡地利用子育て支援のモデルケースに
2010年に移転する児童福祉センターの跡地利用が問題になっています。さとう議員は、「センターのある地域は若い世代が多く、子育て活動も盛んだ。これまでの歴史もふまえ、子育て支援のモデルケースとなる事業を行うべき」とのべ、検討委員会を設置し、住民との協議を開始するよう求めました。「売却も含め検討」という当局に対し、さとう議員は「貴重な市民の財産を売ることは許されない」と指摘しました。