名古屋港管理組合議会 3月25日 一般質問
さとう典生議員 山口清明議員
イタリア村PFI導入はセラヴィ側発案
政治献金データもとに日本共産党が追及
条例違反のイタリア村
名古屋港管理組合議会は、3月25日本会議を開き、さとう典生、山口清明両議員が、イタリア村問題などPFI事業についてただしました。
違反建築がなぜ見逃されたのか
イタリア村をめぐっては、木造を鉄骨と偽った建築違反や経営危機、多額の政治献金などが問題となっています。さとう議員は「建築違反について新聞報道では、現場では『名管は黙認している』と思っていたとされている。万博に合わせて開業させるため、違法行為を黙認していたのではないか」「経営状況の悪化も、なぜ見抜けなかったのか」と管理組合の責任を追及しました。当局は、「イタリア村はPFIの付帯事業で、事業者の自主的監理で建築された。事業者のコンプライアンス意識の問題」「財務状況は融資銀行団から通知を受けて把握する」などと責任のがれの答弁に終始しました。
多額の献金は「成功報酬」か?
イタリア村のセラヴィグループは、自民党の直江弘文県議(港区)に対し、2003年から2006年の4年間で、約1000万円の政治献金を行なっています。一方、イタリア村が整備されたガーデン埠頭東地区の倉庫では、2003年までの5年間、名古屋市の「アートポート事業」として若手芸術家の発表の場となっていましたが、同年10月半ばに突然、事業中止の方針がしめされました。
さとう議員は「セラヴィグループが最初に献金を開始したのは2003年10月20日。一方、市が『アートポート』関係者に事業中止の説明をしたのが10月16日で、管理組合議員総会で『空き倉庫を商業施設に』というPFI事業の方針が発表されたのが11月5日だ。なぜこの時期に政治献金が始まるのか。『成功報酬』ではなかったのか」として、PFI事業について政治家から働きかけがあったのではないか、と追及しました。
当局は「耐震補強に多額の費用がかかり、民間を活用するPFIでの再開発を決めた」「PFI手法は公平性、透明性が厳格で、外部の関与はできない仕組みだ」と答えました。答弁に納得しないさとう議員が「PFI事業は、いつから、どのような検討が行なわれ、決定したのか」と再度追及したのに対して、当局は「倉庫の耐震補強に苦慮していたところ、具体性のある提案がセラヴィリゾートからあり、管理組合としてPFIを導入して早期に再開発を行えると判断し、2003年8月に方針決定した」とこたえ、PFIの導入がセラヴィ側の発案から始まったことを明らかにしました。
また、さとう議員は「イタリア村での残業代未払いなどが問題となっているが、イタリア村の今後がどのようになるとしても、管理組合として雇用の確保に責任をもつべきだ」と求めました。
新たなPFI事業は白紙に戻せ
続いて質問に立った山口清明議員は、「公募以前にセラヴィから具体的な提案があったと答弁したが、はじめにセラヴィありきだったということだ」と厳しく批判し、新たに本庁舎建替えがPFI事業で行なわれることに関連して、「イタリア村の違反建築では、『違反建築は付帯事業で、管理組合は直接責任がない』といっても結果的には管理組合も当事者としての責任を問われる。本庁舎建て替えでも、関連するホテルや商業施設、分譲マンションなど、庁舎以外で起こりうる問題まで、管理組合が責任を問われかねず、よけいなリスクを負うことになる」「安全性の不安や経費の面からいってもPFIが優れているとはいえず、白紙に戻すべきだ」とせまりました。当局は「適切にモニタリングしVFM(コスト削減)も30%見込まれるため、PFIが妥当」と答えました。