6月議会 議案外質問(6月25日) 江上博之議員
COP10開催にふさわしい施策を
巨大ビル建設をやめ、緑を増やしCO2削減へ
質問する江上議員
25日の議案外質問で、江上博之議員はホッキョクグマの現状を紹介し、超高層ビルの抑制と農業振興などで地球温暖化の防止を、と訴えました。
江上議員は、「COP10名古屋開催を地球温暖化防止を考える絶好の機会として、ヒートアイランド対策など、中心市街地のあり方や農地など緑の減少の問題を考えるべきだ」と指摘し、CO2排出削減について質問しました。
高層ビル建設を抑制し、補助金をやめよ
トヨタ・毎日ビルがミッドランドスクエアに建替えられ、CO2排出総量は1.58倍になりました。しかし市長は、地域冷暖房導入などで効率が良くなると建設を抑制しませんでした。単位面積当たりの排出量は減っても延面積が増えて総量が増え、CO2排出量が増えたのです。江上議員は「温室効果ガスにかかわる環境アセスメント提出の建物は、100m以上、かつ5万平方メートルの建物だけ。スパイラルタワーズなどは100m以上でも対象でなく、建設後、地球温暖化対策計画書を届け出るだけ。市独自の環境アセスメントで超高層ビル建設の抑制をせよ」と要求しました。
名古屋市は市街地再開発や優良建築物等整備事業で、超高層建築物建設に補助金を出しています。江上議員は「CO2削減のためにも、高さ100m以上、あるいは延べ面積5万平方メートル以上には補助すべきでない」と指摘しました。
都心部への自動車流入をくいとめよ
環境にやさしいエコ住宅の建設を
江上議員は、都心部に自動車を流入させてきたことは問題だと指摘し、思い切った抑制策を求めました。昨年、都心の道路300mにわたって実施した、マイカーを使わない日「カーフリーデー」の取り組みを大規模に行うことを提案しました。また中心市街地に循環型社会対応住宅を建設して、自動車流入の抑制や公共交通利用の促進をはかれ、と提案しました。
農業振興で緑被率30%目標の実現を
―15年間で40%の農地が減少
名古屋市は「緑の基本計画」で、市域面積の30%を緑にするといっていますが、1990年の29.8%が、2005年には24.8%と減り続け、特に農地は、2006年からの1年間だけで59haも減りました。市は、国が募集した「環境モデル都市」に応募し、緑被率25%を維持するといいながら、農地には全く触れていません。
江上議員は名古屋市の食料自給率がカロリーベースで1%しかないことも示し、残された1600haの農地を維持し、増やすことが必要と指摘しました。そして「農地の保全こそ大きな効果がある」と強調し、そのために「農産物の価格保障と、農家の所得補償が有効であり、学校給食への利用や農業振興費をふやせ」と求めました。